映像ディレクター川村ケンスケが試す アマナイメージズのサウンド&ムービー素材

皆さん、こんにちは。音楽ビデオ/CMディレクターの川村ケンスケです。この度、広告やテレビ番組などに向けて写真や動画の素材を提供しているアマナイメージズが、同社Webサイト(http://amanaimages.com/sound)で音素材の販売を始めました。本サービスは全25万点以上にも及ぶ豊富なラインナップと、その中から希望の素材を探し出せる優れた検索機能を特徴としています。また、購入した素材は自由に編集して使えます。本稿では、実際にアマナイメージズの音素材をダウンロードし、サウンドのクオリティとサービスとしての使用感をレポート。さらに、お気に入りの音素材を同社が販売している動画素材に合わせて、映像作品を作ってみます。

完成した動画がこちら!


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アマナイメージズの音素材厳選10本を、今だけ無料でダウンロード!


アマナイメージズの膨大なラインナップの中から特別に厳選した音素材を期間限定でご提供します!素材のクオリティを実際に体感してみてください。
下記ページより、利用規約と簡単なアンケートにお答えの上ダウンロードしてください。
(ダウンロード可能期間:2012年3月末日)ダウンロード受付は終了いたしました。ありがとうございました。

音素材は"楽曲"と"効果音"に分類
カテゴリー/タグによる高い検索性


僕は身の回りのものを素材に映像作品を作るのが好きで、GREAT3「QUINCY」のビデオ・クリップなど手近なサンプルだけで作った事例もあります。なので"アマナイメージズに用意された素材で、自由に作品を作ってください"と依頼を受けたときは、二つ返事で了承しました。しかもアマナイメージズは、自身の仕事でも使ったことのあるサービス。音素材の販売は同社の新規事業なので、新鮮な気持ちでアプローチできます。

アマナイメージズ
検索機能イロイロ!


アマナイメージズでは、さまざまな方法で音素材を探せる。以下は楽曲素材を検索し、サーチ結果を表示させた場面だ


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▲画像クリックで拡大


まずは、どんな音素材があるのか?ということでアマナイメージズのWebサイトにアクセス。音素材コーナーに入り、ごく簡単なメンバー登録(無料)で得られるID/パスワードを入力し、ログインします。本コーナーには、大きく分けて2種類の音素材がラインナップされています。数十秒〜数分といった尺の楽曲と、数十秒前後の効果音です。共に500円からという使いやすい価格で提供されている上、JASRACフリーなので著作権の利用許諾申請が不要です。各素材群からは、主に"カテゴリー" "キーワード"という2種類の検索エンジンを使い、好みのものを探せます。 楽曲素材は"ジャズ"や"テクノ"......さらには"ループ"といった計29種類のカテゴリーに分類されており、カテゴリー検索から望む作風の楽曲を探せます。また、2つ以上のカテゴリーから同時にサーチすることも可能。さらに、各素材にはさまざまな言葉がタグ付けされているので、キーワード検索を使えば任意の言葉で素材を探せます。例えば"自然"という言葉で楽曲検索します。するとヒットした素材には、"アンビエント"や"穏やか" "切望"といった言葉も一緒にタグ付けされています。初めは"どんな言葉で検索すれば良いのか?"と迷いましたが、どんな音にどんなタグが付いているのかを把握できるようになると、素材探しがさらに効率化できそうです。またヒットした音素材は、インターネットでの音楽鑑賞に慣れた人が思わず"おっ!"と、うなるであろう形式で表示。各素材の波形が閲覧できるのです。例えば、効果音には雷の素材だけでも782点が用意されています。膨大なストック量ですが、波形が見えることで逐一試聴せずとも"一瞬ドカンと来る雷だな!"とか"長い間、鳴り響く雷鳴だ"といった音素材の概要が分かるわけですね。そのほか、検索された音素材には作品番号や権利種別、"どのカテゴリーに属するのか"といった情報も記載されています。

現代的な曲調の楽曲やループ素材を用意
購入した素材は自由に編集可能


それでは楽曲の素材を聴いてみます。ん〜、今ドキな感じですね! ストリーミングがスムーズなので、サクサク聴けます。3分以上というポップス的な尺を持つものも多く、つい聴き込んでしまいます。映像を喚起させる楽曲も用意されており、CD10枚組などで販売されている"権利処理済み音楽集"といった音源とは一味違います。いろいろと試聴した結果、「Early Old」という楽曲を使うことに決定。"インダストリアル"というカテゴリーに属する作品です。また、気になる"ループ"というカテゴリーで「Drum 2-step」と冠された素材群を発見。それぞれにBPMが表記されているので、音声のタイム・ストレッチができない映像ソフトでも扱いやすいでしょう。そのほか、"アンビエント" の素材もダウンロードしました。サウンドから映像をイメージするという手順は、スタンダードな映像制作法とは逆の流れだと思いますが、今回は音が主役!ということで、このワークフローで作品を作っていきます。ちなみに、世の中には曲から映像をイメージした音楽ビデオが存在します。ダヴズ「ゼア・ゴーズ・ザ・フィアー」はその一例。本作は曲から絵コンテを発想し、それに合うイメージを膨大な映像アーカイブの中から探し出すという方法で作られたそうです。前述の通り、僕は以前からアマナイメージズを使っていたので、このWebサイトには音だけでなく高品質な動画/写真素材がそろっていることを知っています。まさに、ダヴズ的なスタイルで作品を作ることができそうですね。今度は動画コーナーで映像素材を検索。こちらも音素材と同様に、カテゴリーとキーワードでサーチできます。膨大なストックから、都市の空を雲がスピーディに流れていく素材と、高速道路をヘッド・ライトが流れる映像を選択。これらを切り刻み、楽曲のビートに乗せる方向性です。 実際に作品作りを進めていくと......「Early Old」に「Drum 2-step」などのループ・ビートを組み合わせたり、ノン・ビートのアンビエント・フレーズを重ねるうち、いつの間にか音の編集に没頭していました。それくらい良い感じの音素材なんだなと、またここで深く納得したわけです。1つのWebサイトで音と動画を簡単に探せるとなると、"イチから素材を仕込まなくても良いのでは?"という気さえしてきます。最近では撮影を一切行わず、サンプル素材などのみを用いて映像作品を作るプロダクションも現れ始めているので、そういった方々にも向きそうですね。アマナイメージズは、映像制作のワークフローを変革する可能性を秘めているのではないでしょうか。 

川村ケンスケ


音楽ビデオ/CMディレクター。これまで安藤裕子やクラムボン、桑田佳祐、フィッシュマンズといったアーティストのミュージック・ビデオのほか、カネボウやサントリー、ニコンなど大手企業のテレビCMを数多く手掛けてきた。また映像制作チームKampsiteで、音楽関連動画の制作/配信にかかわるなど、Web方面の仕事にも積極的。映像制作会社GOISに所属

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