Avidは、DAWソフトPro Toolsの最新版、Pro Tools 2023.12をリリースした。ソフトウェアアップデート&サポートが有効な永続版ユーザーや有効なサブスクリプションユーザーは無償で入手できる。
Dolby Atmos Rendererを統合〜追加ソフトなしで制作可能に
Pro Tools 2023.12の上位2グレードであるPro Tools StudioとUltimateでは、Dolby Atmos Rendererを統合。バイノーラル、2.0、5.1、7.1、5.1.4、7.1.4、さらにUltimateでは9.1.6chのモニタリングをサポートし、ソフトの追加購入なしにDolby Atmosミックスが可能となった。また、従来のように外部のDolby Atmos Rendererと併用できる環境も維持している。
I/O設定のカラーリング反映〜視認性の向上
Pro Tools 2023.12では、Dolby Atmos統合に際し、シグナルフローとI/O設定のパス間やセッション内のトラック間の関係を視認できるように、それらを色分けする機能が追加。I/O設定のパスに色を割り当てることができ、他のタブでも関連するパスで色分けが反映。編集ウィンドウやミックスウィンドウのI/Oパネルがそのカラーで表示される。
マーカーとメモリーロケーションのさらなる改善
Pro Tools 2023.6でトラック・マーカーが導入されたが、これに関連してさらなる機能を追加。マーカールーラーが5つまで用意できることで、作業者や工程によって使うマーカールーラーを分けることも容易になった。また、テキストでの検索や、選択範囲/選択トラックのマーカーのみの表示、複数のメモリーロケーションの同時選択&削除、重複メモリーロケーションの選択と削除などが可能となっている。
Pro Tools Sketchの機能強化〜セッションとの連携が向上
Pro Tools 2023.9から加わったPro Tools Sketchは、Pro Toolsセッションとの連携が強化。Pro Tools SketchのMIDIクリップをPro Toolsセッションへドラッグ&ドロップする際、ドロップ先がオーディオトラックならば従来と同様オーディオに、インストゥルメント/MIDIトラックであればMIDIクリップとして書き出すことができるようになった。
逆にPro ToolsセッションからPro Tools Sketchへのドラッグ&ドロップでは、クリップゲインやクリップエフェクト、ARA、エラスティックオーディオ、プラグイン処理などのシグナルチェーンを含めた形となる。そのほかループやサンプル管理の向上、Pro ToolsセッションへのSketchの保存が可能となっている。
併せてiPadアプリのPro Tools Sketchには、自動保存機能やSceneの個別再生機能などが追加された。