Synthesizer Vならでは!効率的な歌詞の打ち込み方(+コマンド活用法)講師:江夏正晃

“声がリアル過ぎる!”と話題のAI技術搭載歌声合成ソフト=Synthesizer V。ボカロ曲制作へ使用するイメージが強いかもしれないが、実はナチュラルな仮歌を簡単に作れたりと、“音楽一家には一台あるといい!”便利な楽器だ。今回は音楽家の江夏正晃氏にSynthesizer VのTipsを7つ紹介してもらう。

江夏正晃氏からごあいさつ

 こんにちは、JSPA(日本シンセサイザープロフェッショナルアーツ)理事で、音楽家、DJ、エンジニアの江夏正晃です。Synthesizer VについてちょっとしたTipsを皆さんにお伝えしたいと思います。

 今回は歌詞を効率的に打ち込むための+コマンドの使い方をご紹介します。

歌詞の打ち込み方

Synthesizer Vのピアノロールに打ち込まれたメロディ

Synthesizer Vのピアノロールに打ち込まれたメロディ

 今回はあらかじめメロディを打ち込んで、歌詞は“La La La”と入力してあります。使用している歌声は、Natalieです。ここに“Like mirage”と歌詞を打ち込んでいきます。このノートの“La”と書いてある部分をクリックして、テキストを編集可能です。

ピアノロール上のノートをクリックするだけで簡単に文字編集ができる

ピアノロール上のノートをクリックするだけで簡単に文字編集ができる

Synthesizer Vの−コマンド(特殊音素)とは

−コマンドのような特殊音素も歌詞と同様にノートをクリックして入力

−コマンドのような特殊音素も歌詞と同様にノートをクリックして入力

 “mirage”の後ろのノートに注目してください。試しに−(マイナス)コマンドを入力してみました。この−(マイナス)コマンドとは、直前に打ち込んだノートを引き継いでレガートの表現をする特殊音素です。これだと、ピッチが上がる前の音程で“mirage”がすべて発音されて、ピッチが上がった後はレガートになります。そのため、歌声としてスムースに発声されません。

Synthesizer Vの+コマンド(特殊音素)とは

−コマンドの代わりに+コマンドを入力してみる

−コマンドの代わりに+コマンドを入力してみる

 Synthesizer Vに搭載されているAIは、入力した歌詞の音節を分析してくれます。そのため、+(プラス)コマンドを入力すると、直前に打ち込んだノートの中にある複数の音節を分割して、一部を後ろのノートで鳴らすことができるのです。

 “mirage”のように複数の音節で成り立つ単語を発音させるために、2つのノートに文字を割り振らなくとも、自然に分けて発音してくれます。

 一つの単語の途中でピッチが変わる際には、+(プラス)コマンドをぜひとも活用してみてください! 特に英語の歌詞を打ち込む際におすすめです。

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