WAVESインストゥルメントに注目!ーシンセサイザー編

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 WAVESはミキシング・ツールに特化したプラグインのブランドというイメージが強いが、近年はプラグイン・インストゥルメントの開発にも力を入れている。ここでは、国内で活躍する2名のアーティスト/作編曲家に登場いただき、これまで同社からリリースされているシンセサイザー/ピアノ&キーボード/ベース・ギターのソフト音源を幾つか試してもらった。シンセサイザー編に参加してくれたのは、4人組バンドDATSの中心人物であり、作曲/ボーカル/シンセを担当するMONJOEだ。意外と知られていないWAVESインストゥルメントの魅力をたっぷりとお届けしよう。

Reviewer MONJOE(DATS)

【Profile】4人組バンドDATSの中心人物であり、作曲/ボーカル/シンセを担当。R&Bからダンス・ミュージック、インディー・ロックまで幅広い楽曲センスを持ち、気鋭アーティストとして注目されている 【Profile】4人組バンドDATSの中心人物であり、作曲/ボーカル/シンセを担当。R&Bからダンス・ミュージック、インディー・ロックまで幅広い楽曲センスを持ち、気鋭アーティストとして注目されている

Codex Wavetable Synth

2基のオシレーターとウェーブテーブルを搭載 codex

 Codex Wavetable Synth(以下Codex)は、グラニュラー・ウェーブテーブル・シンセシス・エンジンを採用するポリフォニック・シンセサイザー。最上段には2つのオシレーターが搭載され、ウェーブテーブルは64種類の中から選択できます。ウェーブテーブルを切り替えると、画面に表示された波形画像も切り替わり、現在のウェーブテーブルがどんな波形の集まりなのかを視覚的に確認することが可能です。2つのオシレーターは“オシレーター・シンク”も行え、“RESOLUTION”や“FORMANT”のノブもあるので積極的に触ってみると面白いでしょう。

 また、このウェーブテーブルを使わずに外部からインポートしたサンプルをウェーブテーブルに変換して使うこともできます。ここが、個人的には一番楽しめたところ。例えば自分自身で作ったサンプルをインポートした場合、“今扱っている音は世界に一つだけのサウンドなんだ”と考えると、非常にワクワクしてきます!

 内蔵のアルペジエイター/16ステップ・シーケンサーではステップごとにピッチ変更ができるのですが、シーケンスを走らせながら調整ができ、直感的に作業が行えます。さらに、Codexはディレイやリバーブ、コーラスなどの空間系エフェクトのほか、ディストーションやビット・クラッシャーなどのひずみ系エフェクトも搭載。多彩な音作りが可能でしょう。

 Codexは一つの画面内で音作りが完結できる仕様のため、作業もスムーズに行えます。プリセットは100種類以上用意されているので、これらを音作りの参考にしたり、ここからさらに各パラメーターをいじってみても良さそうですね。ぜひ皆さんもCodexを使って、オリジナルのシンセ・サウンドをたくさん作ってみてはいかがでしょうか。

Element 2.0

兼ね備えるアナログの質感とモダンなサウンド element2

 太くて温かみのあるアナログの質感と、精密でモダンなサウンドの両方を兼ね備えたポリフォニック・シンセサイザー、Element 2.0。高解像度のオシレーターやアナログ・エンベロープをモデリングし、フィルター部分のフィードバックはゼロ・レイテンシーを実現しています。

 またCodexと同様、1画面ですべてのサウンド・メイキングが行えるレイアウトとなっており、16ステップのアルペジエイター/シーケンサーのほか、コーラス/ディレイ/リバーブ/ディストーション/ビット・クラッシャーといったエフェクトも内蔵しています。

 使用した一番の印象は、Element 2.0がソフト・シンセだということを忘れてしまうくらい音が太いということ。画面もどことなく実機のアナログ・シンセをほうふつさせるデザインで、ノブの配置も分かりやすくスムーズに音作りが可能です。 

内蔵エフェクトは解像度が高く、空間系エフェクトでは絶妙な立体感を演出することができ、“さすがWAVES!”と心の中で叫んでしまいまいました。

 音質や操作性の良さからElement 2.0は、うなり上げるようなシンセ・ベース・サウンドが特徴のテクノ・ミュージックの制作で使えそうだと思います。アナログ・シンセが持つ“生の質感”を、簡単にトラック・メイキングに取り入れたい方にはとてもお薦めです!

Flow Motion FM Synth

ドラッグ&ドロップで直感的なサウンド・メイク 4P目画像㈪キャプション:▲MOTION画面flow-motion-fm-synth-back

 ユニークでスタイリッシュな画面が印象的なFlow Motion FM Synth(以下、Flow Motion)は、FM方式と減算方式のシンセシスを組み合わせたユニークなシンセサイザー。オシレーターをオシレーターでモジュレートすることによって生まれる倍音を音作りに応用したFM方式に、減算させるフィルターを組み合わせることで、より音楽的な音作りができるようになっています。

 Flow Motionは、4つの丸い形をしたオシレーターの調整やコントロールを行うFLOW画面と、それらのオシレーターをフィルターやエフェクトで加工するMOTION画面の2つを装備しています。右端にある4つのモジュレーション・ソース(LFO/エンベロープ)は、ドラッグ&ドロップで画面内にアサインできるので、直感的な音作りが可能です。

 FLOW画面の中央にある丸い形のスコープには合成された波形が表示され、視覚的にモニターできるようになっています。モジュレーションは、デフォルトの位相変調(PM)か周波数変調(FM)の2つから選択できるので、音作りの幅が広がりますね。

 Flow Motionで最も特徴的な機能は、下部に見えるSNAPSHOT SEQUENCERでしょう。これはステップごとに音色を切り替えるためのシーケンサー。16ステップそれぞれに、音色のパラメーターを丸ごとスナップショットとして記憶させることができます。ランダムにスナップショットが選ばれる機能もあり、全く想像しなかったようなシーケンス・パターンを作ることができて楽しいです。

 そして、Codexに収録されたプリセットの数は1,000以上。それぞれシンセ・ベース/シンセ・リード/シンセ・パッド/パーカッションなど、20以上のカテゴリーに整理されているため、欲しい音色もすぐに見つけられることでしょう。

 Flow Motionで魅力的なのは、直感的な操作で自分だけのサウンドを作れる点です。豊富なプリセットをそのまま使うのもよし、ゼロから作り上げるもよし。とにかく専門的な知識が無くとも、クリエイティブで高度なシンセ・サウンドを生成することができるでしょう!

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https://www.minet.jp/brand/waves/top/

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サウンド&レコーディング・マガジン 2020年2月号より)