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JBL PROFESSIONAL Eon One MK2 レビュー:5chデジタル・ミキサーや充電池を備えるポーダブルPAシステム最新版

JBL PROFESSIONAL Eon One MK2 レビュー:5chデジタル・ミキサーや充電池を備えるポーダブルPAシステム最新版

 JBLは、1946年の創業以来スピーカー・システムの開発などを手掛ける大手ブランド。都内のライブ・ハウスでもJBL PROFESSIONALは高い導入率を誇り、“音響なんてやったことないよ!”という方でも、どこかでその名を見たり聞いたりしたことがあるのではないでしょうか? そんなJBL PROFESSIONALから、ポータブルPAシステムEon One MK2が発売。これがかなり多機能で、初心者から上級者まで、さまざまなシーンで活用できそうです。実際に操作して、その魅力を紹介していきましょう。

AC電源/バッテリー電源に応じてパフォーマンスを自動的に最適化

 Eon One MK2は、37Hzまでカバーする10インチ・サブウーファー、2インチ・ツィーターを8基備える高域用スピーカー・アレイ、6時間の再生が可能な充電式リチウム・イオン・バッテリー内蔵スペーサーの3つで構成。サブウーファーには1,500Wパワー・アンプ内蔵の5chデジタル・ミキサーを搭載し、最大出力レベルは123dBを誇ります。

 また、バリアブル・パワー・パフォーマンス技術を採用しているため、AC電源/バッテリー電源に応じてEon One MK2のパフォーマンスを自動的に最適化し、AC電源接続時には4dBのヘッドルームを確保します。重量は19.3kgで、大人が一人で持ち運べるくらいだと言えるでしょう。

 まずは組み立てですが、サブウーファーとバッテリー内蔵スペーサー、高域用スピーカー・アレイをつなぐだけの簡単設計。また高域用スピーカー・アレイとバッテリー内蔵スペーサーの間にコラム・スペーサーを差し込めば、2段階での高さ調節が行えます。最後に電源ケーブルを接続し、電源ボタンを押せばセットアップの完了です。

 なお、高域用スピーカー・アレイと2つのスペーサーは、取り外してサブウーファーの背面に収納できるので、コンパクトで持ち運びも簡単。充電すれば電源の無い場所でも使用できるので、屋外などへ持ち出すときにも安心です。

 次はリア・パネルに搭載された5chミキサーに、マイク/楽器類/音楽プレーヤーを接続します。上段には大き過ぎず小さ過ぎず、ちょうど良いサイズ感の液晶ディスプレイ、メイン・ボリュームと画面メニューを操作するMASTER/MENUノブ、各チャンネルのゲインやEQを調整する5つのノブ、下段には電源ボタンや2系統の端末充電用USBポート(Type-A)、スピーカー増設用のスルー・アウト(TRSフォーン)、3系統のマイク/ライン入力(XLR/フォーン・コンボ)、ライン/Hi-Z入力(フォーン)、AUX入力(ステレオ・ミニ)を装備。CH1とCH2は、48Vファンタム電源の供給が可能となっています。

本体上のパネル。写真上段には、左から液晶ディスプレイ、メイン・ボリュームと画面メニューを操作するMASTER/MENUノブ、前のメニューに戻るBACKボタン、クリップを検知したときに点灯するLIMITライト、CH1〜5のゲインやEQを調整する5つのノブを搭載。同下段には電源ボタン、端末充電用USBポート(Type-A)×2、スピーカー増設用のスルー・アウト(TRSフォーン)、マイク/ライン入力(XLR/フォーン・コンボ)×3、Hi-Z入力(フォーン)、AUX入力(ステレオ・ミニ)を備えている。なお、CH1とCH2では48Vファンタム電源の供給が可能となっている

本体上のパネル。写真上段には、左から液晶ディスプレイ、メイン・ボリュームと画面メニューを操作するMASTER/MENUノブ、前のメニューに戻るBACKボタン、クリップを検知したときに点灯するLIMITライト、CH1〜5のゲインやEQを調整する5つのノブを搭載。同下段には電源ボタン、端末充電用USBポート(Type-A)×2、スピーカー増設用のスルー・アウト(TRSフォーン)、マイク/ライン入力(XLR/フォーン・コンボ)×3、Hi-Z入力(フォーン)、AUX入力(ステレオ・ミニ)を備えている。なお、CH1とCH2では48Vファンタム電源の供給が可能となっている

