LOOPMASTERS BLAST - SKA HORNS レビュー:ジャマイカ音楽のホーン・セクション・パック

LOOPMASTERS BLAST - SKA HORNS レビュー:ジャマイカ音楽のホーン・セクション・パック

 LOOPMASTERSから『BLAST - SKA HORNS』が発表された。スカに特化したホーン・セクション素材集で、トランペットにSCHILKE B1、トロンボーンにGETZEN Eterna Doc Severinsenなどを用い、NEUMANNのU87AIからYAMAHA AXR4の内蔵プリアンプを通ってすべて24ビット/ 44.1kHzで録音されている。7つのフォルダーの一つ一つがコンストラクション・キットとなっており、テンポとキーはキットごとに統一されていて、都合425種類のトランペットと255種類のトロンボーンのオーディオがある。

 当初はプリンス・バスターやジミー・クリフ辺りの突き抜ける青空のような音だと想像していたが、実際はもっとアーバンかつルードで、ジャズの流れを感じさせるものや、2トーン的アップ・テンポなキットもあった。明る過ぎないため、汎用性が高そうだ。スカに限らずロックステディ、ルーツ、ステッパーズ、モダン・ダンスホール、UKダブステップなどさまざまな展開が望める。そしてもう一点好印象だったのが、キット内のファイル数が多く、メイン・テーマやフレーズはもちろん、シンプルなスカンク・リズムなどバッキングの役割のループも充実しているところ。フレーズに縛られずソウル、R&Bなどのどんな楽曲にもエッセンスとして放り込める。音質はハイファイで太く芯がありながら、程良くサチュレーションがかかっており、あまり手間をかけずとも曲になじんでくれる。ジャマイカンなサンプルはリリース自体少なく、なかなか当たりに出会えない中、間違いなく頼もしい武器になるだろう。

 

NISI-P

NISI-P

【Profile】1990年代初頭よりキャリアをスタート。Club Jamaica、X-stasyメンバー。武田真司、いしだ壱成等の参加するbig band night MC。2010年にはマーケットをヨーロッパに移しバイナルを多数リリース。
独自のスタイルがUKを中心に受け、10年間に渡りヨーロッパ・アジアのフェスティバルで活躍。
その間に自ら出演する「Outlook festival」を日本に持ち込み、国内にベース・ミュージックという言葉を広めた。現在はMINMI、NITRO MICROPHONE UNDERGROUND、S**T KING、JP THE WAVY、漢、Idなど国内アーティストのプロディースを行っている。

 

LOOPMASTERS
BLAST - SKA HORNS

3,850円

(2022年3月16日現在。為替レートによる価格の変動あり)

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▪メディア:ダウンロード販売 ▪容量:約1.66GB ▪データ・フォーマット:WAV