ここ数年、UKガラージをフィーチャーした音楽が、メインストリームからアンダーグラウンドまで、そしてUKだけではなく世界各地でリリースされていました。ハネたビートが分かりやすい特徴ですが、R&B調のボーカルスタイルや、それを短くチョップしてリズミックに構築する手法もUKガラージの代名詞です。
今回紹介する『GARAGE VOCALS』は、その名の通り、UKガラージ向けのボーカルサンプルを202本収録したサンプルパック。テンポ128BPMと132BPMにフォルダが分かれており、しっかりと歌い上げているものから、チョップしてリズムを組んでいるものまで、バリエーションが豊かです。やや強めのコンプレッションと、リバーブなどの空間系エフェクトで最初から味付けされていて、シンプルなビートに乗せるだけでトラックが成立します。音抜けが抜群に良いので、キックやベースで音量が膨らみがちなダンスミュージックのミキシングでは非常に助かりますね。
私は最近比較的ミニマルなベースミュージックを制作しており、“YEF_128_Em_Female_Vocal_Aye_Aye_1”がほかのサンプルよりも淡々としていてしっくりきました。自分のガラージビートになじませるためピッチを落とし、少しモノラルに寄せる処理とリバーブを加えました。ハネ系のビートに乗せてもグルーブの調整が要らず、さすが『GARAGE VOCALS』という感じがします。なかなか面白いバンガーができたのでリリースできるかもしれません。
Stones Taro
【Profile】京都在住のDJ／プロデューサー。1990年代のハウス、UKガラージ、ジャングルに強くインスパイアされた楽曲を、UKはじめ世界中のレーベルから多数リリース。2020年にYAM Records（UK）からリリースされた『Word Rush』は世界各地のレコードショップで完売し、リプレスされるなど注目を集めた。以降Shall Not Fade、Hardline Soundsなど現行UKアンダーグラウンドシーンを担う主要レーベルから次々と12インチレコードを発表。日本在住ながら現行UKシーンの重要プロデューサーとして扱われる稀有な存在に。DJとしても、Star Festival、Rainbow Disco Club -Sound Horizon-、そしてフジロックフェスティバルなどの国内主要フェスへ出演、2023年には初のUKツアーを実現した。2017年より、同じく京都在住のDJ／プロデューサーであるLomaxと共に、京都拠点のダンスミュージックレーベルNC4Kの運営を開始。継続的なリリースとパーティ開催を重ね、国内外を繋ぐ重要レーベルとして注目を集める。Ben UFO、Objekt、Om Unit、Coco Bryce、Conducta、Breakaなど、ダンスミュージック最前線のプロデューサーたちからサポートを受けている。
SAMPLESTATE
GARAGE VOCALS
5,566円
（為替レートによる価格の変動あり）
▪メディア：ダウンロード販売 ▪容量：約441MB ▪データ・フォーマット：WAV
