- MOTU Digital Performer 11 製品概要
- 野中“まさ”雄一が語るDigital Performerのススメ!
- Digital Performerのおすすめ付属ソフト/プラグイン
- Digital Performerのおすすめ機能
- MOTU Digital Performer 11 製品情報
- サンレコ・ビギナーズ|音楽制作に役立つ初心者ガイド
MOTU Digital Performer 11 製品概要
MIDIの解像度において高スペックを誇るDAW。オーディオ/MIDIの編集機能も充実
前身となるPerformerが発売されたのが1985年、現在の名称になってからも30年以上という歴史を持つDigital Performer。オーディオやMIDIの編集機能が充実しているほか、すべての機能を一つにまとめ、自由に分割/配置できるように設計されたコンソリデイトウィンドウを備え、オーディオ波形やMIDIリージョンのカラーなどの外観も自在にカスタマイズできます。楽曲のプロジェクトを、別のプロジェクト内でファイルとして扱うことができる独自のチャンク機能は、クリエイターだけでなくライブのマニピュレーターからも支持を集めています。
製品ラインナップ
Digital Performer 11 通常版:88,000円前後
Digital Performer 11 クロスグレード:71,500円前後
Digital Performer 11 アカデミック:71,500円前後
Digital Performer 11 アップグレード:35,200円前後
*オープン・プライス(記載は市場予想価格)
動作環境
Mac:macOS X 10.13以降
Windows:Windows 10 & 11(64ビット)
共通:INTEL Core i3または同等のマルチプロセッサー(AMD、Apple Siliconを含むマルチコア・プロセッサーを推奨)、1,024×768のディスプレイ解像度(1,280×1,024以上を推奨)、4GB以上のRAM(8GB以上を推奨)
野中“まさ”雄一が語るDigital Performerのススメ!
【Profile】作編曲家/キーボーディスト/ドラマー。AKB48、乃木坂46、氷川きよし、中島美嘉などのJポップを初め、CM/映画/アニメなど、多方面での幅広いジャンルの楽曲制作および編曲、プロデュースなどを行い、これまで1,000曲以上の楽曲をリリース。2015年にはオリコン日本編曲者年間売り上げランキング1位となる。2019年、2020年、2021年、日本レコード大賞優秀作品賞受賞。
趣味の範囲からマニアックな作業まで幅広く対応。伝統と新しさを兼ね備えるDAW
僕がDigital Performer(以下DP)を使いはじめたのは1994年頃。当時はまだ、自分が音楽の仕事をするなんてみじんも考えずにただ趣味として使用していましたが、そこから30年近く使い続け、今やDPなしでは全く仕事にならない、相棒のような存在となっています。
実はDPの魅力はここにあると思うのですが、趣味として手軽に楽曲制作ができる機能もありつつ、使っていくうちにかなりマニアックな作業が必要になっても、対応する機能をしっかり備えている。どんな場合でも困らない、さまざまなニーズに応えられるDAWなのです。
僕の場合は、歌モノ楽曲、アニメ、映画などの劇伴(BGM)制作、ライブ演奏と、活動はさまざまなのですが、これらすべての作業をDPのみで行うことができています。1つのソフトで完結できるというのは、その都度使い方を覚えて慣れる必要性や、微妙に異なるショートカットに惑わされるような苦労もないので、大変助かるポイントですね。
古くからのDAWではありますが、現在もアップデートなどはかなり頻繁に行っており、新機能はもちろんのこと、アップデートのたびに何十個ものバグフィックスなども行われ、新OSにもかなり早い段階で対応していることが多く、非常に安心感があります。今後も多様にバリエーションが増えていくであろう音楽シーンに長い目で対応したい方、お薦めですよ。
Digital Performerのおすすめ付属ソフト/プラグイン
ソフト・サンプラー/nanosamper2.0
とても簡単に使えるソフト・サンプラーです。手持ちのオーディオ・ファイルをドロップするだけで、そのままキーボードなどから再生したり、編集したりできます。スネアなどのリズム楽器を入れるもよし、効果音や自分の声などを入れて連打して楽しむもよし。ドラム・ループなどをスライスして使うことも可能です。手持ちにオーディオがない方も、別途サンプル音源が付属しています。
キャビネット・シミュレーター/Live Room G
DPはギター用プラグインも充実しており、エフェクト系もかなりいろいろと種類がありますが、特にお薦めしたいのが、キャビネット・シミュレーターのLive Room Gです。ギターの音色は、アンプも大事ですがキャビネットも大事。4つのマイクとキャビネットの種類を選択でき、ギターをさまざまな音色に調整できます。家にたくさんキャビネットを置くわけにいかないですしね。お薦めです。ベース用のLive Room Bもあります。
ピッチ補正/Melodyne 5 Essential
ボーカル曲を制作するにあたってもはや切っても切れないボーカル編集ソフトですが、DPにはCELEMONYの Melodyne 5 Essentialが付属しており、購入時から使用できます。シーケンス画面のオーティオからそのまま読み込んで編集でき、簡単にピッチやリズムを修正できます。また、オーディオをMIDIに変換することも可能で、録音した鼻歌をクイックスクライブからそのまま譜面にするといったことも簡単にできます。
Digital Performerのおすすめ機能
複数の曲を1つのプロジェクトで扱うチャンク機能
一般的なDAWでは、1つのプロジェクト(ファイル)に1つの曲(シーケンス)というのが当たり前ですが、DPはチャンクという機能で複数の楽曲を1プロジェクト内で扱うことができます。複数の曲のデータを見比べてチャンク同士でコピペできたり、ライブで演奏する曲を自由に並べて連続再生したり、修正過程のコピーも逐一残しておけるので使い方は無限大。唯一無二のポイントです。
見やすい譜面を簡単に作成できるクイックスクライブ
DPでは、譜面作成の専門ソフトに匹敵するほど奇麗な譜面を、簡単に作成できます。MIDIトラックから自動的に作成できるので、別のソフトに移すなどの手間もありません。コードなどのテキストも入力可能で、歌詞をボタン1つで自動的に音符に割り振ってくれる機能もあります。そのほか、アーティキュレーションの自動入力、リズム用の符頭、リピートやキーの自動変更など、マニアックな機能もかなり充実しています。
映像と同期できるムービー機能
最近は配信なども増え、映像用に音楽を作りたいという方も多くなってきましたが、この場合もDPなら外部ソフトは不要。映像の同期も可能です。再生場所の変更はもちろんのこと、シーケンスのクリック(テンポ)を映像内に表示させたり、チャンク機能と合わせて同じムービーに複数の曲を乗せていくことも可能です。もちろん出来上がったムービーはそのまま書き出しできます。