三浦大知が『OVER』の全曲を解説。トラックメイカー、プロデューサーの起用理由や、それぞれの楽曲に込めたこだわりを語る。
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1. Pixelated World
Lyrics : Nao’ymt Music : Nao’ymt
『OVER』が三浦大知チームにとって一つの新たなスタートとなるアルバムだからこそ、Naoさん(Nao’ymt)に“今の三浦大知が表現すべきもの”を提示していただいて、それを自分がどう表現できるのか、チャレンジしたくて。そこで作っていただいたのが、この曲と「羽衣」です。この曲からは“覚悟”みたいなものを感じて、今の時代だからこそ歌わなければいけない曲だと思いました。そして、“覚悟を持って音楽と向き合って表現していること”を示すために、この曲をアルバムの頭に持ってくることにしました。
2. 能動
Lyrics : TSUGUMI, Daichi Miura
Music : TOMOKO IDA, TSUGUMI, Daichi Miura
TOMOKOとはもともと知り合いで、お互い切磋琢磨していた時代を一緒に過ごしていた感覚がありました。僕はTOMOKOの作品を一ファンとして聴いていて、いつか一緒に物作りをしたいとずっと思っていたんです。アルバムの制作にあたって最初に思い浮かんだのがTOMOKOなので、この曲が一つ目のピースと言えます。ぞわぞわするような、刺激的な音像を作りたかったんですよ。2曲目にしたのは、“三浦大知がまたなんか変なことをしようとしてるぞ!”というようなわくわく感がほしかったからですね。
3. 全開 feat.KREVA
Lyrics : Daichi Miura, KREVA
Music : XANSEI, Seann Bowe, Daichi Miura, KREVA
トラックメイカーのXANSEIには「Le Penseur」という楽曲をほかの方とのコライトで作ってもらったことがあるのですが、彼が作るトラックには面白いものがいっぱいあったので、別の機会にちゃんと一緒にやってみたいと思っていて、今回初めてがっつり一緒に曲を作りました。最初は、彼のトラックにどんなメロディを乗せるのか想像つかなかったのですが、むしろこれにチャレンジするのが面白いんじゃないかと思ったんです。“KREVAさんがラップしたらやばいだろうな”というのはパッと思いついていましたね。
4. 好きなだけ
Lyrics : Daichi Miura
Music : Adio Marchant, Grant Boutin, Will Jay
作家の方々が集まって曲を作るライティングキャンプというものがあるのですが、そこで生まれたデモ曲を聴かせていただく機会がたまにあって。そのときに“これ良いですね!”となるのが、今回も参加しているWill Jayが関わったトラックである確率が高いんです。彼が作るメロディやトラックが自分の感覚にすごくフィットするんですよ。今回は、ちょうどこのアルバムで一緒に曲を作りたいと思っていたところに彼が参加しているデモがあったので、それを元に曲の展開などをブラッシュアップしてもらうことにしました。
5. Flavor
Lyrics : Daichi Miura
Music : okaerio, U-Key zone
ユーキさん(U-Key zone)は、NaoさんやUTAさんと同じように長くお世話になっているトラックメイカーですが、ここ数年ご一緒する機会がありませんでした。久しぶりに一緒に作りたいなと思いお願いしたら、ユーキさんも新しいチャレンジをしたいという気持ちがあったみたいで、今回はトラックメイカーのokaerioさんが作ったトラックにユーキさんがメロディを乗せることになり、トラックメイカーの共作という珍しい形になりました。何曲か送っていただいたのですが、この曲がすごく自分にフィットしましたね。
6. Light Speed
Lyrics : Coleton Rubin, Grant Boutin, Nate Cyphert, Will Jay, Daichi Miura
Music : Coleton Rubin, Grant Boutin, Nate Cyphert, Will Jay
スタッフの皆さんに、デモの中で三浦大知に歌ってほしい曲のアンケートを実施して、1位を取ったのがこの曲です。チームで物作りをしているので、“スタッフの皆さんが三浦大知で聴きたいものに向き合う”というのも、“OVER”する要素の一つだなと思いました。僕は変なものが好きなので、一癖あるものを選んでしまうことが多いんですけど、この曲はグッドミュージックというのはもちろん、シンプルで正統派だなと。聴いているうちにどんどん好きになっていきました。
7. 羽衣
Lyrics : Nao’ymt Music : Nao’ymt
自分が思いを寄せている人との出会い、恋に落ちた瞬間、ぐっと心を引き寄せられた瞬間……そういった忘れられないようなモーメントを切り取っている歌なんです。アルバムに収録されたほかの曲に比べると、歌詞の内容も含めてちょっとフィクション的というか、Naoさんが生み出した世界観、ドラマや小説のようなストーリー性をより強く感じるんじゃないかと思います。この曲も「Pixelated World」も、Naoさんの世界を自分がどうやって表現すべきなのか、どう歌うべきなのかを考えるのが面白いんですよね。
8. ERROR
Lyrics : MOMO"mocha"N., Daichi Miura
Music : Seiho, Daichi Miura
トラックメイカーのSeihoさんとは、昔「Cry & Fight」という曲を一緒に作ったのですが、その当時は間にUTAさんも入ってもらっていました。今回は、Seihoワールドにどっぷりつかることができたら“OVER”することになるんじゃないか、新しいものが生まれるんじゃないかと思ったので、“Seihoさんが作りたいものがいいです”ということを伝えた上で、トラックをもらって、それにメロディを乗せて……というのを、キャッチボールしながら作っていきました。最初のキーワードは“踊れる感じ”くらいでしたね。
9. Sheep
Lyrics : Daichi Miura Music : UTA, Daichi Miura
UTAさんはいろいろなアーティストと曲を作りまくっていて、ドラマのタイアップ曲なども多く手掛けていますよね。だからこそ三浦大知と曲を作るときは、テーマを何も持たずに、“今日何します?”みたいな感じで、遊びながら作ってもらいたいという思いがあるんです。この曲もUTAさんとゼロから一緒に作りました。数時間で“あとは歌詞を書いたら完成だね”くらいのところまで、するりとできたような記憶があります。“こういうのが面白いね”というお互いの考えを、スムーズに交換して作ることができました。
10. Everything I Am feat.Furui Riho
Lyrics : Daichi Miura, Furui Riho
Music : UTA, Daichi Miura, Furui Riho
UTAさんとこの曲を作っているときに、“女の人の声が聴こえるよね。Furuiさん(Furui Riho)の歌がめっちゃ合いそうだよね”という話になり、オファーしてみたら快くOKしてくれました。最初は2つ目のサビで終わる構成だったのですが、クワイアに参加していてゴスペルなどの影響を受けているFuruiさんのニュアンスを入れたくて、最後にもう一展開作りましょうということになったんです。“不条理な世界~”からは、Furuiさんが参加してくださったからこそ生まれた展開になっています。
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