ステップ・シーケンサーでパターンをスムーズに生成 〜 ヒップホップやトラップ系クリエイターの支持を獲得
【製品概要】
ステップ・シーケンサーで作成したパターンを、プロジェクト画面の“プレイリスト”に並べて楽曲制作を行うMac/Windows対応のDAW。パターンを基準とするため、ループ中心のダンス・ミュージックからヒップホップ/トラップ系のクリエイターなどに人気です。オーディオ機能を省いた入門向けのFL Studio 20 Fruity、オーディオ/シーケンス機能や基本的なプラグインが備わるProducer、7つのプラグインを追加したSignatureのほか、パッケージ版では、Signatureの解説本バンドルやクロスグレード版も用意。
【製品ラインナップ】
FL Studio 20 Fruity:17,600円|FL Studio 20 Producer:28,600円|FL Studio 20 Signature:37,400円|FL Studio 20 Signature 解説本バンドル:39,380円|FL Studio 20 Signature クロスグレード:24,200円
(クロスグレードは他社製DAW所有者が購入対象)
*最新版v21へはフリー・アップグレード可能
【動作環境】
Mac:macOS 10.13.6以降、INTELまたはAPPLE Silicon M1プロセッサー
Windows:Windows10、11、INTELまたはAMDプロセッサー
共通:4GB以上のRAM、4GB以上の空きディスク容量、XGA以上の解像度のディスプレイ、インターネット接続環境
MET as MTHA2が語るFL Studioの魅力
【Profile】1994年生まれ。プロデューサー/ビート・メイカー/DJ。手掛けた作品として、Sound's Deli「RUMBLE - EP」「MADE IN TOKYO BANG」のフルプロデュース、DJ TATSUKI「TOKYO KIDS」、MASS-HOLE「tour life」、Red Bull『RASEN』へのビート提供など。
パーツを組み合わせて全体を作り上げるような操作性。MIDI打ち込みが得意でクラブ・ミュージックの制作にお薦め
僕がFL Studioを使い始めたのは、誕生日に友達が買ってくれたのがきっかけでした。Macに対応し、チュートリアル動画の数も多くなってきたので、ずっと欲しいと思っていたんです。今ではAPPLE M1プロセッサーにも対応したので、国内外を問わず、クラブ系のトラック・メイカーの使用率がより一層増えている印象があります。
お薦めのポイントとしては、DAWの中でも比較的安価な上に、新バージョンがリリースされた際のアップデートが無料! 1回買えば常に最新バージョンを使えます。これからトラック・メイクを始めたい初心者の方のDAW選びでは、その点だけで選ぶのも良いと思います。
FL Studioは、一個一個のパーツを作り、それを組み合わせて全体を作り上げるような概念の操作性です。また、ピアノロールとミキサー画面、プラグインが全部別のウィンドウとして存在するので、それぞれのウィンドウがアプリのように扱えるのも魅力です。
音質面は、全体的にパンチがある印象。特に音圧を上げたときにハイファイな感じがする、クラブ・ミュージックにピッタリなサウンドです。
僕が思うFL Studioの一番の魅力は打ち込みのしやすさ。ピアノロールを使ったMIDIの打ち込みを得意としていて、思った通りに素早く操作できるので、話が早いんです。クラブ・ミュージックやエレクトロ・ミュージックなどのジャンルが作りたい人には特にお薦めのDAWソフトです。
FL Studio 20のおすすめ付属ソフト&プラグイン
Fruity Soft Clipper[クリッパー]
Fruity Soft Clipperはクラブ・ミュージックのトラック・メイカーがマスターの最後に入れています。リミッターは音を上げていくと一定以上の信号を圧縮して調整するものですが、クリッパーは、一定以上の信号を切り落とす処理方法。その分ひずみが発生するのですが、その音がめちゃくちゃカッコいいんです! FL Studio独特の音圧が上がった感じのサウンドは、Fruity Soft Clipperの影響があると思います。ほかのクリッパーとはひと味違うので、ぜひ試してみてください。
Flex[シンセ]
FlexはFL Studio 20.5から追加されたすごく優秀なソフト・シンセです。Fruity、Producer、Signatureの全エディションに付属しています。デザインがしっかりしているし、コントロールするノブやフェーダーなどもそこまで多すぎないので、とても使いやすいです。ROLAND TR-808系サウンドやウェーブテーブルなど、さまざまな音色がPackと呼ばれるプリセットとして入っていて、それぞれアートワークが用意されているのも良いですね。Packは有料で追加することもできます。
Gross Beat[マルチエフェクト]
ヒップホップのトラック・メイカーがこぞって使うGross Beat。Signatureに付属するエフェクトです。画面左がオートメーションのプリセットで、緑の枠がピッチ(音高)、オレンジが音量を変化させる項目です。スタッターやテープ・ストップなども作れますが、注目は“1/2 Speed”。サンプルの長さはそのままに1オクターブ下がり、ダークでローファイなサウンドになって再生されます。音高が下がる分、中低域が補足されたり、原曲と重ねて音のレイヤーを作ったりすることもできるので便利です!
