トラックメイカーのYebisu303がTEENAGE ENGINEERING OP-1 fieldの魅力を伝える20日間。Day17は、ミキサー・モードの基本操作と便利なティップスを紹介します!
シンセやドラムを一通りテープに録音した後、ミックスや質感の最終調整をする為に用意されているのがミキサー・モードです。
ページ1(T1キー):ミキサー
ミキサーの基本機能が詰まったページです。OP-1 fieldではエンコーダーを押し込んでミュートのオン/オフができるようになりました。
エンコーダーでコントロールできるパラメーター
- ブルー〜オレンジ(回す):各トラックのボリューム
- ブルー〜オレンジ(押す):各トラックのミュートのオン/オフ
- shift+ブルー〜オレンジ(回す):各トラックのパン
ページ2(T2キー)マスターEQ
周波数レンジ固定の3バンドEQです。
エンコーダーでコントロールできるパラメーター
- ブルー:low(低域)
- オーカー:mid(中域)
- グレー:high(高域)
- オレンジ:eq amount(EQ処理後から全帯域をフラットに近づけられる)
各エンコーダーを押し込むと、EQを変更した状態とフラットな状態を瞬時に切り替えられるので、EQ処理前後の確認や、ライブパフォーマンス時にEQをエフェクト的に使用する場合に便利です。
ミキサーの背後に簡易的なスペクトラム・アナライザーが表示されるので、例えばLINE INからリファレンスとなる曲を流して、耳と目で交互に比較しながら理想のサウンドに近づけていくといった使い方もできます。
ページ3(T3キー):マスターFX
ミキサーモードでは、マスターに対してエフェクトが使用できます。使用できるエフェクトはシンセ/ドラムモードと同様です(Day14、DAY15を参照)。
ページ4(T4):マスターアウト
ここでは、左右の音量バランスと、ミックス全体に付加するドライブの量を調整できます。ドライブは、簡易的なマスタリング・コンプレッサーのような用途から、積極的に音を汚していく音作りまで幅広い用途に対応します。
エンコーダーでコントロールできるパラメーター
- ブルー:master left(左チャンネルの音量)
- オーカー:master right(右チャンネルの音量)
- グレー:drive(ドライブの量)
- オレンジ:release(ドライブのリリースタイム)
shift+ブルーまたはオレンジを回すことで、左右の音量を同時に変更できます。
ライブパフォーマンスで威力を発揮するMEMO機能を活用しよう
ミキサー・モードでM1/M2キーを押すと画面にMEMO 1/2と表示されます。この状態でパラメーターを変更すると、その状態を記憶し、任意のタイミングで瞬時に読み出すことができるんです。
例えば、M1を押した時だけEQでローカットしつつ中高域を持ち上げたり、M2を押した時だけdelayのtimeを短くしつつfeedbackを大きくするなど、手動では難しい派手な効果が作れます。同じページ内にあるパラメーターであればいくつでも同時にメモできますが、ページをまたいで複数のパラメーターをメモする(例えば、EQのローカットと同時にマスター・アウトのドライブを上げる)ことはできない点に注意しましょう。
なお、今回紹介したMEMO機能はテープ・モードでも同じ操作で呼び出せます。
ミュート操作やテープ・トリックにMEMO機能を組み合わせることで、より刺激的なライブパフォーマンスを演出できます。ぜひお試しください!
Yebisu303(Acid Alliance)
【Profile】アシッドハウス、デトロイトテクノ、エレクトロ、ハードミニマルに強い感銘を受け、20代後半よりトラック制作を開始。 無類のハードウェア機材愛好家でもあり、日々マシンライブや機材デモンストレーション動画の制作を行っている。 また、近年ではKORGやSONICWARE製品のプリセットやTVアニメ「ユーレイデコ」の劇伴・イメージソングを制作するなど、その活動は多岐に渡っている。
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