Ryosuke "Dr.R" Sakai × Astell&Kern AK UW100MKII 〜高音質を実現する新時代のワイアレス・イアフォン

Ryosuke "Dr.R" Sakai × Astell&Kern AK UW100MKII 〜高音質を実現する新時代のワイアレス・イアフォン

“音が見えやすくミックス・チェックに最適 自信を持って良いサウンドだとお薦めできます”

原音忠実を理念に掲げるハイレゾ・オーディオ・ブランド、Astell&Kernが発表したワイアレス・イアフォンのAK UW100MKII。前モデルから内部設計や電源システムなどが一新され、さらなる進化を遂げているとのこと。本稿では、ちゃんみな、milet、SKY-HIなどの楽曲を手掛ける音楽プロデューサーのRyosuke "Dr.R" Sakai氏に試していただき、その印象を語ってもらった。

Photo:Hiroki Obara

Astell&Kern AK UW100MKII

Astell&Kern AK UW100MKII|価格:49,980円

Astell&Kern AK UW100MKII|価格:49,980円

 ワイアレス環境でも“原音に忠実な音を届ける”というブランドの理念を実現するワイアレス・イアフォン、AK UW100の次世代モデル。ドライバー位置やアコースティック・チャンバーなどの内部設計を見直すことで音の拡散を最小限に抑え、より繊細でダイナミックな低域と高域を実現しているという。そのほか、イアフォンのデジタル部分とアナログ回路の分離によるノイズの低減と接続の安定化、前モデルの1.5倍となる約9.5時間(充電ケースをフル充電すれば約29時間)の連続再生が可能になるなど、さまざまなバージョン・アップが行われている。Andorid/iOS対応のアプリAK Controlを使用すれば、イアフォンの状態確認、環境設定などを外部機器からコントロールできる。

●Bluetoothチップ・セット:QUALCOMM QCC5141 ●ドライバー・ユニット:KNOWLES製バランスド・アーマチュア・ドライバー ●DAコンバーター:AKM AK4332ECB ●Bluetoothバージョン:5.2 ●Bluetoothコーデック:SBC/AAC/aptX Adaptive ●Bluetoothプロファイル:HFP/A2DP/AVRCP ●音圧レベル(SPL):94dB(1mW@1kHz) ●イアフォン・コントロール:静電容量式タッチ・コントロール ●再生時間:イアフォン単体で約9.5時間、充電ケース併用時は合計約29時間 ●重量:約7g(本体)、約65g(充電ケース) ●付属品:イア・チップ(XS/S/M/L/XL)、専用充電ケース、USB Type-C充電ケーブル

重さを感じず長く装着しても気にならない

 AK UW100MKIIの第一印象として、高級感のあるスタイリッシュなデザインだなと思いました。普段は他社のワイアレス・イアフォンを使っていて、それと比べると少し大きいかなとも思ったのですが、すごく軽くて重さを全然感じないので、長く装着しても気にならない。耳にしっかりフィットしてくれましたね。イア・チップも5種類あるので、自分の耳に合うサイズが見つかると思います。

 ノイズ・キャンセリングは適度にかかってくれる印象で、エアコンの音など、部屋のノイズをきちんと低減してくれました。イアフォンによっては、“ノイキャンが強くかかっているな”と感じるものもありますが、AK UW100MKIIのノイズ・キャンセリングはそうではないので、飛行機などの長時間移動にも向いているかなと。周囲の環境に合わせられるアンビエント・モードが複数選べるのもいいですね。
(※アクティブ・ノイズキャンセリング機能はありません)

 単体で約9.5時間、充電ケース併用で約29時間という連続駆動時間については十分だと思います。通勤通学とか、普段使いならしばらく充電しなくても大丈夫でしょうし、自分は海外に行くことも多いので移動時に重宝しそうです。

専用アプリからEQ調整が可能

 肝心の音は、すごく良かったです。ビンテージのアナログ機器を通していると例えられるような、リッチな質感でした。位相特性が良く、センターは中央にドンとあり、左右の立体感も把握しやすい。キックの粒立ちやリバーブのテイルまでしっかり聴き取れました。

 Astell&Kernはブランドとして、“原音忠実”を掲げていますが、まさにその点が実現されているなと。癖がなくて、変に誇張されていないサウンドです。丁寧にミックスされた音源はちゃんと聴こえて楽しいし、あまりミックスが良くない曲だとつまらないと感じる。ミックスのチェックに最適ではないでしょうか。今回試す中で、自分が作業中の曲についても調整すべき部分が見つかりましたね。マスタリングの際にもかなり有用なのではないでしょうか。

 専用アプリのAK Controlで細かく操作できるのも便利で、特にEQが面白いです。過激にかかる訳ではなくて、“プリセットの変更=スタジオのモニター・スピーカーの変更”のような、周波数特性が変わるイメージですね。低域が強い曲の再生時に低域を強調したモードにしても、音割れせずナチュラルに再生してくれました。プリセットだけじゃなく、自分でEQを調整できるのもポイントです。

コントロール・アプリのAK Controlでは、バッテリー残量の確認、Bluetooth接続状態の確認、アンビエント・モードのON/OFFとレベルの変更などが可能。上の画面は“イコライザー”の調節画面で、6種類のプリセットからEQ設定を選択できるほか、ユーザーがEQをカスタマイズできる“User EQ”機能も備わっている

コントロール・アプリのAK Controlでは、バッテリー残量の確認、Bluetooth接続状態の確認、アンビエント・モードのON/OFFとレベルの変更などが可能。上の画面は“イコライザー”の調節画面で、6種類のプリセットからEQ設定を選択できるほか、ユーザーがEQをカスタマイズできる“User EQ”機能も備わっている

 とにかく音が素晴らしい。しかもこの音質が、この価格で手に入れられる。もっと上の価格帯と言われても納得できるレベルだと思います。リスナーでも制作者でも聴いていて楽しくなると思うので、毎日の音楽ライフがきっと豊かになるのではないでしょうか。自信を持って、“AK UW100MKIIは良いサウンドですよ”とお薦めしたいですね。

 

【Ryosuke "Dr.R" Sakai】ちゃんみなやmilet、AK-69、Ms.OOJA、UVERworld、東方神起、SKY-HI、BE:FIRSTなど、数多くのアーティストを手掛けるプロデューサー。2021年からはDr.Ryo名義でアーティスト・プロジェクトをスタートした。レーベルMNNF RCRDSを主宰する。

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