MIDIキーボード/コントローラー 選び方のポイント&おすすめ製品カタログ

MIDIキーボード/コントローラー選び方のポイント&おすすめカタログ

DAWソフトが入ったパソコンさえあれば、マウスとキーボードで音楽は作れますが、MIDIキーボード/コントローラーを使えば、もっと直感的に曲作りができます。鍵盤タイプ、パッドタイプ、フェーダーやノブのみのタイプなど形状もさまざま。ここでは、選び方のポイントと、おすすめ製品を紹介します。

 こんな方は要チェック! 

✓ 直感的に制作したい
✓ ソフト音源やサンプル素材を使って演奏したい
✓ スピーディに作業したい

MIDIキーボード/コントローラー選び方のポイント

1. 設置場所に合うサイズ感を確認

 MIDIキーボード/コントローラーを使えば、作曲のスピードが速くなるだけでなく、和音を考えやすくなり、さらにはミスタッチや即興から偶発的に着想を得ることもできます。いわば“体で考えるための道具”と言えるでしょう。ここでまず重要となるのが、“どこに設置するのか”。MIDIキーボード/コントローラーは単体で音は出ませんが、楽器と一緒です。すぐに手を伸ばせる場所に置いておかないと使わなくなり、作曲自体をやめてしまうことにもつながりますので、まずは設置場所を決めて、サイズ感をイメージした状態で購入する機種を探しはじめてください。

2. 鍵盤演奏の経験は?

 まったく鍵盤に触ったことがない方がMIDIキーボードを使って作曲をしたい場合は、ノートパソコンとUSBケーブル1本でつなげることができ、電源も不要のミニ鍵盤を選ぶのが良いでしょう。持ち運びが簡単で安価な割に、付属ソフトも充実している場合が多く、作曲を始めるにはピッタリの選択です。鍵盤演奏にある程度親しんだ方であれば、フルサイズのオルガン鍵盤、またはピアノタッチ鍵盤を選ぶと、作曲するときにストレスがないと思います。もし、電子ピアノや電子オルガン、ステージキーボードなどをすでに持っているのであれば、本体のUSB-MIDI端子とパソコンをつないで使うのも良いでしょう。その場合は、フェーダーやノブだけのMIDIコントローラーを追加すると、プラグインを操作するのに便利です。

3. 作りたい音楽の種類で選ぶ

 “どんな曲を作りたいか”でも、選ぶコントローラーは変わってくると思います。例えば、サンプリングやループを組み合わせたビートメイキングをしたい方は、鍵盤よりもパッドタイプのコントローラーを使用するのが良いでしょう。スケール演奏機能やコードメモリー機能などの便利機能を備えたものもあるので、ベースラインなども直感的に作ることができます。それ以外で、コードとメロディが重要になる楽曲が作りたい場合には、まずは鍵盤タイプのMIDIキーボードを選ぶとよいと思います。

 

解説:ナカシマヤスヒロ

ナカシマヤスヒロ

「DAWを楽器に変えてくれるのがMIDIキーボード/コントローラーです。音楽的な感覚を養うためにも、ストレスが少なく体に合ったものを選んでほしいと思います」

【Profile】作曲家。映画音楽やゲームに影響を受け、独学で作曲を始める。近年はトヨタやアストンマーティンなど国内外の企業のCM音楽を手掛け、日本にいながら世界を舞台に活躍を続けている。

 

※記載されている製品価格はすべて2023年12月13日時点の税込み価格です。

ARTURIA KeyLab Essential mk3 Series

ARTURIA KeyLab Essential mk3 Series

KeyLab Essential 49 mk3:39,600円、KeyLab Essential 61 mk3:49,500円

音楽制作に必要な機能を網羅的に搭載。設定不要で主要DAWをコントロール可能

 KeyLab Essential mk3シリーズは、音楽制作に必要な機能を網羅的に備えたMIDIキーボード。49鍵モデルと61鍵モデル、それぞれにホワイトとブラックをラインナップしている。

 8つのパッドと9本のフェーダー、2.5インチ液晶ディスプレイを搭載し、その他ツマミやスイッチ、ホイールと併せて直感的な操作性を提供する。Image-Line FL Studio、Apple Logic Pro、Ableton Live、Steinberg Cubase、Bitwig Studio用のカスタムDAWスクリプトを備えているので、これらのDAWユーザーは、設定作業なしに制作を始められるのも魅力だ。MCU/HUIコントロールにも対応する。

 また、ビンテージシンセをはじめとする数千種類のプリセットを内蔵したARTURIAのソフトシンセAnalog Lab Proがバンドルされており、サウンドの選択からプリセットのブラウズ、各種コントロールまでがシームレスに行えるよう設計されている。そのほか、DAWのAbleton Live Lite、Native Instrumentsのピアノ音源THE GENTLEMAN、UVIのピアノ音源Model D、サンプル集Loopcloudの2カ月間の無料サブスクリプション+1GB分のウェルカムパック、キーボードの演奏が学べるサービスMelodicsの無期限トライアルサブスクリプションも付属されている。

