TOUCH LOOPSから170BPMのみのドラム・ループ集『BASEMENT BREAKS』が登場。AKAI PROFESSIONALのサンプラーで処理された音源は、1990年代ブレイクビーツの質感を再現しながらも、定位や奥行きがはっきりとしている。現行の音楽にもなじみ良く使える印象だ。またサチュレートされたループはひずみの具合が絶妙で、ここ最近のヒップホップを意識しているような処理が好印象である。多様なリズム・パターンがあり、そのままでもブレイクスやジャングル、アブストラクト・ヒップホップで重宝する。
個人的にはハイハットのみのループが多種多様なジャンルで使える非常に良いノリだと感じた。今回はそのハイハットを、85BPMで生音に近いキックとスネアのビートに使ってみた。ネオソウルのようなメロウなコードを重ね、短いサブベースとフィンガー・ベースを合わせて入れると、ハイハットのノリを基軸に雰囲気のある最高なグルーブのトラックが完成。上音のフレーズや音色によっては、新しい表情を作れると思う。
先述の通り、ステレオ・ワイドで定位がしっかりしているので、自分の楽曲に合わせてステレオ感を調整しやすい。このドラム・ループを使って、カット&チョップしたり、LFOのオートメーションや、Gateで演奏させたり、リバース処理などで加工したりと、いじればいじるほど面白いものが作れるのは間違い無い。そして、テンポが170BPMに限定されている分、無駄なものも無く、一つ一つのループが洗練されていて優秀だ。早速自分の作品で使用しよう。
NAOtheLAIZA
【Profile】山形市出身のヒップホップ・プロデューサー/エンジニア。2012年に大阪から東京へ拠点を移し、DOBERMAN INFINITY、韻踏合組合、SHINGO★西成、般若、NORIKIYO、JAGGLAなど数多くの楽曲を手掛けている。海外アーティストとのコライトにも積極的に参加。
TOUCH LOOPS
BASEMENT BREAKS
2,508円
(2021年10月15日現在。為替レートによる価格の変動あり)
▪メディア:ダウンロード販売 ▪容量:約100MB ▪データ・フォーマット:WAV