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SOFTUBE Amp Room Marshall Suite レビュー:名機を忠実にモデリングするアンプ・シミュレーターに新たな機能が追加

SOFTUBE Amp Room Marshall Suite レビュー:名機を忠実にモデリングするアンプ・シミュレーターに新たな機能が追加

 SOFTUBEのモデリング技術を結集したアンプ・シミュレーター・プラグイン、Amp Roomが大幅にバージョン・アップし、Amp Room Suiteへと進化しました。往年の名機を忠実にモデリングしたアンプ、キャビネット、ペダル、スタジオ・エフェクト、そして豊富なマイキングとプリセットを備えています。Amp Room Suiteには4つのスイートがあり、今回紹介するのはAmp Room Marshall Suite(以下Marshall Suite)です。MARSHALL公認で、SOFTUBEとの長年のコラボレーションから生まれた本製品。筆者がこれまでに経験したMARSHALLサウンドと比較しながら試していきましょう。

直感的な操作が可能なスイート・モードと視覚的に把握できるスタジオ・モードを選択可能

 まずは各スイートについて。Amp Room SuiteにはMarshall Suiteのほか、Metal Suite、Vintage Suite、Bass Suite(各オープン・プライス:市場予想価格12,570円前後)もラインナップされています。それぞれパワフルな機能とサウンドを提供し、幅広い音作りが可能です。

 Amp Room Suiteになり、ユーザー・インターフェースが再設計されました。2つの特徴的なモードが組み込まれており、新たに登場したスイート・モードは、直感的な操作が可能です。

スイート・モード画面。音声が画面下部(黄枠)に表示された5つのセクションを直列に流れる仕組みで、最大3つのプリペダル/エフェクト→アンプ→2つのキャビネットの並列接続→最大3つのポストペダル/エフェクト→パラメトリックEQ、という流れになっている。ギタリストにとってなじみ深い進行で、直感的な音作りができるモードだ

スイート・モード画面。音声が画面下部(黄枠)に表示された5つのセクションを直列に流れる仕組みで、最大3つのプリペダル/エフェクト→アンプ→2つのキャビネットの並列接続→最大3つのポストペダル/エフェクト→パラメトリックEQ、という流れになっている。ギタリストにとってなじみ深い進行で、直感的な音作りができるモードだ

 前バージョンを継承するスタジオ・モードは、全体のワークフローを視覚的に把握できます。

スタジオ・モード画面。すべてのギアの信号の流れや配置を一画面で視覚的に捉えることができる。微調整が必要な場面や、自由なシグナル・チェインを試すクリエイティブな作業に適していると言えるだろう。アンプの前にキャビネットを配置、2つのアンプを直列につなげてサウンドを作り出すなど、自由なアイディアによる実験が可能だ

スタジオ・モード画面。すべてのギアの信号の流れや配置を一画面で視覚的に捉えることができる。微調整が必要な場面や、自由なシグナル・チェインを試すクリエイティブな作業に適していると言えるだろう。アンプの前にキャビネットを配置、2つのアンプを直列につなげてサウンドを作り出すなど、自由なアイディアによる実験が可能だ

 ユーザーはこれらのモードを自分の好みに合わせて切り替え、各モジュールをドラッグ&ドロップで選択し、パラメーターを設定することで、効率的なサウンド・メイクが可能です。

 それではMarshall Suiteについて見ていきましょう。本製品は、Plexi Super Lead 1959をはじめとするMARSHALLアンプ(最高の状態の個体がモデリングされているとのこと!)、MARSHALL 1960TV 4x12などのキャビネットが多数収録されています。エフェクト・ペダルも、往年の名機の質感を再現したものを豊富に用意。自然なルーム・アンビエンスを加えるためのエフェクトのRoomIRや、単体でリリースされているプラグインを元にしたAmerican Class A 55 EQ、American Class A 25 Compも実装されています。

