DBX SC64/SC32:オープン・プライス
米DBX社のデジタル・マトリクスプロセッサー"SC Series(エスシー・シリーズ)"が、2010年1月15日(金)より発売される。
SC Seriesはコンパクトな筐体に豊富な入出力系統、多彩な信号処理機能を搭載。劇場やホールのスピーカー・マネージメントから大規模商業施設のゾーニングシステムまで行えるマトリクスプロセッサーだ。dbxの優れたダイナミクス技術と強力なマトリクスミキサーを内蔵し、多様な音響システムを高品位に実現する。
主な特徴は以下の通りだ。
■多様なアプリケーションに対応する豊富な入出力系統
SC Seriesは64ch入出力のSC64、32ch入出力のSC32の2モデルを用意。ユーロブロック端子を採用することで2Uのコンパクトな筐体に豊富な入出力を内蔵している。また、入出力は8chごとに設定が可能(発注時に決定)。運用するシステムに合わせて柔軟に構成できるほか、オプションでデジタル入出力カードも近日発売予定。さらに8系統のコントロール入力、6系統のロジック出力、各1系統のリレー、フォトカプラを搭載。映像送出器などの外部機器を接続すれば、SC Seriesから音と映像を連動したシステムも制御できる。
■スピーカー・マネージメントやゾーニングに必要となる信号処理機能を網羅
SC Seriesは世界的に高い評価を集めるdbxのダイナミクス技術と強力なマトリクスミキサーを搭載。入力経路にディレイ/4バンドPEQ/ゲート/ダッカー、出力経路にバンドパスフィルター/6バンドPEQ/リミッター/ディレイを固定で配置しているほか、各入力に2つ、各出力に1つ、以下のインサートエフェクトを自由に挿入可能。大規模なホール音響から館内放送を使用したゾーニングまで多様なアプリケーションに対応する。
<入力セクション>
●ハウリングサプレッサー(AFS):12個のノッチフィルターを備え、ハウリングを自動に検出、抑制
●自動ゲイン制御(AGC):アナウンスのボリュームを一定に調整
●サブハーモニック・シンセサイザー:信号の低域成分を増強し、迫力のあるBGMを演出
●ディエッサー:アナウンス時の歯擦音を低減
※その他、コンプレッサー、12バンドPEQ、12バンド・ノッチフィルターも選択可能
<出力セクション>
●環境ノイズ補償(ANC):周囲の雑音レベルに合わせて自動的に出力レベルを調整
●自動低域補正(Auto Warmth):低いレベルの信号を出力する際に発生する低域不足を補正
※その他、自動ゲイン制御(AGC)、ゲインも選択可能
さらに出力セクション前段には出力8chにつき6つのマトリクスミキサーを配置可能。入力信号を自由にミキシングして出力にルーティングできるだけでなく、マトリクスミキサーには総計16個のハウリングサプレッサーを追加できる。
■Hi Qnetに対応し、音響システム全体をトータルにコーディネート
SC Seriesは全てのシステム設定を専用のソフトウェア「System Architect」で行う。System Architectでの設定は項目を順番に入力することでシステム全体の設定を行う各種ウィザードを搭載し、複雑な音響システムも素早く、確実に構築可能。設定した日時にプリセットの自動切り替えを実行できるスケジュール機能も搭載しているため、ランチタイムの繁忙時にBGMの音量を上げるなどの制御も自動で行える。
さらにSystem ArchitectはHarman Proグループの提唱する統合ネットワーク「HiQ net」に対応。Hi QnetはHarman Proグループ内の機器を統一のプロトコルで運用するネットワークシステムです。System ArchitectはAKGのワイヤレスマイクロホン、AMCRONのパワーアンプ、JBL PROFESSIONALのスピーカーなど、異なるメーカー同士の機器の制御、及びモニタリングを実行。ネットワークに接続した機器のソフトウェアを個別に立ち上げる必要なく、System Architect上で音響システム全体を一元管理できる。
なお価格はSC64、SC32ともにオープン・プライス。
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