6種類の解析ツールを収録するプラグイン集「BLUE CAT AUDIO Blue Cat's Analysis Pack Bundle」【diggin' beatcloud Vol.02】

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フックアップが運営するオンライン・ストアbeatcloudから、注目のソフトをピックアップ。今回レビューするのは6種類のオーディオ解析ツールを収録したプラグイン・スウィート、BLUE CAT AUDIO Blue Cat's Analysis Pack Bundleです。解析結果を数字やグラフで表示するだけではなく、解析した値の動きをMIDIコントロールに使用したり、DAWにオートメーション・カーブも描けるという特徴があります。各プラグインがどのような働きをするのか、チェックしていきます。

指定した数値の動きを
MIDIコントロール信号として出力可能

 Blue Cat's Analysis Pack Bundleはピーク/RMSメーターとスペクトラム・アナライザー、オシロスコープ、ステレオ・スコープの4種類に加え、マルチチャンネル対応のスペクトラム・アナライザーとステレオ・スコープを2種類用意しています。すべてのプラグインはMac/Windowsに対応しており、AAX/AU/VSTフォーマットで使用可能です。

 

 単一のチャンネルでのみ使える4種類のプラグインは、解析結果を数字やグラフで表示するだけではなく、指定した値の動きをMIDIコントロール信号として出力できるという機能が実装されています。MIDIラーン機能を採用しており、任意のMIDIチャンネルを設定することも可能。例えばシンセサイザーに装備されているフィルターのカットオフ周波数をドラム・チャンネルの音量変化でコントロールすれば、ドラム・パターンに連動して音色が変化するようになるわけです。また、指定した値をDAWへオートメーション・カーブとして記録もできます。

 

 それでは収録されているプラグインを一つずつ紹介していきます。まずはピーク値とRMS値をヒストグラムと数字で表示するオーディオ・レベル・メーター、Blue Cat's DP Meter Pro(画面①)から。ピーク値とRMS値の差を表すクレスト・ファクター・メーターを搭載。クレスト・ファクター値が高いほど、ダイナミクスが大きい音声ということになります。表示される値はリアルタイムで更新され続けるインスタント、最大値を記すマックス、平均値を示すアベレージの3種類。メーターのレンジとスケールを設定できるほか、ヒストグラムの色を変更することも可能です。

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画面① ピーク値とRMS値を表示するオーディオ・レベル・メーター、Blue Cat's DP Meter Pro。ピーク値とRMS値の差を表すクレスト・ファクター・メーターも搭載している。画面下のグラフは、MIDIコントロールとオートメーション・カーブ描写に使うピーク、RMS、クレスト値のエンベロープ。緑色のTransformedは、画面中央右のOUT ENVELOPEの設定に応じたグラフが表示される。画面では“Enable Automation Output”を選択し、DAW上にオートメーションを描いた

 周波数特性を視覚的に把握できるリアルタイム・スペクトラム・アナライザーとしては、Blue Cat's FreqAnalyst Pro(画面②③)が用意されています。オーディオ信号の主要なスペクトル特性とスペクトラムを表示するスペクトラム・ビューを備え、インスタント/ピーク/アベレージの3モードを同時に表示可能。表示速度や精度などの設定項目やズーム機能を駆使することで、より正確な音響特性のモニタリングを行えます。さらに、時間経過によるスペクトルの変化を監視するスペクトログラム・ビューも完備。こちらはインスタントかピークからカーブを選択します。 

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画面② リアルタイム・スペクトラム・アナライザーのBlue Cat's FreqAnalyst Pro。スペクトログラム・ビューのビジュアルは、2Dと3Dから選べる。カーブはオーディオ信号の瞬間的な周波数成分を表示するインスタントと、時間的変化を伴う周波数成分の最大値を示すピークの2種類を用意している

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画面③ Cat's FreqAnalyst Proは音声信号ピッチを分析して表示することもできる。画面のグラフはCenter Pitchを表示しているところ。これをMIDI CCやMIDIノートに変換し、オーディオ信号のピッチでエフェクトをコントロールすることができる

