iZotope Ozone 10のアップデートを紹介!〜ネクスト・レベルのマスタリング・ツール

iZotope Ozone 10のアップデートを紹介!〜ネクスト・レベルのマスタリング・ツール

単体のエフェクト(=モジュール)を組み合わせて使用する、マスタリング用の総合的なソフトウェア=iZotope Ozone。その最新版であるOzone 10が発売された。AdvancedとStandardの2種類のエディションをそろえ、いずれも進化版のMaster AssistantやMaximizer / Imagerモジュールの新機能を実装。APPLE M1チップへの対応も見逃せない。また、Advancedには新たなモジュールも加わり、音作りの幅が広がった。

Ozone 10の新機能

 録音作品の仕上げの工程、マスタリング。アルバムやEPの場合、各曲に統一感を持たせる処理も視野に入るが、近年は1曲単位のデジタル・リリースが急増。“その曲をより魅力的に聴かせること”にフォーカスした音作りも行われている。Ozone 10は、現代のマスタリングに向けたアップデートを実現。プリマスター(マスタリング前の音源)を読み込むだけで、AIが自動的に音作りしてくれる“Master Assistant”をはじめ、少ない手順で効果を上げるための新たなモジュール/機能がそろう。

 Lineup 

Ozone 10 Advanced
Ozone 10 Standard
Ozone 10 Advanced 74,200円(ダウンロード販売)|Ozone 10 Standard 37,000円(ダウンロード販売)

Stabilizer

 Advanced 

Stabilizer

 “アダプティブ・マスタリングEQ”と銘打った新モジュール。プリセットされている音楽ジャンルのアルゴリズム(EDMやロックなど)を基準に、さまざまな周波数ポイントがリアルタイム&オートで増減される。また、カット専用モードへの切り替えが可能で、ユーザーは100Hz以下/100Hz~5.6kHz/5.6kHz以上の3帯域に対する効果の深さを調整できる。

Impact

 Advanced 

Impact

 ダイナミクス調整用の新モジュール。最大4帯域のエキスパンド/コンプレッションがスライダー操作のみで行え、グルーブの強調やパンチの付加、過剰な帯域の抑制などに使える。このImpactやStabilizerにはDelta monitoringという機能があり、入力音と処理済みの音の差分(=効果がかかっている部分)をリアルタイムに聴くことが可能だ。

Magnify Soft Clip(Maximizer)

 Advanced   Standard 

Magnify Soft Clip(Maximizer)

 Maximizerの新機能。入力音をわずかにひずませて、聴感上の音量を上げることができる。またピークを均(な)らす働きもあるため、深めにリミッティングしても音割れが生じにくく、レベルを入れやすくなるのも特徴。

Recover Sides(Imager)

 Advanced   Standard 

Recover Sides(Imager)

 Imagerの新機能で、ステレオ幅を狭めたときに失われる左右の成分を復活させるもの。例えば、ワイドなシンセ・ベースを含むミックスの低域に有用だ。モノラル化させつつも、広がりのある音色の雰囲気をキープすることができる。

 REQUIREMENTS 
▪Mac:macOS 10.15.7~12.5.x、INTEL製CPU/APPLE M1、APPLE Rosetta 2をサポート、AAX Native/AU/AudioSuite/VST3(64ビット)に対応するホスト・アプリケーション、VST2は非正式対応

▪Windows:Windows 10/11、AAX Native/AudioSuite/VST3(64ビット)に対応するホスト・アプリケーション、VST2は非正式対応 ※両OSにおいて、スタンドアローン・アプリの提供は終了

▪対応ホスト・アプリケーション:ABLETON Live 11、ADOBE Audition CC 2022、Premiere Pro CC 2022、APPLE Logic Pro 10.6.3~10.7.x、AVID Pro Tools 2021~2022、COCKOS Reaper 6、IMAGE-LINE FL Studio 20、PRESONUS Studio One 5、STEINBERG Cubase 11~12、Nuendo 12

【特集】iZotope Ozone 10〜ネクスト・レベルのマスタリング・ツール

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