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ZOOM H6essential レビュー:最高32ビットフロート/96kHzで録音可能な6trハンディレコーダー

ZOOM H6essential レビュー:最高32ビットフロート/96kHzで録音可能な6trハンディレコーダー

 マルチエフェクターなどの製品で知られる日本の音響機器メーカーZOOMが、6trハンディレコーダーのH6essentialを発売しました。早速、見ていきましょう。

最大入力音圧135dB SPLに対応する指向角90°のX/Yステレオマイクを搭載

 H6essentialは、最大入力音圧135dB SPL、指向角90°のX/Yステレオマイクを搭載する6trハンディレコーダー。録音時のビット/サンプリングレートは最高32ビットフロート/96kHzで、最大1TBのmicroSDHC/microSDXCカード(別売り)にモノラルまたはステレオでの録音が可能です。本体はマットブラック仕様で堅牢なデザイン。本体サイズは78.1mm(W)×42.8mm(H)×160.1mm(D)というコンパクトな見た目で、実際に持つと381gと思ったより軽量です。

 フロントパネルにはX/Yステレオマイクのオン/オフを切り替えるMICキー、本体側面に備わる4系統のマイク/ライン入力(XLR/TRSフォーンコンボ)のオン/オフを切り替える1〜4のトラックキー、フロントパネル下部に備わるカラー液晶ディスプレイにミキサー画面を表示させるためのMIXERキーを搭載。また、これらの中央部分にはスピーカーを内蔵しています。さらに下部には、録音/再生/停止/早戻し/先送りといったトランスポート機能を司る5つのキーを装備。そして、先述のディスプレイがあります。ここには録音中の音声波形がリアルタイムに表示されるため、録音レベルなどをその場で確認しながら最適な録音が行えます。

 本体の両側面には4系統のマイク/ライン入力がありますが、ここにはEIN−120dBu以下という超低ノイズフロア設計の高品位マイクプリを内蔵。また左側面には音量調整用のVOLUMEダイヤル、ヘッドホン出力(ステレオミニ)、USB-C端子、ライン出力(ステレオミニ)があります。

本体の左側面。左からロック機能付きマイク/ライン入力(XLR/TRSフォーンコンボ)×2基、VOLUMEダイヤル、ヘッドホン出力(ステレオミニ)、バスパワー対応かつコンピューターやスマートフォン/タブレットと接続するためのUSB-C端子、ライン出力(ステレオミニ)を搭載している

本体の左側面。左からロック機能付きマイク/ライン入力(XLR/TRSフォーンコンボ)×2基、VOLUMEダイヤル、ヘッドホン出力(ステレオミニ)、バスパワー対応かつコンピューターやスマートフォン/タブレットと接続するためのUSB-C端子、ライン出力(ステレオミニ)を搭載している

 USB-C端子は、コンピューターやスマートフォン/タブレットと接続してファイルを転送したり、本体を最大6イン/2アウトのUSBオーディオI/O(Windows/Mac/iOS/Androidで動作)として活用する際に使います。なおUSB-C端子はバスパワーにも対応しているので便利です。

 一方、本体の右側面にはmicroSDカードスロットのほか、各項目を選択/決定するためのセレクトダイヤルとENTERキーを備えています。

本体の右側面には、microSDカードスロット、ディスプレイに表示される項目を選択/決定するためのセレクトダイヤルとENTERキー、ロック機能付きマイク/ライン入力(XLR/TRSフォーンコンボ)×2基を装備する

本体の右側面には、microSDカードスロット、ディスプレイに表示される項目を選択/決定するためのセレクトダイヤルとENTERキー、ロック機能付きマイク/ライン入力(XLR/TRSフォーンコンボ)×2基を装備する

