【動画】SHURE SM7Bセミナー「SM7誕生50周年!ボーカル・マイクとしての実力に迫る」by 中村公輔

SHURE SM7Bセミナー「SM7誕生50周年!ボーカル・マイクとしての実力に迫る」by 中村公輔

2023年9月23日〜24日に開催されたイベント『サンレコフェス2023』にて行われた、5つのセミナーを動画とともにレポート! SHUREのセミナーでは、SM7Bのボーカル・マイクとしての実力を徹底検証。講師としてお招きしたのは、エンジニアの中村公輔氏だ。近年は、折坂悠太、宇宙ネコ子、大石晴子らのエンジニアリングで知られており、KangarooPawとしてソロ活動も行っている。今回はSM7Bの音や、そのポテンシャルを引き出すコツ、さらには自宅でのボーカル・レコーディングのポイントについてもお話しいただいた。

Photo:Hiroki Obara

Shure SM7B 50周年記念!ボーカル・マイクとしての実力に迫る

 まずは、SM7やSM7Bに対する印象を伺った。

 「マイケル・ジャクソンの『スリラー』で、ブルース・スウェディンというエンジニアが、SM7を使ってレコーディングしたというのは有名な話です。ラウド系など音像をタイトにしたい場合に、すごくよく合うマイクという印象があります。最近では、アーティストがSM7Bで録音した素材を持ってくることも多いですね」

 続いてSM7Bの音を、SHUREのダイナミック・マイクSM58、コンデンサー・マイクKSM44Aと比較。今回は、シンガー高畠俊太郎の声を事前に録音して検証していただいた。曲はLOOP LINE PASSENGERのロック・ナンバー「life」だ。

 「SM7Bは、音楽性的にも一番ハマりがよいですね。ボーカルで欲しい帯域をうまく捉えてくれているので、ギターが派手に鳴っているオケの中で良い感じに聴こえます。一方でKSM44Aのようなコンデンサー・マイクは、奥行きはありますが、その分ノイズを拾いやすいです。その点、SM58は一番周りの音を拾っていませんね。ライブに向いている理由がよく分かります。音は、声が前に出やすい成分のみがしっかりあるという印象です。この2本と比較すると、SM7Bは周波数レンジが広く感じるような音で録れる上、コンデンサー・マイクよりもノイズを拾いにくいので、宅録において使いやすいでしょう」

 SM7Bのポテンシャルを引き出すためのポイントは、「十分にゲインを上げられるオーディオ・インターフェースを使う、またはブースターを活用するということが挙げられます」と中村氏。最後に自宅でのボーカル・レコーディングについて気を付けるべきポイントを尋ねたところ「幾らでもありますね(笑)」という答えが返ってきた。

 「レコーディングは、マイクの録り音の問題だけではありません。例えば、モニターしている音によって歌い方が変わってくることがあるんです。単に高いヘッドフォンやマイクを使えばパフォーマンスが良くなるというわけではないのが難しいところ。さらに言うと、レコーディングに向かうときの考え方によっても音は変わってくるんですよ」

 ここには収まりきらなかったが、SM7Bのことはもちろん、宅録でのマイキングやゲインの取り方、さらには、ボーカル録音にまつわる興味深い話をたくさん聞くことができるので、気になった方はぜひ動画をチェックしてほしい。

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