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2大カスタムIEMブランドが共同開発したイヤ・モニター〜qdc & FitEar SUPERIOR EX × Maika Loubté

Maika Loubté&qdc

曲全体を捉えてモニターするのに向いていて 長時間付けていても疲れないフィット感が魅力です

 中国・深センを拠点とするカスタムIEMブランドのqdc。軍や警察向けにデバイスの研究を行ってきた知見を活かしてハイエンドなIEMを展開し続けており、中国プロ・オーディオ市場でのステージ・モニター用イヤホンとしては、なんとシェアが70%にも及ぶ。そのqdcが、日本のカスタムIEMブランドFitEarとコラボレーション。qdcのコンセプト・モデルであるSUPERIORに、2社が特別なチューニングを施したSUPERIOR EXがリリースされた。シンガー・ソングライター/プロデューサー/DJのMaika Loubté(マイカ・ルブテ)に試してもらい、SUPERIOR EXの真価をチェックしていこう。

Photo:Hiroki Obara(except*)

Overview 

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qdc & FitEar SUPERIOR EX。価格は33,000円。(*)

 qdcが手掛けるコンセプト・モデルのSUPERIORをベースに、日本のFitEarとqdcが共同でチューニングを施したユニバーサルIEM。SUPERIORが持つ優れた装着感と音のレスポンス、低域再生能力はそのままに、カナル・タイプではピークとなりやすい3~7kHzを抑制したことで、よりワイドなダイナミック・レンジを再現。さらに、筐体素材とケーブルもコンセプトに沿うようにバランスを考えながらアップデートした。音楽制作はもちろん、ゲーム・プレイやストリーマーのモニタリング用途としても活躍するIEMとなっている。

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︎SUPERIOR EXのセット内容。(*)

 SPECIFICATIONS 

●ドライバー構成:ダイナミック型ドライバー×1基/片側(10mm径シングル・フルレンジ) ●形式:密閉型 ●周波数特性:10Hz~40kHz ●入力感度:100dB SPL/mW ●インピーダンス:16Ω ●外音遮断:26dB ●ケーブル:銀メッキOFC導体4芯ケーブル(ブラック・カラーPVC被膜使用、約120cm) ●コネクター:カスタムIEM2ピン ●付属品:SUPERIOR EX Cable 3.5mm3極アンバランス、qdcTips Soft-fitシリコン・イヤー・ピース×3ペア(S/M/L)、ダブル・フランジ・シリコン・イヤー・ピース×3ペア(S/M/L)、クリーニング・ツール、オリジナル・キャリング・ケース

落ち着いた高域とクリアな低域が特徴

 普段の制作ではスピーカーとヘッドホンを使い分けているんですが、ライブ・パフォーマンス時は自分の耳型を採取して作ってもらったFitEar製イヤ・モニターを活用しています。それまではヘッドホンでライブしていたんですが、かなりの音量を出さないとモニタリングが難しく、耳への負担が気になっていました。そんなときにカスタムIEMをお薦めされたんです。自分の耳の形にぴったりとフィットするので遮音性が高く、音量を上げなくともバランスの良いモニターがしやすくなるため、イン・イヤ・モニターはとても便利ですね。

 今回試したSUPERIOR EXはユニバーサルIEMなので、どんなユーザーの耳でも快適な装着感が得られるように作られていると感じました。自分のカスタムIEMと比べても遜色ないフィット感で、ひんやりとしたアルミ筐体も着け心地が良いです。重量も軽いので、耳にかけていても不快感がありません。

 制作中の楽曲のモニターにSUPERIOR EXを使ってみました。低域部分がとてもクリアに聴こえるのが印象的で、ビートやベースのチェックもしやすいです。普段私が使っているモニター環境はかなり高域まで伸びた特性なので、そちらと比較するとSUPERIOR EXは少し落ち着いたサウンドに聴こえます。モニター機器の中には、各トラックを確認しやすくするために分離感の強いものがありますが、SUPERIOR EXはそれとは違う方向性です。曲全体のまとまりを捉えることに向いており、そのため長時間聴いていても疲れにくいと感じました。リスナーの環境にも近い聴き心地なので、実際の再生シーンを想定したモニタリング・チェックなどで活用するのもお勧めできます。

リケーブルで長く使っていけるのも安心

 イヤホンやヘッドホンのユーザーにとって心配なのがケーブルの断線です。SUPERIOR EXはカスタムIEM 2pinコネクターを採用していて、簡単にリケーブルが行えます。不測の事態にもすぐ対応できるのは、ユーザーにとって安心できるポイントだと感じました。SUPERIOR EXを長く愛用していけるように設計されているがうれしいですね。

 楽曲制作のモニタリングももちろんですが、やはりこの装着感と聴きやすいチューニングを生かせるライブ・パフォーマンスでの活用をお勧めしたいです。イヤモニをお探しの方はぜひ試してみてください!

Maika Loubté Profile

Maika Loubté

【Profile】シンガー・ソングライター/プロデューサー/DJ。2016年にソロ名義で活動開始。2020年10月リリースの「Show Me How」がMAZDA MX-30のテレビCMのコラボ曲として大々的にフィーチャーされ、自身もCMに出演している。最新シングル『心象volcano』が配信中。

 

製品情報

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