第一線で活躍するエンジニアに毎月お薦めの新作を語ってもらう本コーナー。D.O.I.氏の今月のセレクトは、ホンネ『ノー・ソング・ウィズアウト・ユー』、ビデオ・エイジ『プレジャー・ライン』です。
ゆるく頑張り過ぎないアレンジが
今の時代感にマッチしている
“本音”という日本語をユニット名にしており、デビュー以来アートワークやMVなどで日本好きを随所に散りばめていることでも有名なロンドンのデュオ、ホンネ。ストリーミングの再生回数を見る限り、かなり人気を博していた2018年の大傑作アルバム『ラヴ・ミー / ラヴ・ミー・ノット』から2年を経て、3rdアルバムがアナウンスされて、リード曲「ノー・ソング・ウィズアウト・ユー」が配信されました。ザ・ウィークエンドやドージャ・キャットなどを筆頭に1980年代テイストの楽曲が流行していますが、こちらもまさにそんな曲。符割の大きいメロディを筆頭に、ゆるく頑張り過ぎないアレンジが今の時代感にマッチしています。
前作より精度もクオリティもかなり高まった
特にアレンジとミックスは段違い
そして、そのホンネと曲調から人気度までシンクロしているような米ニューオリンズのバンド=ビデオ・エイジも、8月発売の最新アルバムからリード・シングル「Pleasure Line」を配信。2018年のアルバム『Pop Therapy』がスマッシュ・ヒットして以来のリリースなので期待度が高かったのですが、予想を超える最高な曲でした。もともとビデオ・エイジは1980年代志向のサウンドでしたので、今の状況は完全に水を得た魚状態でしょう。前作より精度もクオリティもかなり高まっていて、特にアレンジとミックスは段違いです。
両グループともアルバムの全ぼうは見えてないですが、恐らく相当濃い内容だと思われます。リリース時期もサウンドと合いそうなので、屋外で聴いたら最高かなと思いました。
D.O.I.
【Profile】Daimonion Recordingsを拠点に活動するエンジニア。ヒップホップを中心としながらも、さまざまなプロダクションに参加している
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