FL Studio 20のおすすめ機能
打ち込みがスピーディーなピアノロール
ピアノロールの使いやすさは、打ち込みのしやすさに直結します。FL Studioのピアノロールは超シンプルで、消すのも打つのもすぐできます。主要機能は全部ショートカットが割り当てられ、選んだノートを次のノートまで伸ばしたり、拍単位でスライスしたりも素早くできます。ほかにも、クリック1回でノートを出し、もう一度クリックすると1回目と同じ長さでノートが出るなど、こうなってほしいと思ったとおりの操作ができるのがうれしいです。
“ザ・打ち込み”なステップ入力のChannel Rack
Channel Rackでは、ハードウェアのリズム・マシンに搭載されているステップ・シーケンサーのように、“ザ・打ち込み”という感覚で各音色のステップ入力ができます。しかも、メニューから“Fill each 4 steps”を選べば4ステップごとの等間隔でノートを一気に打ち込んだり、小節数をワンタッチで伸ばしたりすることも簡単です。音自体はピアノロールに打ち込まれているので、ベロシティの変更や細かい作り込みも可能。ラフ・スケッチのような感覚で、すごくスピーディにビートを組める便利な機能です。
自由な配置で整理が楽にできるソング画面
制作の土台となるソング画面には、パターンやオーディオ・サンプル、オートメーション・データなどを自由に置くことができます。ですので、例えばドラムはパターン1にまとめて打ち込んで、単発のクラッシュはオーディオ・サンプルの波形のまま配置、エフェクトのオン/オフのオートメーションを別トラックに置いて、開始位置をドラッグ&ドロップで調整する、なども可能です。使う楽器に合わせて、扱いやすい方法で作業ができます。
独立したミキサー
ミキサー画面は、パターンやソング画面と独立していて、トラックを自由に割り当てることができます。例えば、クラップ、スネア、ハイハットのパターンをトラック1に入れた場合、トラックごとまとめて一つのチャンネルにルーティングすることも、パターン内の音色をそれぞれ別のチャンネルに割り当てることも可能です。しかも、ミキサー内でのチャンネル間のルーティングも簡単に組めます。ミックスのしやすさもお薦めのポイントです。
タイムストレッチが優秀なSampler
クラブ・ミュージックでは、ドラムをオーディオ・サンプルのまま扱うことも多いと思います。FL Studioには、シンプルかつ必要な機能が詰まったSamplerが付属するため、簡単にエディットが行えます。中でもタイムストレッチの機能が優秀で、ピッチを上げ下げしたときの音質劣化が少ないので重宝しています。ほかにも、アンプ・エンベロープやMIDI演奏の際のルート音などもSamplerで設定できるので、オーディオ編集も簡単です。
豊富なソフト音源
FL Studioを買って曲を作るぜ!となった場合、アップデートで新しいシンセなどのソフト音源がどんどん追加されます。先述のFlexのほかにもお薦めなのが、ピアノ音源のFL Keys。CPU負荷がすごく軽いので、音作りの前にメロディを書いたりするのにお薦めです。そのほかアナログ・シンセをモデリングしたものや各種エフェクト・プラグインなど多数そろっていますので、エディションを決める際には付属ソフト情報も参考にしてみてください。