GENELECは、自社開発のスタジオ・モニターSAM(Smart Active Monitor)シリーズのセットアップ/キャリブレーション/コントロールを一括で行うことができる無償ソフトウェアGLM(Genelec Loudspeaker Manager)のメジャー・アップデートを実施。GLM4.1として提供を開始した。
GLM4.1では、キャリブレーション・アルゴリズムAutoCal 2が新たに採用された。直接音と反射音の識別をより正確に行うことで、キャリブレーションの精度向上を実現。また、最大で従来の4倍となる処理速度の高速化にも成功し、2.1chシステムであれば40秒程度、大規模なイマーシブ・システムでも数分でキャリブレーションが完了するという。
加えて、ポジティブ・ゲイン(+方向)への調整機能を実装。取り扱うことのできるフィルター数も増加し、より正確で効果的な補正が可能となった。
また、The Onesシリーズ(8331A、8341A、8351A、8361A)を使用している場合には、およそ100Hzまで位相直線性を拡張可能に。このことにより、フォーカス精度や軸外性能の向上、ウルトラ・ニアフィールドでのモニタリング時のイメージの安定化を実現しているという。
なお、AutoCalはクラウド上でのみの実行となるため、キャリブレーション時にはインターネット接続またはLocal AutoCalのインストールが必要となる。
GLMソフトウェアでのキャリブレーションに必要な機材一式は、GLM Kitとして販売されている。今回のバージョン・アップでは、このキットに含まれる測定用マイクを使ったキャリブレーションのさらなる安定化を実現。マルチポイント・モードにおいて、測定用マイクとモニター間で生じたバラ付きをより適切に処理できるようになった。
キャリブレーション後のモニタリング画面では、新機能としてSolo-Xを搭載。クリックごとに選択したモニターをソロでモニタリングする機能で、イマーシブ・システムをはじめとするスピーカー台数の多いモニタリング環境での作業効率を向上させるだろう。必要に応じてモニタリングのチャンネルを追加していくグループ・ソロ機能と切り替えて使い分けできるようになっている。
そのほか、バックグラウンドでの使用時にコンパクトなレベル・パネルを一定時間表示するGLMレベル・パネル機能や、グループごとの入力感度設定、オプショナル・ゲイン、MIDIコマンドでの音量/ミュートなどの設定、最大レベル制限、ヒント機能、対応言語の拡張など、作業効率が向上する機能を多数搭載している。
なお、GLM4.1のダウンロードは、GENELECのWebサイトより可能となっている。