48Vファンタム電源やローカットフィルターを装備 単三アルカリ乾電池4本で約18時間の駆動を実現

 ここからは屋外におけるボーカル/ギターの録音や、フィールドレコーディングの使用感をレビューします。まず素晴らしいと感じたのは、ユーザーフレンドリーな操作性。説明書を見ずとも、ある程度機材に触れたことのある人ならすぐに使い方が分かるでしょう。マイクやギターをマイク/ライン入力に接続し、1〜4のトラックキーを押して赤いインジケーターを点灯させたらセッティング完了です。ディスプレイには各キーの機能説明などが表示されるため、ビギナーの方にも優しい仕様になっています。録音キーには操作音がなく、耐久性に優れたラバースイッチを採用。また本体にスピーカーを内蔵しているので、その場で録音を確認できて実用的です。

 そのほか48Vファンタム電源を備えているためコンデンサーマイクの使用にも対応。振動や空調音といった低周波ノイズを抑えるローカットフィルターも搭載しているので安心です。屋外使用などでバッテリーがなくなった場合でも、2tr録音なら単三アルカリ乾電池4本で約18時間、6tr録音なら約3.5時間駆動するので心強いですね。

 音質面では、その解像度の高さに驚きました。屋外でX/Yステレオマイクを用いて録音した際は、環境音の低域までしっかり収音し、場所の様子をリアルに再現できます。ボーカルやギターの録音にも試したところ、いずれも高域や中域がつややかで低ノイズなため、そのままでも聴きやすい音声収録が可能でした。またデュアルADコンバーターを搭載し、32ビットフロートの録音に対応するためゲイン調整をせず気軽に録音できるのも魅力でしょう。

 ディスプレイに表示されたミキサー画面では、簡易的なミックスがきるのもポイント。こういった操作性から、H6essentialはレコーダーというよりも“録音に特化したDAW”のような使用感も覚えました。

 録音した音をその場でノーマライズして確認できるため、フィールドレコーディングにも最適。屋外での録音では風切り音や不要な環境音が混入する可能性があるので、ノーマライズした音を確認することで、録音した音声を即座に判断できます。

 さらに、ビデオカメラなど外部の機器へリアルタイムに音声を送れるライン出力も備えているため、動画配信者や屋外で弾き語りを録音/撮影するシンガーソングライターには、特にお薦めなレコーダーだと言えます。屋外や遠征での録音は機材が増えがちで、録音のミスや機材エラーなども起こりやすいです。しかし、堅牢でコンパクトかつ機能性に富むH6essentialなら複雑な機材を必要とせず、優れた音質で音声収録が行えます。とにかく手軽に録音できるため、音楽制作者の方も一台持っておいて損はないはずです。

 なお、BluetoothアダプターBTA-1(別売り)でiOSデバイスとペアリングすれば、Apple iPhone/iPadからリモート操作も可能です。また、拡張カプセルのEXH-6e(今夏発売予定)を装着すれば2系統のマイク/ライン入力(XLR/TRSフォーンコンボ)を追加できるため、バンド演奏を屋外でレコーディングしたり、複数人でのポッドキャストを収録する際にも役立つでしょう。

 H6essentialは、高音質で多機能、そしてストレスのないワークフローを実現してくれるレコーダーです。ぜひ、その性能を体験してみることをお勧めします。

 

碧海祐人(読み:オオミマサト)
【Profile】シンガーソングライター。メロウでジャジーなムードを携えた情緒的なサウンドと、海外インディーR&Bなどからの要素も感じ取れるような繊細さと気怠さを混在させた歌声で注目の的となっている。

 

 

 

ZOOM H6essential

オープンプライス

(市場予想価格:34,900円前後)

ZOOM H6essential

SPECIFICATIONS
▪X/Yステレオマイク入力:指向角90°、最大入力音圧135dB SPL ▪マイク/ライン入力:XLR/TRSフォーンコンボ端子×4 ▪出力:ヘッドホン出力/ライン出力(ステレオミニ)、内蔵スピーカー ▪録音フォーマット:WAVファイル、32ビットフロート/44.1/48/96kHz、ステレオ/モノラル、BWFおよびiXMLフォーマットに対応 ▪外形寸法:78.1mm(W)×42.8mm(H)×160.1mm(D) ▪重量:381g(電池含む)

製品情報

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