スウェーデンのプラグイン/ハードウェア・ブランドSOFTUBE新製品発表会レポート

エムアイセブンジャパンはプラグイン/ハードウェア・ブランドであるSOFTUBEのディストリビューションを開始した。それに合わせ、5月18日東京・赤坂m-Ex Loungeにてディーラー/プレス向けのSOFTUBE新製品発表会を開催。SOFTUBEマーケティング・マネージャーのヘンリック・フォーゲル氏とマーケティング・ストラテジストのジョー・ロートン氏が自社のバック・グラウンド、新製品についてのプレゼンテーションを行った。

SOFTUBEは、2003年に創業のスウェーデンのリンショッピングを拠点とした、スタッフ14名の少数精鋭のメーカー。ギター・アンプのエミュレート製品からはじまり、多くのオーディオ・メーカーにモデリング技術を提供している。最新のコラボレーションでは、MARSHALL AMPのCodeシリーズのAmplifierのDSPや、UNIVERSAL AUDIOのUADプラットフォームで動作するプラグインなどがある。

SOFTUBEのプラグイン製品の特徴は、フィジカル・モデリングをゼロから設計し、本物のハードウェアを忠実に再現している点だ。パートナーシップを組むメーカーからの評価も高く、多くの世界的に有名なアーティストやプロデューサーにも使用されている。

▲マーケティング・ストラテジストのジョー・ロートン氏。SOFTUBEのバックグラウンドについて語った

SOFTUBEのディストリビューションを開始するエムアイセブンジャパンの国内発売、第1弾となるのが、SOLID STATE LOGIC公認のミキシング・ソリューション、“Console 1”だ。SSL SL4000 Eのチャンネル・ストリップをモデリングしたプラグインと専用コントローラーがバンドルされている。

6 ▲ Console1

また、SSL XL 9000 K-Seriesのチャンネル・ストリップ・プラグインをバンドルした日本限定スペシャル・パッケージも発売。

8 ▲Console 1 + SSL XL 9000 K

有名なブリティッシュ・コンソールをモデリングした“British Class A”のリリースも予定している。

9 ▲British Class A

ヘンリック・フォーゲル氏は、デモ曲を再生しながら3つのコンソールを切り替え、音の違いを披露してくれた。「SL4000 Eはアナログ・ライクなサウンドなのでロックやポップに最適で、XL 9000 Kは非常にクリーンなのでクラシックやアコースティック向き、そしてBritish Class Aはイギリスで60〜70年代に使われていたコンソールのファットなサウンドが楽しめます。」とヘンリック・フォーゲル氏が言うように、確かに、それぞれのコンソールの音質の違いがわかる。

7 ▲すべてフラットなEQにした状態のそれぞれのコンソールの音の違いを確認したいという会場からのリクエストにも応えてくれた。BritishはEQをフラットにしてもフラットな音質にならない実機の特性まで忠実に再現されていた

今後、Console 1とStudio One 3.2の連携が強化される予定で、コントローラーのセレクトボタンを押すとStudio Oneのトラック・セレクトも追従し、各トラックのボリューム、ソロ/ミュート、センド・レベル・コントロールを行うことができる。これはStudio Oneユーザーにとってうれしいフィーチャーなのではないだろうか。

そして、もう1つ国内発売を控えているのが、“Modular”。これは名前の通り、ユーロラック・タイプのモジュラー・シンセをモデリングしたバーチャル・インストゥルメントである。

世界的なムーブメントになっているユーロラック・モジュラー・シンセサイザーをソフト化にすることで、コストを抑えてより多くの人にモジュラー・シンセを学んで欲しいというコンセプト”により開発されたという。そのために付属しているマニュアルにはパッチの作り方が詳細に書かれており、チュートリアル・プリセットをロードして説明書を見ながら学ぶことができる。

4 ▲SOFTUBE「Modular」。Doepferモジュール6基とユーティリティー・モジュールが20基標準装備。Intellijelモジュールはオプション。そのほかの追加モジュールも予定している

Modularには、Doepferモジュールを忠実に再現した6基、MIDI TO CVなどのユーティリティ・モジュールが20基が標準搭載。オプションでDoepferの追加モジュール、INTELLIJELモジュールが用意されている。これらのモジュールもそれぞれのメーカーの正式な許可を得てエミュレートされているので、回路図レベルの正確なモデリングが可能。そのため音や、モジュールの振る舞いもほぼ完璧に再現している。これらはSOFTUBE創立メンバーのオスカー氏とクリストファー氏がモジュラー・シンセ・フリークであったことで、メーカーとの信頼関係を築けたからこと実現したのだという。今後もその他、多数のモジュールが追加予定しているとのこと。

また、SOFTUBEのドラム・シンセ「Hearbeat」オーナーはHeartbeatのドラム・チャンネルとEQの各モジュールを無償でロードすることができる。

さらに、今後、ROLI Seaboard Riseの専用モジュール for Modularも予定しており、Seaboard Riseの5次元コントロールを使ってModularをコントロールすることが可能になるという。

3 ▲SOFTUBEマーケティング・マネージャーのヘンリック・アンダーソン・フォーゲル氏。各製品の説明を行った

発表会終了後、ヘンリック・フォーゲル氏とジョー・ロートン氏にインタビューを行った。この模様は次号サウンド&レコーディング・マガジン2016年8月号に掲載予定。

10 ▲発表会では語られなかった興味深い話を伺うことができた。

製品情報

Console 1(SSL SL4000 E標準装備)

オープンプライス(市場予想販売価格 74,800円)

Console 1 + SSL XL 9000 K(日本特別バンドル)

オープンプライス(市場予想販売価格 94,800円)

SSL XL 9000Kプラグイン

オープンプライス(市場予想販売価格 29,800円)

British Class Aプラグイン

オープンプライス(市場予想販売価格 24,800円)

Modular(Doepferモジュール x 6基を含む)

市場予想販売価格 8,800円(プロモ価格)、9,900円(通常価格)

追加モジュール

市場予想販売価格 3,900円(プロモ)、4,900(通常価格)

Softube 日本語ポータルサイト

www.mi7.co.jp/softube/