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PA&録音をカバーするデジタル・ミキサー「ZOOM LiveTrak L-12」

【Introduction】LiveTrak L-12早分かり!

ZOOMから8月に発売されたLiveTrak L-12は、カフェ・ライブなどの小規模PAからレコーディングまでに対応した12chのデジタル・ミキサーです。パネル上の操作子ですべてのコントロールを完結できるなど、特別なエンジニアリングの知識を持たない人にも扱いやすい設計であるほか、機能面も充実。チャンネル・コンプレッサー/EQやマルチエフェクトなどミキサーに欠かせない要素はもちろん、Mac/Windows/iOSをサポートするUSBオーディオ・インターフェースやマルチトラック・レコーダーまで搭載しているのです。本企画ではLiveTrak L-12の全体像を紹介するとともに、PA現場での使用レポートレコーディングにおける使用レポートを通して、多機能なデジタル・ミキサーとしての実力を検証。まずは企画のイントロダクションとして、LiveTrak L-12のスペックを見ていきましょう。

PANEL2

【SPECIFICATION】
■入力チャンネル:モノラル×8、ステレオ×2
■出力チャンネル:マスター、モニター×5
■チャンネル・プロセッサー:コンプ(モノラルのみ)、3バンドEQ、ローカット(75Hz、12dB/oct)
■エフェクト:全16種類、1系統
■外形寸法:445(W)×70.5(H)×282(D)mm
■重量:2.53kg(本体のみ)

直感的に扱える設計

LiveTrak L-12は、カフェ・ライブなどの小規模PAやバンドの録音などに向けたデジタル・ミキサー。サイズは445(W)×70.5(H)×282(D)mm、重量は2.53kg(本体のみ)と小型/軽量で、チャンネル数は12。メニュー画面内の階層を追って操作するような仕様ではなく、すべての機能をパネル上の操作子(フェーダーやボタン、ツマミなど)でコントロールできるため、エンジニアリングに詳しくない人でも簡単に扱えます。

また、Mac/WindowsコンピューターやiOSデバイスにUSB接続して使えるオーディオ・インターフェース(以下オーディオI/O)機能、別売のSDカードを本体にスロット・インしてマルチトラック録音できるレコーダー機能を搭載。自身で音源制作からPAまで行う人にふさわしく、ライブに対応したカフェやバーの常設ミキサーとしても有用です。

充実の内蔵プロセッサー

LiveTrak L-12にはモノラル・チャンネルが8つとステレオ・チャンネルが2つあり、前者はマイク/ライン・イン、後者はライン・インL/Rを備えています①②(詳しくは上の写真内①②を参照)。モノラル・チャンネルには“ZOOM史上最高性能”をうたうマイク・プリアンプがスタンバイし、低ノイズのクリアな音質を実現。モノラル・チャンネル1と2に関してはHi-Zボタンを備え、これをオンにするとエレキギターやベースを直接つなげられます。

また、すべてのモノラル・チャンネルはワンノブ・タイプのコンプレッサーを搭載するため、別途コンプレッサーを用意せずともボーカルなどを安定した音圧に整えることが可能各チャンネルには“SEL”というチャンネル選択用のボタンがあり、選んだチャンネルに3バンドEQやローカット、マルチエフェクト(リバーブやディレイなど全16種類)といった内蔵プロセッサーをかけられます④⑤

モニター・アウトを5つ装備

特筆すべきは、5つのモニター・アウト⑥。それぞれに個別のモニター・ミックス(返し)を送れるため、例えば“ボーカリストには歌を大きめに、ベーシストにはドラムを大きめに返す”といったことが可能。ヘッドフォンやインイア・モニターを接続することができます。

またモニター・アウトL/Rという端子も用意されており、ステージ両脇に設置したサイド・モニターなどを接続可能。客席向けのメイン・スピーカーには、マスター・アウトL/Rをつなぎましょう(パワード・スピーカーなら直接接続できます)。フェーダー位置やEQ、パン、ミュートなどの設定は9種類までシーンとして保存でき、いつでも呼び出せます

単体でもマルチトラック録音可能

演奏中のサウンドは、オーディオI/O機能を介してMac/Windows用のDAWソフト、またはAPPLE iPad用DAWアプリなどにマルチトラック・レコーディングすることが可能入出力数は14イン(各チャンネル+マスター)/4アウトで、対応ビット&サンプリング・レートは24ビット/44.1もしくは48kHzとなっています。

SDカードを併用するレコーダー機能は、最高24ビット/96kHzをサポート最大同時録音トラック数は44.1/48kHz時で14tr、96kHz時で12trです。サンプリング・レートの切り替えもリア・パネルのスイッチで行え、あくまで“パネル上に出ている操作子でコントロールできる設計”を貫いています 。

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【製品ページ】
ZOOM LiveTrak L-12