

TONELUXは、残念ながら現在日本に代理店が無いためあまり認知されていませんが、API 500シリーズから中型のコンソールまで数多くのハードウェアを出しています。本製品はTONELUXのマイク・プリアンプ、MP1A、5AのEQ部分であるTiltをモデリングしたプラグイン。ハードウェアのTiltは、650Hzを中心に高域と低域をシーソーのように±6dBブースト/カットするEQです。その機能に、低域と高域を同時にブースト/カットするラウドネス効果を得られるLoudモードのほか、ハードには無いハイパス/ローパス・フィルターとフェイズ、アウトプット・レベルを追加しています。
私はボーカル・トラックの幾つかに、EQ、コンプで音作りした後に入れて、最後の微調整で愛用しています。既に前段階の処理でほぼ終わっているので、フィルターやフェイズ、ゲインは初期設定のままで、Tilt部分のみを調整します。LoudとTiltのモード設定は音色により選びますが、上げ下げはあまり大きくすることは無く、1〜2dBくらいの範囲で使うことが多いです。積極的にEQするというより、通すことで得られる音色が好きで、ゲインが0dBのまま、通すだけで使うことも多々あります。
製品ページ→https://www.mi7.co.jp/products/softube/tilt/

ABBEY ROAD STUDIOSが自らのブランドで発売したプラグイン第一弾の開発をしたのがSOFTUBE。現在 は、他社からREDDやEMI TGなど数多くのプラグインを出していますが、本Brilliance PackはSOFTUBEのみからの発売になっています。Brilliance Packは1960年代に使われていたEMI ReddコンソールのEQを補強するために製作された、外付けパッシブEQのモデリング・プラグインで、部屋備え付けの灰色のRS127 Rack、可搬用にトランスを追加した緑色のRS127 Box、8kHz専用のRS135という3機種の構成です。RS127は2.7kHz、3.5kHz、10kHzの切り替えで、ゲインは2dBステップの±10dB。RS135は8kHz固定でゲインも2dBステップの0〜+10dBブースト方向のみ。周波数帯域は限られていますが、秀逸な周波数選びで実に音楽的なポイントになっています。ゲインの2dBステップは、もう少し細かく調整したくなりますが、実機の忠実なモデリングということで潔くカチカチと設定しています。私の好みはRS127 Box。通すだけで輪郭がハッキリして、ツマミをひねればキッチリと主張してくるご機嫌なサウンドになります。
製品ページ→https://www.mi7.co.jp/products/softube/brilliancepack/
Profile
森元浩二.
Profile:2002年よりprime sound studio formのチーフ・エンジニアに就任し、浜崎あゆみ、甲斐バンド、AAAなどを手掛ける。日本ミキサー協会副理事(Photo:Hiroki Obara)
Console 1がDAW/UADプラグインに対応
Console 1の最新ファームウェアが公開され、PRESONUS Studio One、CAKEWALK Sonarなど、DAWのトラック選択、ボリューム、センド・レベル、パン、ソロ/ミュートといった基本機能を操作できるようになった。今後も対応DAWは増える予定。また、60種以上のUADプラグインとSOFTUBEプラグインのコントロールにも対応し、ミキシング・システムからコントロール・サーフェスへと進化を遂げている。詳しくはmi7.co.jp/softube
