SOLID STATE LOGIC UF1 〜Rock oN Monthly Recommend vol.63

SOLID STATE LOGIC UF1 〜Rock oN Monthly Recommend vol.63

 注目の製品をピックアップし、Rock oNのショップ・スタッフとその製品を扱うメーカーや輸入代理店に話を聞くRock oN Monthly Recommend。今回は、SOLID STATE LOGIC(以下SSL)のDAWコントローラー、UF1をピックアップ。本体の高解像度カラー・ディスプレイ×2でパラメーター値を確認できる上、ソフトウェアと連携したバーチャル・コンソール環境の構築も可能だ。本機について、ソリッド・ステート・ロジック・ジャパンの鈴木宏隆氏と松井憲佑氏、メディア・インテグレーションの福山智宏氏に詳しく伺った。

Photo:Takashi Yashima(メイン画像、トップ・パネル)

UF1

UF1|99,990円

UF1|99,990円

 UF1のトップ・パネル。左上には1.77インチの高解像度カラー・ディスプレイを搭載。トラック名やレベルなど、選択したトラックの情報を表示する。その下には、プッシュ機能付き回転式ノブのV-Pot(バーチャル・ポット)、100mmのタッチ・センサー付きモーターライズド・フェーダーや、ソロなどの各種ボタンを配置。右上の4.3インチの高解像度カラー・ディスプレイでは、DAWの時間表示、各種パラメーター、プラグインのSSL Meterを使用したメーター、SSL 360°に対応するチャンネル・ストリップ・プラグインの情報などを表示する。その下には数種類の操作モードを備えるCHANNELノブ、DAWのタイムラインを移動するためのジョグ・ダイアル、最下部のトランスポート・セクションなど、各種ボタンやノブを配置する。主要なDAWに対応し、各DAWのワークフロー・テンプレートも用意されている。

リア・パネル。スタンドは6段階で角度調整が可能。端子は左から、フット・スイッチ接続(フォーン)×2、電源を接続するDCコネクター、DAWコントローラーのUF8や、プラグイン・コントローラーのUC1を接続するTHRUコネクター(USB-A)、コンピューターを接続するUSB-C端子。THRUコネクターを介することで、UF8やUC1と連携したシステムを構築できる

リア・パネル。スタンドは6段階で角度調整が可能。端子は左から、フット・スイッチ接続(フォーン)×2、電源を接続するDCコネクター、DAWコントローラーのUF8や、プラグイン・コントローラーのUC1を接続するTHRUコネクター(USB-A)、コンピューターを接続するUSB-C端子。THRUコネクターを介することで、UF8やUC1と連携したシステムを構築できる

●まずはUF1が開発された経緯を教えていただけますか?

松井 SSLでは近年、DAWコントローラーのUF8、プラグイン・コントローラーのUC1、それらの設定を行ったりバーチャル・ミキサー機能を持つコントロール・ソフト、SSL 360°といった製品をリリースしてきました。SSL 360°はハードウェアとバーチャル環境とのインターフェースのような役割を持ち、これらのハードウェア・コントローラーを、SSL 360°を中心としたファミリーのようにカテゴライズしています。その流れの中で、UF8、UC1に続いてリリースしたのがUF1です。UF8には8本のフェーダーがありますが、フェーダー1本のものが欲しいというリクエストも多く、そういった声もフィードバックしながら、フェーダー1本でも制作環境の中でしっかり使える製品として開発されました。

 

●そもそもDAWコントローラーを使用すると、制作においてどのような利点がありますか?

福山 一つは時間効率ですね。特にフェーダーでボリューム・バランスを調整するのは、マウスに比べると格段に速い。またオートメーションの入力も、コントローラーを使った方が柔軟性に優れていると思います。

 

●SSLからはここ数年、製品が活発にリリースされていますが、ユーザーからはどのような印象を持たれていると思いますか?

