長年にわたり数々のレコーディング製品を生み出し、世界中のスタジオで名曲の誕生に携わってきたNEUMANNより、ブランド初となるオーディオインターフェースMT 48が登場した。その実力を検証すべく、レコーディングエンジニアの檜谷瞬六が、ギタリストの石本大介とボーカリストのKOTETSUを招き、レコーディングを実践。そのクオリティをぜひ動画でチェックしてほしい。
【動画】NEUMANN MT 48〜ブランド初のオーディオインターフェースをプロが検証
MERGINGとの共同開発
動画前半では、MT 48の登場の背景や、箱を開けて手に取った際のファーストインプレッション、入出力端子などの基本的な特徴を紹介していく。
まずはMT 48を手に取った印象について「信頼性のあるしっかりした作り」と話す檜谷。スイスのオーディオブランドMERGINGと共同開発されたことに触れながら、「MERGINGはスタジオクオリティの向こう側のような機材を作っている会社。MT 48には最高のものを作るんだという意志が感じられます」と期待を膨らませる。
MT 48は、MERGINGのオーディオインターフェースANUBISをベースに開発。両者の最も大きな違いとして、ANUBISがAES67でのネットワークオーディオに特化しているのに対し、MT 48はAES67での拡張に対応しつつUSB接続が加わっていることが挙げられる。そのほか、MT 48の入出力端子やタッチ式のディスプレイ、大型のジョグホイール、リモートコントロール用アプリなど各種機能と拡張性についても紹介しているので、ぜひ動画でチェックしてみてほしい。
MT 48でアコギ&ボーカルレコーディングを実践
この動画では、MT 48の実力を試すべく、アコースティックギターとボーカルによるレコーディングを実践。アイルランド音楽として有名な「ダニー・ボーイ」を題材曲に、ギタリストの石本大介とボーカリストのKOTETSUの演奏を檜谷がレコーディングしていく。
収録にはNEUMANN製品をフル活用。コンデンサーマイクM 149でギター、U 87 Aiでボーカルを収音し、モニタースピーカーはKH 150、檜谷と奏者2名のモニターヘッドホンはNDH 30を採用した。ここに、オーディオインターフェースのMT 48が加わったことにより、NEUMANN製品によるレコーディングシステム全体の構築が可能となったのだ。
動画ではまずアコギのテストレコーディングの様子を紹介。実際のスタジオレコーディング同様に、ゲインの調整から始まり、奏者とエンジニアのモニター設定を個別に設定していく。MT 48は、内蔵DSPによるEQやリバーブなどのかけ録りにも対応。それらが適用された音の収録はもちろんのこと、かけ録りの音と、エフェクトのかかっていない素の音を同時に収録することも可能だ。これらのエフェクトについて檜谷は動画中で「EQもダイナミクスも透明感が高く音の崩れが少ない」と話す。
続くボーカルレコーディングでは、アコギのサウンドをモニターしながら歌を重ねていく様子が紹介されている。これらの工程を経て実際にMT 48で収録された上質なサウンドは、続くプレイバックコーナーにてぜひ一聴いただきたい。
1台でどんなシチュエーションにも対応できる
動画終盤ではレコーディングを終えた檜谷によるインプレッションを紹介。音質については「原音に忠実でハイファイな方向性」と表現し、「事前に別の音源を聴いたら、ヘッドホンモニターの音がこのサイズのインターフェースからは聴いたことがないくらい良い音だったんです」と高く評価する。
機能面についても「基本的に何でもできるように作ってあって、ミュージシャンが録音の作業をやりやすいと言ってくれたことに尽きます。MT 48はどんなシチュエーションにも対応でき、1台で全部できる印象です」と話した檜谷。動画ではより詳細にMT 48の魅力に迫っているので、ぜひその細部までご覧いただきたい。
檜谷瞬六
prime sound studio formやstudio MSRを経て、フリーランスのエンジニアに。ジャズを中心にアコースティック録音を得意とし、ポストクラシカルの分野で世界的に評価される小瀬村晶の作品も手掛ける
NEUMANN MT 48
NEUMANNのブランド初となるオーディオインターフェース。MERGINGと共同開発され、同社のオーディオインターフェースANUBISをベースに、USB、 ADAT接続を追加。136dB(A)のダイナミックレンジを誇り、最大ゲイン78dBのマイクプリアンプを2基搭載する。