 Eon One MK2はBluetooth接続によるワイアレス入力にも対応しているので、スマートフォンや音楽プレーヤーからBGMやカラオケ音源を流すこともできます。また、専用アプリJBL Pro Connect(無償)を使用すれば、スマートフォンやタブレット端末からEon One MK2のすべての機能やプリセットにリモート・アクセスすることが可能です。

AFSでハウリング・ポイントを自動計測&補正 内蔵DSPによる8バンド・パラメトリックEQ

 ここからは、肝心な音質面について。まずはEon One MK2とスマートフォンをBluetooth接続し、デフォルトの状態で幾つかの楽曲を流します。テストではポップスだけでなく、好奇心でドラムのみ流れる映画のサウンドトラックを聴いたり、電子ピアノを入力したりしてみました。

 最初の感想は“分離感がすごい!”です。電子ピアノでは、クリアでうるおいのある高域と迫力のある低域を確認。一つ一つの音が粒立って聴こえ、サウンドからは臨場感が伝わってきます。デフォルトの状態でこんなに音が整っているということは、そこから調整する手間も省けるため、世のPAにはうれしい限りです。

 では、本格的にサウンド調整をしていくにあたって機能面はどうなのか? まずは多くのPAが時間をかけたいチューニングについて。ハウリングしそうなポイントを探してEQでディップする作業ですが、Eon One MK2はDBXの独自技術、AFS(Automatic Feedback Suppression)というハウリング・ポイントを自動で計測/補正してくれる機能を搭載しているため不要です。“チューニングなんて分かんない!”というPA初心者の方もこれで助かりますね。

 EQについては、内蔵DSPによる8バンドのパラメトリックEQを搭載。さらに各入力チャンネルには4バンドのパラメトリックEQと3バンドのEQ(BASS/MID/TREBLEノブ)が備わっているため細かい調整も可能です。内蔵のEQプリセットも使いやすいので、初心者から上級者まで、それぞれに合った使い方でサウンドを追求できるでしょう。

 またEon One MK2はリバーブ/コーラス/ディレイ/エコーといった使用頻度の高いエフェクトも装備。センド&リターン設定をせず、すぐに使用できるため感覚的なミックスが行えます。また、演奏者側からのリクエストにもスピーディに応えられるでしょう。

 “PAシステム”と聞くと、イベント会場やライブ・ハウスにおいて、あらゆる機材が数多くの配線でつながれているというイメージが強いかと思います。これをシンプルに、そして誰でも手間をかけずに設置/操作できるのが、ポータブルPAシステムの長所です。今回紹介したEon One MK2は、そんなポータブルPAシステムの中でも、さらに“何もしなくても音が良い”という優れもの。可搬性に優れながらパワフルで、ユーザーの音作りにも柔軟に応えてくれます。演奏者によるセルフPAシステムとして導入しても非常に効果的でしょう。音楽ライブやトークショーなどのイベント、講演会など、あらゆるシーンに対応できるEon One MK2。設置スペースや機能面でお悩みの方にもおすすめの一台です。

 

ハタナカミホ
【Profile】ライブ・ハウス原宿ストロボカフェのPAエンジニアを務める。シンガー・ソングライター経験があり、自ら楽器演奏なども行う。また楽器店に勤務していた関係で、楽器や音響機器への造詣も深い。

 

JBL PROFESSIONAL Eon One MK2

オープン・プライス

(市場予想価格:158,000円前後)

JBL PROFESSIONAL Eon One MK2

SPECIFICATIONS
▪スピーカー構成:10インチ径ウーファー+2インチ径ツィーター×8 ▪最大出力レベル:123dB(AC電源使用時) ▪周波数レンジ:37Hz〜20kHz(−10dB)、45Hz〜20kHz(−3dB) ▪クロスオーバー周波数:230Hz ▪外形寸法:322(W)×550(H)×490(D)mm ▪重量:19.3kg

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