福山 昨今の制作環境に求められる製品が毎年リリースされていますし、だからこそユーザーの方からの人気も得ているのではないでしょうか。SSL 2のようなコンパクトなオーディオI/Oも、各社から既にリリースされている状況があって、そこに切り込んでシェアを獲得し、しかもリリースするスピードも速い。それはやはり、SSLが高い開発力を持っているからこそだと感じています。

松井 SSLは、コンソール・メーカーとして世に出ましたが、当時も先発のメーカーがたくさんありました。そういう意味では後からマーケットに進出するというのも一つのキャラクターかなと。だからこそユーザビリティが高い製品……ノブの位置やフェーダーの感触、制作のワークフローの効率化など、音以外の部分も開発のベースになっている。それは伝統的なものかと思います。

 

●UF1について伺います。まず目を引くのが本体上部にある2つのディスプレイです。

鈴木 本体の左側で各チャンネルを、右側で全体を調整するという仕組みになっています。左上にあるディスプレイは、主にトラックの名称やレベルなど、選択したトラックの情報を表示する画面です。右の大きい方のディスプレイは、プラグインのSSL Meterを使用したメーター表示や、SSL 360°に対応するチャンネル・ストリップ・プラグインのパラメーターなども表示できます。ほかにもさまざまな機能にアクセスでき、プロジェクト全体を見渡すことが可能です。そのまま目線を下げるとトランスポート・セクションがあり、画面を見ながら操作できるのはよくできた設計だと思います。

メーター・プラグインSSL Meterの画面。ピークとRMSレベル、位相、ステレオ・バランス、VUメーター、スペクトラム・アナライザーなど、各種メーターをUF1右上のディスプレイに表示する。1つのメーターをピックアップして表示することもできる

メーター・プラグインSSL Meterの画面。ピークとRMSレベル、位相、ステレオ・バランス、VUメーター、スペクトラム・アナライザーなど、各種メーターをUF1右上のディスプレイに表示する。1つのメーターをピックアップして表示することもできる

 

●確かに1画面にあらゆる情報を表示するとなると、切り替える作業で気をそがれたりしてしまいそうですね。

鈴木 作業の流れとして、フェーダーでレベルを調節して、エフェクトをかけてという段階がありますよね。そういったワークフローに合わせているんだと思います。

福山 ユーザー目線では、製品の機能と価格のバランスというのが導入の1つの尺度だと思います。VUメーターや各種レベル、位相などは常に表示しておきたい情報ですし、だからと言ってデジタル・メーターを別で用意するとなると出費が増えてしまう。UF1だと常にディスプレイに表示できて、かつこの価格帯というのは非常にうれしいポイントですね。

 

●フェーダーの特徴を伺えますか?

松井 UF8と同じ、100mmフェーダーです。SSL製品でフェーダーがあるものは基本的に100mmフェーダーですね。ただ、同じ100mmフェーダーでも、製品によってパーツのブランドを変えているというぐらい、フェーダーにはこだわっています。UF1については、UF8のフェーダーがユーザーの方から好評だったこともあり、同じフェーダーを採用しました。UF1はUF8との併用も想定していますが、ユーザビリティの観点からすると、それぞれ別のものにしてしまうと印象が変わってしまいますからね。

 

●ユーザビリティという点では、背面にスタンドを立てて角度を付けられるのも利点だと感じます。

松井 それは昔からSSLが開発において大きな要素としている部分です。コンソールの角度や腕を伸ばしたときに届く距離、さらにはノブの間隔といった点ですね。UF1にもそういった視点が組み込まれています。

 

●UF1のパネルには、ほかにどのような機能がありますか?

鈴木 中央のCHANNELノブを“FOCUS”というモードにして、SSL 360°やSSLプラグインのツマミにカーソルを合わせると、コンピューターの画面上のノブとリンクして、パラメーターを調整できます。そうすると、右手でCHANNELノブを触りながら、左手でフェーダーを操作するといった作業が可能です。これはマウス、キーボードではできない両手を使った操作なので、作業効率が非常に上がると思います。

 

●SSL 360°についても詳しく伺えますか?

