BIG FISH AUDIO CINEMATIC PERCUSSION 13,125円映像のバックで効果的な演出をするのに適したパーカッション・ライブラリーの登場です。内容を見れば、打楽器類のみで構築された30種類のコンストラクション・キットがWAV、Apple Loops、REX2、Stylus RMXというフォーマットで収録。どれもおよそ40～90秒程度で、イントロの始まりからエンディングの終止までしっかりとした展開が施されています。各キットにはメイン・ミックスと各楽器のソロが収録。オーディオ・ファイルは小節単位で分割されているので、映像の動きや場面転換など、素材の展開に合わせて尺の調整が非常にスムーズに行なえそうです。MB Gordyという、映画音楽界では著名なパーカッショニストが取り組んだライブラリーということだけに、打楽器それぞれのアンサンブルは非常に表情豊かで重厚。さまざまなバリエーションが精密に作り込まれています。何かが登場してきそうな期待感をあおる演奏や、ジャングルに分け入り探検しているような場面、軍隊の行進をイメージしたボレロ風のマーチング、戦闘が徐々にヒートアップしていくような激しい場面などなど、すべて打楽器のみの構成にもかかわらず、音を聴いているだけで何かかたずを飲んで見守っているような気持ちに......と、いろんなシチュエーションの映像が浮かんできました。使用されている楽器は日本の和太鼓、中南米や中近東、そしてアフリカの打楽器類、ティンパニーやスネアなどから、"Gong"や"Bell"、"Steeldrum"や"Tibetan Temple Bowls"などとフォルダー分けされた個性的な金属音を出す楽器までいろいろ。メロディが入っていない分、ちょっとした短い１シーンでも確実にはめ込むことができ、効果的な演出ができそうで、映画以外にも楽曲製作はもちろん、テレビやラジオからCMまでとさまざまなメディアで活躍してくれそうです。（『サウンド＆レコーディング・マガジン』2010年3月号より）
