YAMAHA DM7発表〜効率を高め拡張性を持ったコンパクト・デジタルミキシングコンソールの集大成

DM7 Series ヘッダー

 YAMAHAはデジタルミキシングコンソールDM7 Seriesを9月に発売する。2ベイタイプのDM7と、ラックマウント可能な1ベイタイプのDM7 Compact、拡張コントローラーのDM7 Controlなどでシステムが構築できる。価格はいずれもオープンプライス。

 数十年にわたる開発経験の集大成として、これまでのデジタルミキサーの優れた要素を取り入れ、コンパクトかつパワフルで、効率性に富み、柔軟で拡張性の高い新機能を搭載。『Above and Beyond〜期待を遥かに超える次世代の"DM"』をキャッチフレーズとし、直観的な操作性の継承と斬新的な機能の追加により、作業効率を飛躍的に高めるとともに、さまざまな用途へ柔軟に対応できる高い拡張性を備えている。

DM7

DM7

 メインとなるコンソールは、2ベイタイプのDM7と、ラックマウント可能な1ベイタイプのDM7 Compactという2モデルがラインナップ。 Danteインターフェースを標準搭載、96kHz動作対応、直感的なユーザーインターフェース、コンパクトな筐体、 包括的かつパワフルな機能を備え、ライブコンサート、ミュージカルはもちろん、放送、ストリーミング配信、音楽制作などあらゆる場面で操作性やワークフローに新たなスタンダードとなるスタイルを打ち出すことを期して開発されている。

DM7 Compact

DM7 Compact

96kHz対応のインプットセクション

 音質について独自の厳格な基準を設け、コンソールや I/Oラックのインプットは電源 アース、回路構成、機械構造など、入力段で考えられるすべての要素に細心の注意を払った設計。 サンプリングレート96kHz に対応しており、コンソールのインプットだけでなく、I/O ラックのRシリーズを用いた場合でも高分解能な音質を実現する。

充実したチャンネルストリップ

 フラッグシップコンソールRIVAGE PMシリーズから継承した4種類のチャンネルEQに加え、チャンネルダイナミクスには新たにFET LimiterとDiode Bridge Compressorを追加。ダイナミクスの変化を時間軸上で視覚的に確認可能な“History”や、パラレルコンプレッションが簡単に行える“Mix”を搭載する。

FET LimiterとDiode Bridge Compressor

FET LimiterとDiode Bridge Compressor

 最大64chに対応するDan Duganオートマティックミキサーも標準装備。EQ RACKのリソースを消費することなく、必要なチャンネルに即座にインサー トして使用できる。 さらに、入力メーターにはヘッドアンプ・レベル調整をサポートするヒストグラム表示を追加している。

豊富なプラグインと新エフェクト

DM7 Plugin Efffects

 RUPERT NEVE DESIGNSとの共同開発によるEQのPortico 5033やコンプレッサー/リミッターのPortico 5043など、 幅広い用途に対応する豊富なプラグインを搭載。 ほかにもダイナミックノイズサプレッサーDaNSe やダイナミックEQなどYAMAHAのオリジナルプラグインも用意されている。FX RACKには、REV HD、REV R3といった新搭載のリバーブをはじめ、計43種の高品位なマルチエフェクトを実装する。

直観的に操作可能な先進のGUI

 チャンネルストリップの情報を一括で表示するSelected Channel View は、従来の GUIの優れた点を継承しつつ、より少ない手順と時間で操作できるように刷新された。

支援機能や日本語表示対応などの新機能満載

 そのほか、12 インチと 7 インチのタッチディスプレイによる直感的な操作性、チャンネル名の日本語化対応、1 台のコンソールで2台使用のように運用できるSplit Mode、HA レベルやチャンネルネーム&アイコン、フェーダーバランスなどをエンジニアに提案するAssist機能、Dante対応、USB-Cによるオーディオインターフェース機能、DAWリモート、電源の二重化、PYカード拡張スロット、さまざまなソフトウェアによるオフラインでの準備/ワイアレスミックス/モニターミックス/外部コントロール、プラグインホストVST Rack ElementsとDAWソフトSTEINBERG Nuendo Liveのバンドルといった特徴が挙げられる。

DM7 チャンネルネームの日本語表示

チャンネルネームの日本語表示も可能に

DM7 Split Mode

Split Modeでの運用イメージ

DM7

DM7のリアパネル

DM7のリアパネル

 DM7は、ローカル(本体内蔵)コネクターとしてアナログ32イン/16アウトを実装した28フェーダーモデル。インプットチャンネルは120(モノラル換算)でミックスバスは48、マトリクスは12。

DM7 Compact

DM7 Compactのリアパネル

DM7 Compactのリアパネル

 DM7 Compactは、ローカルにアナログ16イン/16アウトを搭載。インプットチャンネルは72で、ミックスバスやマトリクス数はDM7と同様となっている。

DM7 Control

DM7とDM7 Control

DM7とDM7 Control

 DM7 Controlは、コンソール本体をイーサーネット・ケーブルで接続。User Defined Key/Knob 、シーンメモリー、 モニターコントロール、パンナーなど、多くの物理コントロールに迅速かつ便利にアクセスできるようになる。

 ミュージカルなど、完璧なタイミングでのトリガーやシーンチェンジが 求められるアプリケーションでは、 User Defined Key/Knob や Scene Memory Key による高速かつ確実な操作を実現。ポストプロダクションではUser Defined Keyやジョグシャトルに割り当てられたトランスポートにより、効率よく編集作業が行える。 また、放送局やイマーシブオーディオなど、フィジカルコントローラーが求められるあらゆる用途でDM7を拡張する。

 オプションとして、Broadcast PackageとTheatre Packageを用意。Broadcast Packageは、 5.1chサラウンド、 Mix Minus 、ラウドネスメーターなどの機能を追加する。 Theatre Packageは、アクターライブラリー、 DCA シーングリッド、 YAMAHAの音場制御システムAFC Imageのコントロールなどの機能を加えることができる。

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