松井 UF1、UF8、UC1をコントロールするソフトウェアです。例えば最近のワイアレス・イアフォンには、設定をコントロールするためのアプリが用意されていますよね。そのようなものをイメージしていただけると分かりやすいかと思います。ハードウェアとDAWの接続設定、マクロの設定を行うためのものです。その機能の一つとして、コンピューターの画面上にコンソールを構築するVirtual SSL Consoleがあります。UF1、UF8、UC1を購入された方が、まずダウンロードしていただくのがSSL 360°なんです。

UF1やUF8、UC1などのハードウェアをコントロールするソフト、SSL 360°のバーチャル・ミキサー、Virtual SSL Console画面。SSL 360°に対応するプラグインのChannel Strip 2、Bus Compressor 2、4K B、SSL Meterを立ち上げることで、UF1をはじめとするコントローラーから操作可能。各プラグインをDAWセッションに挿入すると、自動的にVirtual SSL Consoleに追加される。Mac/Windowsに対応し、スタンドアローンでも動作する

UF1やUF8、UC1などのハードウェアをコントロールするソフト、SSL 360°のバーチャル・ミキサー、Virtual SSL Console画面。SSL 360°に対応するプラグインのChannel Strip 2、Bus Compressor 2、4K B、SSL Meterを立ち上げることで、UF1をはじめとするコントローラーから操作可能。各プラグインをDAWセッションに挿入すると、自動的にVirtual SSL Consoleに追加される。Mac/Windowsに対応し、スタンドアローンでも動作する

 

●UF1などを使用する上で必須のソフトなのですね。

松井 SSL 360°と同時にMIDIドライバーもダウンロードしていただく仕様です。SSLのコントローラーの隠れた武器の一つとして、SSL V-MIDIというMIDIドライバーを使った、高速USB MIDI通信というものがあります。20年以上前に発売したコンソールのAWS900にはDAWコントローラーとしての機能も搭載していて、その頃からSSLはMIDI信号を高速で送受信するということを追い続けています。高速化することでストレスなくコントロ−ルでき、それもやはりユーザビリティを考えてのことです。

鈴木 セットアップがとても楽です。SSL 360°さえインストールすれば、あとはUSBでつなぐだけですぐに済みます。あまり複雑な知識がなくてもすぐにできてしまうのは、すごく便利さを感じる部分ですね。

 

●SSL 360°で使用できるプラグインについても教えていただけますか?

鈴木 先述したSSL Meterのほか、Channel Strip 2、Bus Compressor 2、4K Bがあります。SSLのコンソールにある機能をバーチャルで扱うというコンセプトですね。中でも4K Bは、かつて6台しか作られなかったコンソール、SL 4000Bをモデリングしたチャンネル・ストリップ・プラグインです。実物を見たことも触ったこともないので比べられないですが、コンプをグッとかけたいと思えば幾らでもかけられるというように、ペダル・エフェクトに近いような感覚で音作りできるのが非常に面白いプラグインです。

松井 ハードウェアもプラグインも、これからファミリーとしていろいろな製品が登場し、機能を拡張していく流れにはなっていくと思いますよ。

 

●コンソールが画面に表示されると、制作へのモチベーションも上がりそうです。

鈴木 SSL 360°を見ながらUF1を使うと、あたかも大きなアナログ・コンソールが目の前にあるように感じられます。それが自宅で可能なので、触っていて本当に楽しいですよ。

 

●最後に、どういったユーザーの方に使っていただきたいかを伺えますか?

福山 DAWを始めたばかりというよりは、慣れてきた方にいいかと思います。作業の効率をアップしたいと思ったタイミングで、ぜひ導入を検討していただきたいです。

松井 UF1は、メーター表示できるディスプレイや大きなジョグ・ダイアルも付いたことで、音楽制作だけでなく、MAや映像関係の方が編集の効率を上げられる製品でもあるかなと思っています。あとは、良い意味でDAWコントローラーの概念を更新する製品になっているとかなと。“昔DAWコントローラーを使っていたけど今は使わなくなった”という方などには、ぜひUF1を手に取っていただきたいですね。

鈴木 僕は逆に、ビギナーの方にもぜひ使っていただきたい。フェーダーを触ってみてほしいんですよ。音楽制作において、マウス、キーボードだけでは出せない感覚がありますからね。ぜひともフェーダーを触ってみて、そこから生まれる音の変化を感じ取っていただきたいです。

 

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