【お知らせ】6月20日の申込/更新分より、サンレコWebのサブスクリプション価格を改定いたします。詳細はこちらをご覧ください。また、6月17日までWeb+印刷版(年間)を約30%オフでご提供しています。

「SOUNDCRAFT SI Impact」製品レビュー:コンパクトなサイズに多彩な入出力を備えたSIシリーズ最新機種

SOUNDCRAFTSI Impact
SOUNDCRAFT SI Impactは同社のSI PerformerやSI Expressionの優れた操作性と音質を継承し、コンパクトなサイズでありながらも多彩な入出力端子を備えたデジタル・ミキサーです。それでは実際にテストをしながらレポートしていきましょう。

直感的な操作を可能にするACSエリア
上位機種VI1譲りのプリアンプを搭載

SI Impactのサイズは、751(W)×148(H)×496(D)mmと非常にコンパクト。リア・パネルには32chのマイク/ライン入力端子を装備し、そのうちch25〜32の8入力はXLRとTRSフォーン対応のコンボ端子です。出力はラインのアナログ出力16chとAES/EBUデジタル出力を1系統(2ch)装備しています。また、MADI端子を標準装備していますので、MADIインターフェースを搭載したオプションのステージ・ボックスとCAT5ケーブルで接続することで、最大64chの音声信号を送受信することが可能。さらにUSB端子も装備しているので、コンピューターと接続すれば最大32chのマルチトラック録音/再生が可能になります。

フロント・パネルには24+2ch分のフェーダーが並び、LCDディスプレイの左には“ACSエリア”という各チャンネル、バスのマイク・ゲイン/HPF/ノイズ・ゲート/コンプレッサー/4chパラメトリックEQ/ディレイ/出力の設定を独立して表示/調整するためのツマミが集まったセクションがあります。ツマミはレイヤーの切り替えなどで働きが変更されないため、アナログ・ミキサーのような操作性を実現しています。

サウンドに関しては、SOUNDCRAFTとSTUDERが共同開発したDSPが使用され、プリアンプは同社ハイエンド・デジタル・ミキサーであるVI1譲りの高品位なものを採用。エフェクトはLEXICON PRO製のプロセッサーを4系統装備しています。また、“ACSエリア”のコンプレッサーはDBX製のものを内蔵。全出力バスにはBSS AUDIO製の28バンド・グラフィックEQを搭載するなど、小型ながらも多彩な機能を持ち、操作性/信頼性の高い製品となっています。

アナログライクなどっしりとしたサウンド
操作ミスを軽減する小型ディスプレイ

今回は本機でボーカル/アコースティック・ギター/ウッド・ベース/チェロのミックスをしてみました。サウンドは非常にどっしりとしていて、高域にクセが無く、非常にアナログライクな印象。特に中低域がしっかりしていて、安定感があります。それでいてこもっているわけでもなく、抜けが良いサウンド。ウッド・ベースも低域まで確実に再生されながら、低音のダブつきもなく良好です。さすがVI1譲りのプリアンプだなと思いました。ほかのデジタル・ミキサーに比べて各楽器の音が分離し過ぎず、良く混ざっていて、なじみが良いようにも思います。

次にDBX製コンプレッサーですが、非常に効き具合が良いです。きつめにコンプレッションしてもこもることなく、また、ひずみ感も無く、これまた操作性も含めアナログライクな印象でした。LEXICON PRO製のエフェクトはリバーブやディレイはもちろん、ピッチ・シフト、デチューンまで含め29種類から選べます。リバーブを数種類使用してみましたが、LEXICONらしくスムーズで高音域に嫌みの無いサウンドです。パラメーターの変更もタッチ・パネルとトグルを使用することで簡単にアクセスできるようになっています。また各チャンネルの入力/出力にディレイをかけることが可能で、これも場面場面で非常に役立つ機能だと思います。

操作面に関しては、各チャンネルのフェーダー上部に小型ディスプレイを装備したことが本機の最大の特徴だと思います。これにより各入力/出力チャンネルのネームをディスプレイに表示できるようになりました。これはオペレーターにとっては非常にありがたい変更点です。レイヤーを切り替える必要のあるデジタル・ミキサーでは、どうしても操作する上で混乱したり、迷子になったり、最悪の場合ミスをしてしまうようなケースがあります。小型ディスプレイによってこれを大きく軽減できるでしょう。

§

コンパクトなデジタル・ミキサーとして、操作性の良さはもちろん、サウンドに関しても一貫して“アナログライク”を追求した本機。小中規模のライブ・ハウスなどのミキサーとしては迷うことなくお薦めできる製品です。

▲リア・パネルは上段にマイク/ライン・イン1〜24(XLR)/25〜32(XLR/TRSフォーン・コンボ)、ライン・アウト1〜16(XLR)を装備。下段は左からMADI端子(RJ45)、USB端子、拡張スロット、AES/EBUアウト、ワード・クロック・インおよびアウト(BNC)、ブート・ローダー・スイッチ、HiQnetデータ・リンク端子 ▲リア・パネルは上段にマイク/ライン・イン1〜24(XLR)/25〜32(XLR/TRSフォーン・コンボ)、ライン・アウト1〜16(XLR)を装備。下段は左からMADI端子(RJ45)、USB端子、拡張スロット、AES/EBUアウト、ワード・クロック・インおよびアウト(BNC)、ブート・ローダー・スイッチ、HiQnetデータ・リンク端子

製品サイト:http://proaudiosales.hibino.co.jp/information/3282.html

サウンド&レコーディング・マガジン 2016年2月号より)

SOUNDCRAFT
SI Impact
オープン・プライス(市場予想価格:390,000円前後)
▪アナログ・イン:32モノラル ▪AUXバス:14モノラル(6モノラルを6ステレオに切り替え可能) ▪マトリクス・バス:4モノラル(4ステレオに切り替え可能) ▪AD/DA変換:24ビット/48kHz ▪内部処理:40ビット浮動小数点演算 ▪周波数特性:20Hz〜20kHz(±1.5dB) ▪THD:0.01%以下@1kHz ▪外形寸法:751(W)×148(H)×496(D)mm ▪重量:17kg