 さらに、キャビネットのTONEセクションを活用してトーン・シェイプや位相を柔軟に調整可能です。

キャビネットの設定画面。マイクは7種類から選択でき、右側のキャビネット上のマイク・アイコン(緑枠)をドラッグしてマイキングする位置を調整できる。RESONANCEなどのパラメーターがあるTONEセクション(黄枠)での音作りも可能だ。画面はスタジオ・モード使用時のもので、スイート・モードでも同様に扱える

キャビネットの設定画面。マイクは7種類から選択でき、右側のキャビネット上のマイク・アイコン(緑枠)をドラッグしてマイキングする位置を調整できる。RESONANCEなどのパラメーターがあるTONEセクション(黄枠)での音作りも可能だ。画面はスタジオ・モード使用時のもので、スイート・モードでも同様に扱える

 マイキングの自由度も高く、7種類のマイクを選択でき、セッティングする位置をドラッグして動かしながら見つけられます。インパルス・レスポンス(IR)を設定できるLoadIRモジュールも搭載されており、プリセットや独自のIRも組み込めます。その場合、マイキングはキャンセルされますが、TONEセクションは引き続き利用可能です。

デジタルながら真空管のような音質

 ここからバッキングのギターを作成し、サウンドを確認していきます。バッキングの音はジャンルによって異なりますが、ハードロックやヘビーメタルでは楽曲の主要部分であり、レンジ、抜け、存在感が重要です。スイート・モードでJCM800のアンプとキャビネットを選択し、ODR(オーバードライブ)ペダルを使用したところ、デジタルながらも真空管の感触があり、高域のジャリっとしたニュアンスもうまく再現。マイキングとの組み合わせで、十分な抜け感を得られました。

 ツマミを操作する過程でアンプの反応を感じ、マスター・ボリュームを上げるとキャビネットの振動まで伝わるようで、実際のアンプを操作しているような高揚感を覚えました。非常に高いレベルでモデリングされていることが分かります。各ペダルやアンプも再現度が高く、特にペダルはギター・サウンドに確かな個性を加えることができました。

 プリセットから始めてサウンドを追求するのも効果的です。Hi GainやCleanなどのカテゴリーが用意され、素早く理想的なサウンドに近づけます。“Lead - Ingysteen Malmsteen"という、インスパイア元が一目で分かるプリセットは、ビンテージな熱いサウンドを忠実に表現しています。

 キャビネットのTONEセクションにあるRESONANCEとPUNCH GAINは特に優れており、肉厚でホットなサウンドを作り出すのに役立ちます。LoadIRを用いた場合でも機能するため、非常に有用です。

 エフェクトではRoomIRが素晴らしく、ドライすぎる感じがする場合に自然なルーム感を演出し、ギター・サウンドの向上に寄与します。

 まるで実際のアンプを操作しているかのような楽しさとリアリティを味わうことができるMarshall Suite。そのサウンドは、まさに伝統的なロックのフィーリングそのものです。収録されているアンプやキャビネットは、現在では入手困難なものも含まれており、クラシックなサウンドを手軽に試すことができます。特にMARSHALLのファンや伝統的な音を求めるギタリストにとって、実機の代替としてMarshall Suiteは必携のプラグインになるでしょう。ミックス的に調整できる幅も広く、エンジニアにとってもお薦めです。次はAmp Room Metal Suiteもぜひ試してみたいですね。

 

Hiro
【Profile】METAL SAFARIのギタリストを経てプロデューサー/エンジニアに。録音〜マスタリングまでこなす。NOCTURNAL BLOODLUSTやUnlucky Morpheusなど多くのメタル・バンドを手掛ける。

 

 

 

SOFTUBE Amp Room Marshall Suite

オープン・プライス

(市場予想価格:18,920円前後)

SOFTUBE Amp Room Marshall Suite

REQUIREMENTS
▪Mac:macOS 11以降、INTEL Core I3/I5/I7またはAPPLE Silicon M1以降
▪Windows:Windows 10/11、INTEL Core I3/I5/I7またはAMDクアッド・コア(SSE 4.2サポート)
▪共通項目:64ビットのみ、iLokアカウント
▪対応フォーマット:AAX/AU/VST/VST3

製品情報

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