PA(Public Adress)とは、音を拡声して伝えることを指します。PAをするには、スピーカーだけでなく、音量や音質を調整するミキサーや、信号を増幅するアンプも必要。セットアップが難しいイメージがあるかもしれません。しかし、ミキサーとアンプを内蔵した“オールインワンPAスピーカー”というものもあります。モデルによっては、スマホやタブレット端末から遠隔操作するといったことも可能! ここでは、セルフPAで手軽に演奏を披露したい方に向けて、オールインワンPAスピーカーの選び方のポイントとおすすめ製品を紹介します。
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こんな方は要チェック!
✓ ストリートライブがしたい
✓ 手軽にセルフPAをしたい
- オールインワンPAスピーカー選び方のポイント
- Bose S1 Pro+
- JBL IRX ONE
- YAMAHA STAGEPAS 100 / STAGEPAS 200
- サンレコ・ビギナーズ|音楽制作に役立つ初心者ガイド
オールインワンPAスピーカー選び方のポイント
1. 用途と必要なチャンネル数を確認
入力数は、マイク/ライン入力は2ch以上、Bluetooth対応などのライン入力を含めて3ch以上あるとよいでしょう。マイク2本のトーク+BGMでも、ギターとボーカルの弾き語りにも対応できます。ギターを直接つなぎたい場合は“ハイインピーダンス入力”に対応しているかもチェックしてください。また“ミキサー出力に対応しているか”“スタンドに立てて使えるか”“バッテリー駆動が可能か”も考慮にいれると、活用の範囲が広がります。
2. 内蔵エフェクトや操作性で選ぶ
弾き語りやカラオケなどに使うならリバーブは必須かと思います。また、Bluetoothで接続できる専用アプリが用意されているものが多いですが、アプリがつながらない場合を考慮して、実機での操作が煩雑ではないものの方がよいでしょう。アプリでの操作が実機のツマミなどに反映されないものは、変えたまま元に戻さずに使っていても、気が付かない場合がありますので要注意です。
解説:山寺紀康
「オールインワン・タイプのPAスピーカーにはEQが付いていることが多いですが、まずは使わずに好みの音が出るものを選ぶ方がより良いと思います」
【Profile】PAエンジニア。40年のキャリアを持ち、現在も新谷祥子、磯貝サイモン、井上苑子、武藤彩未などのPAを担当。ライブハウスからアリーナまで多様な現場をこなしてきた。現在は、尚美学園大学情報表現学科で教授を務めている
※記載されている製品価格はすべて2023年12月13日時点の税込み価格です。
Bose S1 Pro+
専用トランスミッターでマイクや楽器の音をワイヤレスで鳴らせるPAシステム
S1 Pro+は、スピーカー+ミキサーにワイヤレスレシーバーを内蔵したPAシステム。XLR接続タイプと、フォーン接続タイプが用意された別売りのトランスミッター(各26,400円)を楽器やマイクに接続することで、S1 Pro+に音を飛ばして鳴らすことができる。トランスミッターは本体に収納し、充電やレシーバーとのペアリングも行える。また、別途Bluetoothオーディオにも対応する。本体のXLR/TRSフォーンコンボ入力×2、TRSフォーンAUX入力、3.5mm AUX入力を用いて有線接続も可能だ。出力はXLRライン出力が用意されている。
3チャンネルミキサーは、チャンネルごとの音量、高音、低音調節、使用する楽器に特化したBose独自の音質調整機能であるToneMatch、チャンネル1と2のリバーブ設定などが行える。これらは、専用スマートフォンアプリでのワイヤレスコントロールも可能だ。33.2(H)×23.8(W)×27.9(D)cm、6.5kgと可搬性に優れ、縦置き、横置き、傾け置き、スタンドマウントと、フレキシブルに設置可能。いずれの置き方でもオートEQが傾きを感知して音質を自動調整してくれる。
内蔵のリチウムイオンバッテリーの充電は、本体をAC電源につなげば自動的に行われ、標準的な音量で本体は11時間、トランスミッターは4時間のバッテリー駆動が可能としている。
JBL IRX ONE
音を鳴らすために必要なスピーカーとミキサー、パワーアンプをまとめたPAシステム
IRX ONEは、2インチツィーター×6基、8インチウーファー、3チャンネルミキサー、1,300Wのパワーアンプから成るオールインワンのPAシステム。
ツィーターは、コンサート会場などに設置されるラインアレイから着想を得た分散角度コントロールを採用しカスタムチューニングされたC型アレイで、豊かな明瞭度、広いスイートスポット、シームレスなカバレージを実現。ウーファーはバスレフ設計で、40Hzまでの低域レスポンスを確保している。
3チャンネルミキサーは、マイク/ライン入力2系統とHi-Z入力1系統を備え、個別にゲイン、2バンドEQ、レベル調整が可能。出力にはシステムの拡張に便利なミックスアウトを備えている。ファンタム電源に対応しているためコンデンサーマイクも使用できる。Bluetooth 5.0のレシーバーを内蔵しており、スマホやタブレットからワイヤレスで音楽再生を行うことも可能。ハウリングを抑えるAFS機能、ワンボタンでBGMの音量を下げるダッキング機能も便利だ。CAFE、SPEECHなど5種類のEQプリセットも用意されているので、用途に合わせて即座に音作りが行える。
15.5kgと軽量で、1人でも持ち運べ、セッティングも容易なので使いたい場所に運んですぐに音を出せるだろう。JBLが実施する100時間ストレステストをクリアし、耐久性も申し分ない。
YAMAHA STAGEPAS 100 / STAGEPAS 200
コンパクトながら高い音圧と音質を備えるポータブルPAシステム2モデル
コンパクトな筐体で可搬性に優れたポータブルPAシステムYAMAHA STAGEPASシリーズ。
STAGEPAS 100は、239(W)×310(H)×215(D)mm、約5kgの筐体に6.5インチウーファー+コンプレッションドライバーによる2ウェイ同軸スピーカーを搭載。そのサイズからは想像できないような音圧と正確な位相特性、自然な高域の分散を実現している。3チャンネルデジタルミキサー、持ち手を兼ねるスタンドも装備。最大6時間の連続動作が可能なリチウムイオンバッテリーを内蔵したSTAGEPAS 100BTRも用意されている。
一方のSTAGEPAS 200は、300(W)×308(H)×301(D)mm、約12kgの筐体に8インチウーファー+コンプレッションドライバーによる2ウェイ同軸スピーカーを搭載。計180Wレンジのバイアンプ方式によりクラス最高レベルの音圧と音質を実現している。本体を30°または60°の角度で傾けることが可能。5チャンネルのデジタルミキサーを内蔵しており、うち3チャンネルはマイクプリアンプを搭載。モノラルインプットチャンネルにはそれぞれに“1-Knob”コントロール機能を備え、直感的な操作で音作りが行える。こちらも最大10時間の連続動作が可能なリチウムイオンバッテリーを内蔵しSTAGEPAS 200BTRが用意されている。
サンレコ・ビギナーズ|音楽制作に役立つ初心者ガイド
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