 複数のオーディオ・ファイルの周波数特性を同時に監視したい場合、マルチチャンネル対応のBlue Cat's FreqAnalyst Multiが役に立ちます。複数のチャンネルにインサートすれば、各チャンネルの周波数特性を一つのウィンドウ上に表示可能。FreqAnalyst Proには無い差分ビューで各素材を比較したり、レスポンスのマッチングが行えます(画面④)。チャンネル間に生じるマスキングや、各楽器のレイヤー具合が一目りょう然ですね。各チャンネルにインサートしたスペクトラム・アナライザーを立ち上げて何度も切り替えたり、ミックス・バスのマスターにメーター・プラグインを挿す必要はありません。

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画面④ マルチ・チャンネル対応のリアルタイム・スペクトラム・アナライザーBlue Cat's FreqAnalyst Multi。上部のDIFF VIEW(差分ビュー)アイコンをクリックすると、インサートしたトラック同士の差分を表示できる。素材の比較や、周波数特性を似た形にするためのEQマッチングができる

3Dでステレオ・イメージを可視化する
Blue Cat's StereoScope Pro

 オシロスコープのBlue Cat's Oscilloscope Multiも収録されています(画面⑤)。複数のチャンネルにインサートして波形情報を生成し、それらを1画面で比較検討が可能。波形表示とXY位相スコープ・ビューを備えていて、マルチマイキングで起こる位相の問題を容易に把握することができます。例えばドラム・キットに対して多数のマイクを設置してレコーディングする際、マイク同士の時間軸を視覚的にとらえて整理することで、マイク同士の位相の干渉を最小限に抑えることが可能です。同じように打ち込み素材のレイヤーにおいても、キャンセルが起きないように配慮すべきです。

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画面⑤ オシロスコープのBlue Cat's Oscilloscope Multi。複数のチャンネルを1画面に表示可能で、マルチマイキングで発生する位相の問題を容易に把握できる。各チャンネルに4つのメモリー・スロット(A/B/C/D)が用意されており、任意の波形を保存しておける

 Blue Cat's StereoScope Proは、オーディオ素材がどのように広がっているか視覚的に把握できるステレオ・フィールド・アナライザー(画面⑥)。2Dのグラフでステレオ・イメージを示すステレオ・ビューに加え、立体映像で時間的変化を表示するステレオグラム・ビューも用意されています。単一のチャンネルにのみ使えるこちらも、指定した数値を使ったMIDIコントロールと、DAWへのオートメーション・カーブの記録に対応。なので“ステレオ素材の広がりのエンベロープを使ったサイド・チェイン”という、もはやどのような効果が得られるか想像が難しいようなサイド・チェイン・システムの構築を可能としています。

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画面⑥ オーディオのステレオ・イメージを視覚的にモニタリングできるBlue Cat's StereoScope Pro。真ん中のC地点がセンターで、そこから左右に広がりを表す。100%より外の赤い部分は逆位相となっている

 マルチチャンネル対応版のBlue Cat's StereoScope Multiも収録(画面⑦)。マルチトラック素材へ使えるだけではなく、入力と出力のステレオ・イメージを与える影響である伝達関数を表示でき、シグナル・チェインの分析にも役立ちます。どのツールも、ミックスの強い味方にも、クリエイティブなツールにもなりますね。

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画面⑦ ステレオ・イメージをマルチチャンネルで表示できるBlue Cat's StereoScope Multi

 

BLUE CAT AUDIO Blue Cat's Analysis Pack Bundle

価格:29,091円

Requirements
■Mac:OS X 10.7以降、INTELプロセッサー
■Windows:XP、Vista、7 、8、10、An SSE2命令セットに対応したプロセッサー(Pentium 4 以降)

beatcloud.jp

 

Mine-Chang

作編曲家/プロデューサーとしてアーティストへの楽曲提供やCM音楽などで活躍するとともに、prime sound studio form所属のレコーディング・エンジニアとしても活躍中。

 

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