オーストリアのウィーンに本拠地を置くマイクメーカー、LEWITT(ルーイット)の製品群から注目製品をピックアップ。ここでは、ボーカルに最適化された真空管コンデンサーマイク、PURE TUBEを紹介しよう。
ボーカル録音のことを考え抜かれた真空管コンデンサーマイク
ボーカルに最適化された真空管コンデンサーマイク、それがPURE TUBEだ。エンジニアの加納洋一郎氏にレビューしていただいているが、ここではあらためて仕様面から紹介しよう。外観はLEWITT製品の大きな特徴でもあるスクエアな形状を採り入れたスタイリッシュなデザイン。グリルメッシュの中をのぞくと、1インチのラージダイアフラムがブランドを象徴するカラーであるグリーンで縁取られている。そして、ボディには選び抜かれた個体のみを使用しているという12AU7/ECC82真空管が見える。電源が入ると、ほんのりとオレンジに発光する様子は、ボーカリストの気分を高めてくれるだろう。
個性的なのは外観だけではない、内部回路は収音された音声信号が半導体やコンデンサーを通らない設計となっており、真空管で増幅されることで滑らかな高域とウォームなサウンドを実現しているという。しかも、真空管マイクでありながら、等価ノイズレベルはわずか7dB(A)という驚きの低さ。これにより録音後の自由なイコライジングやコンプレッションが可能になり、ノイズを気にすることなくコーラスを重ねることもできる。
そのほか、Studio setにはショックマウントが付属するだけでなく、ショックマウントへマグネットで取り付け可能な専用の磁気ポップフィルターも同梱されている。電源ユニットも含めて、これらはすべて付属の専用ケースに収めることが可能だ。この取り回しの良さは非常にうれしいポイント。良い音を録ること以外、余計な気を遣う必要のないマイク、それがPURE TUBEと言えるだろう。
【SPECIFICATION】
●タイプ:コンデンサー(真空管) ●指向性:カーディオイド ●周波数特性:20〜20,000Hz ●等価ノイズレベル:7dB(A) ●最大耐音圧:132dB SPL ●SN比:87dB(A) ●ダイナミックレンジ:125dB(A) ●マイクサイズ:65(W)×196(H)×45(D)mm ●マイク重量:692g