バスコンプ・プラグイン(Bus Comp Plugin)必須。ド迫力サウンドの作り方 〜MKおすすめ!

MKおすすめ! バスコンプを使ったバッキバキ・サウンドの作り方

昨今の洋楽ダンス/クラブ・ミュージック・シーンにおける主流のシンセ・サウンドやミックス・テクニックなど、最新の音作り術をプロ・クリエイターたちが紹介! ここでは、スクリレックスなどのベース・ミュージック・クリエイターたちを中心に広まったと推測されるパワフルな音像=バッキバキなド迫力サウンドの作り方をバス・コンプ・プラグイン(Bus Comp Plugin)を使ってプロデューサー/DJのMKが解説します。

バス・コンプのグルー効果で“映える”サウンド

 続いてお伝えするのは、バス・コンプレッサー・プラグインを用いたパワフルな音像、すなわちバッキバキなサウンドの作り方。EDMの登場以降、ダンス・ミュージックはド派手で張り付いたようなサウンドを良しとする傾向が強く、このテクニックはスクリレックスなどのベース・ミュージック・クリエイターたちを中心に広まったと推測します。

 彼らはABLETON Liveユーザーが多く、サウンドをより派手に、かつまとまり感を演出するため、Live付属のGlue Compressorをキックやサブベースに多用していました。これをほかのクリエイターたちもこぞってまねをし始め、現在では“知る人ぞ知るテクニック”となっています。

 このまとまり感のことを“グルー効果”とも呼びますが、これはサード・パーティ製のバス・コンプ・プラグインでも再現可能です。今回はGlue Compressorの共同開発元であるCYTOMICのバス・コンプ、The Glueを用いて解説していきましょう!

 参考音源 

STEP 1:キックとベースを用意

 まずは楽曲の迫力感を担うパート、キックとベースを用意。もし、サブベースや中低域専用のミッドベースといったように複数のベースをレイヤーしている場合は、それらをバスでまとめておきましょう。

STEP 2:ベースにバス・コンプをかける

 ベースにバス・コンプ・プラグインをインサートします。コツとしては、画面上部にあるCOMPRESSIONメーターの針が−3〜4dB辺りに来るようにスレッショルドを設定しましょう。

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ベスト・ポジションはCOMPRESSIONメーターの針が−3〜−4dB辺り

STEP 3:メイクアップ・ゲインを上げる

 次に画面下部にあるPEAKCLIP INボタンをオンにし、MAKEUPノブでベースが軽くひずむ状態まで数値を上げていきます。音がクリッピングするとCOMPRESSIONメーターのランプが赤に点灯しますが、このランプが赤に点灯するか/しないかというところでMAKEUPの値を調整するとよいでしょう。

 なお、PEAK CLIPINボタンをオンにすることでひずみ方が激しくなりますが、ここは好みで決めてください。激しすぎるなと思った場合はオフのままでもOKです。

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MAKEUPで軽くひずませる!

STEP 4:バス・コンプを多段がけ!

 この時点でベースは最初よりかなり太くなったと思いますが、まだまだバス・コンプの乱用(!?)は続きます(笑)。さらにキックと先ほどのベースをバスにまとめ、ここにもバス・コンプを挿してMAKEUPをギリギリのところまで上げましょう。最後はマスターにもバス・コンプを挿し、同様の処理をしたら完成です。ポイントは、MAKEUPの設定時にひずみが若干発生するか/しないかのところを狙うこと。極少量のひずみが何層にも重なることで、プロのダンス・ミュージックと並べて聴いても引けを取らないくらいの“映える”サウンド、すなわち迫力満点のサウンドを生み出すことができます!

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マスターにかけるバス・コンプでは、音割れに注意しよう

 

 完成した音源の試聴はこちら! 

 

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MK
【Profile】プログレッシブ・ハウス/フューチャー・ハウス/トランスなどを手掛けてきたサウンド・プロデューサー/DJ。オランダの名門レーベルArmada Musicから楽曲をリリースするほか、Jポップやゲーム音楽の楽曲提供など多方面に活躍する。別名義のShadwとしても数多くリリースしている。

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