ラッパーに意見を聞きながら制作すると良いビートが作れます
トラップ・ミュージックを中心に制作する国内ビート・メイカーたちに、音楽制作を始めたきっかけやこだわりを聞いていく「TRAP BEAT MAKERS」。YamieZimmerは1998年生まれのビート・メイカー/ヒップホップ・プロデューサー。6月18日には、Leon Fanourakisや鎮座DOPENESSなどが参加する2ndアルバム『TEMPLATE』を配信リリースし、今後さらなる活動が期待されている。
RECENT WORK
『TEMPLATE』
YamieZimmer
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ビート・メイキングを始めたきっかけ
中学生のときにドクター・ドレーやファレル・ウィリアムスが作ったビートにすごく感動して、ビート・メイキングに興味を持ちました。最初はスマホのDJアプリなどを使って“どうにかビートを作れないか”と頑張ってみたのですが、うまく行かず……ある日APPLE Logic Proの存在を知り、高校1年でAPPLE MacBook ProとLogic Proを購入したんです。
DAW/ソフト音源/プラグインなど
Logic Proに飽きたので、現在はIMAGE-LINE FL Studioを使っています。FL StudioはLogic Proよりクリアな音がしますね。プラグインはすべてFL Studio付属のものです。
制作環境について
自宅かスタジオか、他人の家で作ることが多いです。友人のビート・メイカーたちと集合してビートを聴かせ合ったり、ラッパーの家に行って、意見をもらいながら制作すると良いビートが作れます。MacBook ProとAPPLEのイアフォンAirPodsさえあればどこでも可能なので、僕はこれをUber Eatsにかけて“Uber Beats”と呼んでいるんです(笑)。
影響を受けた楽曲
スヌープ・ドッグ「ドロップ・イット・ライク・イッツ・ホット feat. ファレル・ウィリアムス」です。ポップスに比べると音数が少ないのですが、その一つ一つが重要な役割を担っていて無駄が無い。ここにファレルのプロフェッショナルなセンスを感じるんです。この曲が自分にとっての基準ですね。
尊敬するビート・メイカー/プロデューサー
最近はYung Xanseiさんに影響を受けています。彼のビートで微妙な曲はこれまで1つも聴いたことがありません。あくまでラップが乗る前提で作られた、シンプルなアレンジが格好良いです。中でもLeon Fanourakis「KIMEROYO」(『SHISHIMAI』収録)のビートは最高ですね。
ビート・メイキングのコツ
“良いサンプル”が見つかるまで、あきらめずに探すことです。時にはビート・メイカー仲間と一日中“良いサンプル”探しに時間を費やす日もあります。ちなみに市販のサンプル・パックは、ヒップホップを作る前提として他人が用意したものなので使いません。
ビート・メイカーとして大切なこと
どんな仕事でも確実に“良いビート”を提出することだと思います。センスが無いと思われてしまってはビート・メイカーに仕事はありませんので、気を抜かないことです。後は、誰かをまねしたような“タイプ・ビート”を作るより、自分のオリジナリティを確立させられると、さらに良いのかもしれません。