「MACKIE. Freeplay Live」製品レビュー:1回のフル充電で最大15時間使用可能なポータブルPAスピーカー

MACKIE.Freeplay Live
MACKIE.から、つい持ち運びたくなるような洗練されたデザインのポータブルPAシステム、Freeplay Liveが登場した。ハイパワーかつクリアなサウンドを実現したというFreeplay Liveを早速チェックしていこう。

高出力と可搬性の両立を実現
Bluetooth入力にも対応

Freeplay LiveはポータブルPAシステムとして、屋外でのライブ演奏のほか、屋内でのプレゼンテーションなども想定した作りとなっている。奥に行くにつれて傾斜のついた形状だ。スペックを見ていくと、背面にXLR/TRSフォーン・コンボ入力が2つ、天面にMUSIC/LIVEのEQモード切り替えボタンとリバーブのオン/オフ・ボタンを装備している。2系統の入力はマイク/ラインに加えHi-Z対応なので、エレキギターなどを直接接続することができる。

▲Freeplay Liveのリア・パネル。左からモニター・アウト(TRSフォーン)、AUXイン(ステレオ・ミニ)、入力(XLR/TRSフォーン・コンボ) ▲Freeplay Liveのリア・パネル。左からモニター・アウト(TRSフォーン)、AUXイン(ステレオ・ミニ)、入力(XLR/TRSフォーン・コンボ)
▲Freeplay Live天面の操作パネル。+/−は音量の調整、1/2はチャンネルの選択、Bluetooth/AUXではBluetooth対応デバイスとのペアリングやAUXチャンネルの選択、RVBはリバーブのオン/オフ、EQでモードの選択が行える。下部のインジケーターは入出力信号のレベルとバッテリー残量を表示する ▲Freeplay Live天面の操作パネル。+/−は音量の調整、1/2はチャンネルの選択、Bluetooth/AUXではBluetooth対応デバイスとのペアリングやAUXチャンネルの選択、RVBはリバーブのオン/オフ、EQでモードの選択が行える。下部のインジケーターは入出力信号のレベルとバッテリー残量を表示する

EQモードを比較してみると、音楽試聴向きのMUSICモードはやや低域の押し出しが強く、クラブ・ミュージックなどもしっかりと再生可能だ。LIVEモードは不要な低域がカットされ、スピーチや生演奏に向いている。

Android/iOS対応の無償専用アプリ、Freeplay Connectを使えば、チャンネルごとに3バンドEQ(Hi/Mid/Low、周波数固定)と、リバーブ量の調整/保存ができるので、簡単なPAオペレーションが可能だ。例えば、Freeplay Liveとスマートフォンがあれば、音楽を流しながらボーカルや楽器の生演奏を加えることができるので、ストリート・ライブやカラオケに使用してみてはどうだろうか。保存した設定の呼び出しに時間がかからないので、曲によって設定を保存することも可能だ。

▲無償の専用アプリ、Freeplay Connectの操作画面。各チャンネルの音量調節や細かなサウンド・メイクなどが行える ▲無償の専用アプリ、Freeplay Connectの操作画面。各チャンネルの音量調節や細かなサウンド・メイクなどが行える

ミキシングした音声は背面のTRS出力端子からモノラルで取り出せるので、ほかのスピーカーに出力したりレコーダーでライン録音することも可能である。付属のアダプターを使えば、マイク・スタンドに取り付けて高い位置に設置することもできる。また、Freeplay LiveはBluetoothもしくはステレオ・ミニのAUX INで音楽プレーヤーと接続ができ、2台までスピーカー同士のリンクが可能。先述のFreeplay Connectを使えばステレオ・スピーカーとして使用することもできる。

Freeplay Liveはわずか4kgと軽量ながら、1回のフル充電で最大15時間の駆動ができるリチウム・イオン・バッテリーを内蔵しているので、ぜひ屋外に持ち出して音楽を楽しんでもらいたい。150Wクラスと言えばポータブルPAシステムの定番ではあるが、このFreeplay Liveは群を抜いて軽い。女性でも軽々と片手でハンドルを持つことができるだろう。本体はプロフェッショナル・スピーカーと同じABS樹脂と金属グリルで堅牢に作られているので、ハードな使用にも耐えられる。

入力した原音を忠実に再生
天面のボタンのみのシンプル操作

それではFreeplay Liveにマイクを接続し、ボーカルでチェックしてみよう。第一印象では、フラットな音質で原音を忠実に再現してくれている。オンマイクで歌う際にも近接効果で持ち上がった低域を、少しカットするだけで済みそうだ。音楽と一緒に再生するのであればマイクの高域を少し持ち上げるか、トラックの中域を少しカットすれば声が前に出てくる。搭載されているリバーブの最大値は少々大げさなくらいなので、バラードなど壮大な歌唱でも対応できると思われる。ボリュームのコントロールとリバーブのオン/オフは天面のボタンで行えるので、アプリを使用せずに本体だけでも操作することが可能。

Freeplay Liveを使用していて筆者が感じたうれしい点は、操作部のラバーが隆起しており、暗闇でも感触でボタンの位置が分かることだ。これはアウトドアでの使用を想定したデザインなのだろうか。とにかく、見た目のスタイリッシュさと実用性を兼ね備えているクールなポイントだ。

今回はFreeplay Liveの兄弟機種である、コンパクトでパワフルなFreeplay HomeとFreeplay Goも合わせて試聴した。

▲併せて試聴した音楽鑑賞用のFreeplay Home(オープン・プライス:市場予想価格29,600円前後)。サイズは241(W)×135(H)×102(D)mm ▲併せて試聴した音楽鑑賞用のFreeplay Home(オープン・プライス:市場予想価格29,600円前後)。サイズは241(W)×135(H)×102(D)mm
▲800gと軽量なFreeplay Go(オープン・プライス:市場予想価格21,300円前後)。サイズは211(W)×84(H)×76(D)mm ▲800gと軽量なFreeplay Go(オープン・プライス:市場予想価格21,300円前後)。サイズは211(W)×84(H)×76(D)mm

こちらの2機種は音楽鑑賞用に設計されている。サウンドをチェックしてみると、ふくよかなベースからシンバルの抜けまでフラットに再生されており、好印象である。80Hz以下の低域再生はやや厳しいが、このサイズのポータブル・スピーカーにサブベースを求めるのは野暮な話だろう。

Freeplayシリーズは手頃な価格で高音質を簡単に持ち運べるので、すべての音楽ファンにお薦めしたい。

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サウンド&レコーディング・マガジン 2018年11月号より)

MACKIE.
Freeplay Live
オープン・プライス(市場予想価格:47,300円前後)
▪最大出力:150W ▪周波数特性:60Hz〜20kHz ▪スピーカー・ユニット構成:低域6インチ×1、高域1インチ×2 ▪DSP:3バンドEQ(各入力)、ボイシング・モード×2、システム・リミッター ▪外形寸法:356(W)×198(H)×178(D)mm ▪重量:約4kg