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AVID Pro Tools × Ryosuke “Dr.R” Sakai 〜世界標準のローエンド・テクニック【サンレコフェス・セミナー】

AVID Pro Tools × Ryosuke “Dr.R” Sakai 〜世界標準のローエンド・テクニック【サンレコフェス・セミナー】

2022年12月4日、KANDA SQUAREで開催したサンレコ初の体験型イベント、サンレコフェス2022。ここでは、プロのクリエイター/エンジニアを迎え実施した、DAWでの制作に役立つ4つのセミナーの模様を動画でお届けする。AVID Pro Toolsセミナーの講師としてお招きしたのは、Ryosuke “Dr.R” Sakai氏。作曲やアレンジはもちろん、ミックス、マスタリングまで自身で手掛けるマルチなプロデューサーであり、Dr.Ryo名義でアーティスト活動も展開、さらにはMNNF RCRDSを主宰するレーベル・オーナーとしての顔も持つ。そんなSakai氏が今回の講義テーマに選んだのは“ローエンド”だ。

AVID Pro Toolsセミナー by Ryosuke “Dr.R” Sakai


 Sakai氏は海外のプロデューサーやソングライターとの楽曲制作を数多く実践してきた人物だが、その経験から低域がいかに重要かを痛感させられたと語る。

 「アメリカに渡ったとき、いろんなプロデューサーからバカにされたんですよ。“お前の音はペラペラだ”って」

 当時、既にCrystal Kayや中島美嘉といった第一線で活躍するシンガーたちに楽曲提供を行い、日本国内では確固たる実績を積み上げていたものの、そのキャリアだけでは世界に通用しないことを実感したという。

 「まずは低域が聴こえる環境に自分を置かないといけないということで、サブウーファーを自分のスタジオに導入して、いろいろ聴き比べていくうちに、“自分はココができていなかったんだな”ということを学習していきました」

 そこで本セミナーでも、メイン・スピーカーのADAM AUDIO S3Hに加え、サブウーファーのSub10 MK2を用意。APPLE MacBook Pro上のPro Toolsでは、MNNF RCRDSのアーティストであるカーロ・レドルの楽曲で、Sakai氏も制作に参加した「Talkin'」のプロジェクト・ファイルを再生し、オーディオ・インターフェースのUNIVERSAL AUDIO Arrowからモニター・コントローラーのHERITAGE AUDIO RAM System 2000を通じてサブウーファーの有無を比較試聴した。結果、その差は明白でありメイン・スピーカーだけでは聴こえない音があることを確認できた。

 この後、セミナーは「Talkin'」の具体的な音作りの話に進み、サブベース、キックやベースのEQ、AVID Pro Subharmonicを使ったベースの低域補強など、Sakai氏の低域テクニックが多数披露された。その中でも特筆すべきは、低域がボーカルのリバーブにも影響するという話題だ。具体的には、ボーカルにAVID D-Verbを使用して6秒以上の長い残響を作り奥行き感を演出するそう。「低域があることによって大きなサウンド・キャンバスを描ければ、長いリバーブをかけてもしっくりくるんです」とSakai氏。

 「すべては相対的に考えていただいたほうがいいと思います。下を出したら上も出せる。さらに横も広げられるし、奥行きも作れる。その基盤になるのがやっぱりローエンド」

 皆さんは普段、どれくらい低域を意識されているだろうか? 気になる方はセミナー動画にアクセスして、じっくり低域攻略のノウハウを学んでいただければ幸いだ。

サンレコフェス2022 セミナー・レポート

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