「MONKEY BANANA Lemur 5」製品レビュー:内蔵DSPで6種類のスピーカー特性を設定可能なパワード・モニター

MONKEY BANANA Lemur 5

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 今回は、ドイツに拠点を置くFUTURE BEAT INDUSTRIESが手掛けるブランド、MONKEY BANANAのパワード・モニター・スピーカーLemur 5を試してみましょう。ちなみにLemurはキツネザルという意味だそうです!
 

ローカット・フィルターやリミッターなど
内蔵DSPによる制御が可能

 Lemur 5は、5.25インチ径のウーファーと1インチ径のツィーターを搭載した2ウェイ・パワード・モニター・スピーカー。クラスDパワー・アンプを2つ内蔵し、出力は80W(ウーファー)+30W(ツィーター)です。またウーファー・コーンにはケブラー繊維が用いられ、ツィーター・ドームにはアルミニウムが採用されています。外形寸法は277(W)×214.5(H)×190(D)mm、重量は4.45kgなので、スピーカーとしてはコンパクトで持ち運びにも便利なサイズ感です。


 リア・パネルを見てみましょう。最上段には、設置環境に合わせて内蔵DSPで補正が行える6つのスイッチが搭載されています。左から、部屋の隅にモニターを設置した際などに発生しがちな低域のブーミーさを0/−2/−4dBで調整できるACOUSTIC SPACEスイッチ、Off/47/80HzでのLOW CU Tスイッチ、中域にベル・タイプのEQをかけられるMIDスイ ッチ、高域にシェルビングEQを施せるHIスイッチ、LIMITERスイッチ、一定時間に音声信号が検出されない場合にスリープするSTDBY MODEスイッチを装備。それらの下部右側には、音量ノブのほか、上から音声入力用のR CAピン/TRSフォーン/XLR端子が備えられています。


 入力端子の反対側には、LEMUR 5/WHITE CONE/CUBE 5/DIN 8030/HIFI/RKT 5という著名なモニター・スピーカーを連想させる名前とそれぞれに対応するLEDのほか、TASTE SELECTIONボタンを配置。それら6つの周波数特性グラフも記載されています。


 Lemur 5の最大の特徴は、著名なスタジオ・モニターの特性を内蔵DSPによる制御とモデリング技術により再現できること。TASTE SELECTIONボタンを押すことで6種類のスピーカー特性を選択でき、一台でさまざまなモニターでの再生を想定した音作りを行うことができます。

 

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リア・パネルの最上部には、内蔵DSPで出音の調整が行える6つのスイッチを搭載。それらの下部右側には音量ノブのほか、入力用のRCAピン/TRSフォーン/XLR端子が備わっている。左側には、6種類のスピーカー特性が選択できるTASTE SELECTIONボタンなどを配置する

 

分離が良くパンチのあるサウンド
迫力のある低域と情報量の多い中域

 それでは試聴してみましょう。まずはデフォルトのLEMUR 5モードですが、各パートの分離が良いです。全体的に非常にパンチのあるサウンドで、ニアフィールドでのリスニングでは低域にとてつもない迫力があります。また中域には十分な情報量があるので、ボーカルの音量/音色の適切なジャッジが素早く行えるでしょう。若干音が硬めだったので、リア・パネルにあるHI/MIDスイッチを−2dBに設定。すると、ベストなサウンドになり作業がしやすくなりました。さらに特徴を知るために測定マイクを使ってみたところ、100Hz〜20kHzにおける周波数特性にはごくわずかな凹凸が見られるものの、ほぼ平坦。とてもフラットな音だということが分かります。続いて試聴したのはWHITE CONEモード。測定では、スタジオでよく見る“白いコーンのモニター・スピーカー”と同じような中域に特徴のある周波数特性が見られました。往年のスタジオ・モニターという音がします。CUBE 5モードは、キューブ型のフルレンジ・モニターを思わせる鳴り。テレビやラジオなど、限られた周波数帯域でのミックスに特化した印象です。


 残り3つのモードも聴いていきましょう。DIN 8030モードでは、ウーファーとツィーター間における再生周波数帯域の干渉が少なく、音の定位も分かりやすく感じました。RKT 5モードは、黄色いウーファー・コーンのモニターをほうふつさせるサウンド。高域と低域はしっかり、逆に中域はすっきりとした音で、個人的にはこれが一番好きです。


 最後のHIFIモードでは、LEMUR 5モードから若干高域が持ち上がったような特性になり、まさに“ハイファイ”というサウンドが聴けるでしょう。
 ちなみに、壁からの反射音のためか低域がブーミーに聴こえたのでACOUSTIC SPACEスイッチを使用すると、出音がすっきりしてより聴きやすくなりました。
 
 音楽ジャンルや設置環境、自分の好みによって細かく設定ができ、さらに6種類ものスピーカー特性を一台で再現できるという汎用性抜群のLemur 5。コスト・パフォーマンスにも優れており、カラー・バリエーションには赤色もあります。どのモニターを買ったら良いか迷っている方には、ぜひLemur 5がお薦めです。

 

問合せ:銀座十字屋 ディリゲント事業部

製品ページ:https://dirigent.jp/product/monkey-banana/lemur5/

 

MONKEY BANANA Lemur 5

オープン・プライス

(市場予想価格:29,000円前後/1台)

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▪ SPECIFICATIONS ▪ユニット構成:5.25インチ径ケブラー・コーン・ウーファー+1インチ径アルミニウム・ドーム・ツィーター ▪周波数特性:55Hz〜30kHz ▪アンプ動作方式:クラスD ▪アンプ出力:80W(ウーファー)+30W(ツィーター) ▪クロスオーバー周波数:2.8kHz ▪入力インピーダンス:20kΩ(バランス)、10kΩ(アンバランス) ▪カラー:赤/黒 ▪外形寸法:277(W)×214.5(H)×190(D)mm ▪重量:4.45kg(1台)