ARTURIA MiniLab 3

ARTURIA MiniLab 3

24,200円

 MiniLab 3は、25鍵のスリムキーボードと8つのパッド、8つのツマミ、4本のスライダーを搭載したMIDIキーボード。ミニディスプレイとクリック可能なブラウジングノブにより操作時のリアルタイムなビジュアルフィードバックを実現している。1.35kgと軽量で、日常使いのバッグにも入るコンパクトさが魅力。主要DAWに対応するカスタムスクリプトを備え、プラグ&プレイですぐに音楽制作を始められる。また、DAWのAbleton Live Liteのほか、ARTURIA Analog Lab Introなどのソフト音源も付属される。ホワイト、ブラックをラインナップ。

ESI Xjam

ESI Xjam

オープンプライス(市場予想価格/24,200円前後)

 Xjamは、16個のアフタータッチ付きパッドと6個のエンドレスエンコーダーから成るMIDIコントローラー。Mac、Windows、iPadに対応したエディターソフトを付属し、さまざまなMIDI情報をコントロール可能。TRS-MIDI端子も装備しているので、パソコンだけでなく外部のMIDIデバイスへのMIDI送信も可能だ。主要なDAWをサポートする上、BITWIG Bitwig Studio 8-Track、Steinberg Cubasis LE、WaveLab LEもバンドル。バスパワーおよびUSB電源のみでも駆動し、頑丈なアルミボディによる薄型設計で、モバイルユースにも適する。

Hercules DJCONTROL INPULSE T7 / DJCONTROL INPULSE 500

Hercules DJCONTROL INPULSE T7 / DJCONTROL INPULSE 500

オープンプライス(市場予想価格/DJCONTROL INPULSE T7:129,800円前後、DJCONTROL INPULSE 500:59,800円前後)

 フランスのDJ機器ブランドHerculesのDJコントローラー。DJCONTROL INPULSE T7は、モーターで回転する7インチのプラッター、さらにスリップマットやレコード盤も付属することによってアナログターンテーブルの操作感を忠実に再現したモデル。一方のDJCONTROL INPULSE 500はオーソドックスな2チャンネルコントローラーだ。共に格納式の脚を備え、本体を8cmリフトアップできるのも特徴。本体下にケーブルを通したり、こぼれた飲み物から本体を守ったりできる。リフトアップ時には底面がバックライトで照らされる

NATIVE INSTRUMENTS KOMPLETE KONTROL M32

NATIVE INSTRUMENTS KOMPLETE KONTROL M32

オープンプライス(市場予想価格/17,100円前後)

 KOMPLETE KONTROL M32は、標準32鍵仕様のMIDIキーボード。8つのタッチセンサー式コントロールノブにはソフト音源KOMPLETEと、NATIVE INSTRUMENTSのフォーマットである“NKS”に対応したプラグインの主要なパラメーターが、あらかじめマッピングされている。100種類以上のスケールやモードを白鍵のみで演奏したり、コードやアルペジオを1つの鍵盤で演奏したりできるSMART PLAY機能も搭載している。視認性の高い有機ELディスプレイでナビゲーションも容易。検索中のサウンド、調整中のパラメーターをリアルタイムで確認できる。

NATIVE INSTRUMENTS MASCHINE MIKRO MK3

NATIVE INSTRUMENTS MASCHINE MIKRO MK3

オープンプライス(市場予想価格/35,699円前後)

 MASCHINE MIKRO MK3は、MASCHINEソフトウェアと組み合わせてビートメイキングや作曲、演奏が行えるパッドコントローラー。コンパクトボディに16個の大型パッドを備え、ドラムビートに特化し、キックやスネア、その他のサウンドに応じてカラーコーディングされるPad mode、パッドでメロディをプレイできるKeyboard mode、コード進行を容易に作り出すことができるChord mode、16のパッドを使ってステップシーケンサーとして使うStep modeを備えている。人気シンセMASSIVEほか、音源も豊富にバンドルされている。

NOVATION LaunchKey Mini MK3 / 25 / 37 / 49 / 61 / 88

NOVATION LaunchKey Mini MK3 / 25 / 37 / 49 / 61 / 88

オープンプライス(市場予想価格/LaunchKey Mini MK3:17,820円前後、LaunchKey 25:28,050円前後、 LaunchKey 37:31,900円前後、LaunchKey 49:37,400円前後、LaunchKey 61:44,880円前後、LaunchKey 88:63,800円前後)

ミニ25鍵のコンパクトモデルからセミウェイテッド88鍵までそろうMIDIキーボード

 豊富なラインナップがそろうNOVATIONのMIDIキーボード、LaunchKeyシリーズを紹介しよう。最もコンパクトなLaunchKey Mini MK3はミニ25鍵仕様。バッグに入れて持ち運べるサイズながら、DAWソフトを使用した音楽制作に必要な機能を備える。

 メロディやリズムを生み出す際のインスピレーションとなるアルペジエイターや、ビートの入力に便利な16個のパッドを搭載。DAWのコントロールにおいては特にAbleton Liveと強い連携が図られており、マウスなしであらゆる操作が可能となっている。Ableton Live以外にも、steinberg Cubase、Apple Logic Pro、Reason Studios Reasonなど主要なDAWには高い精度で機能統合されており、PreSonus Studio One、Avid Pro ToolsではHUIを利用してのコントロールも可能だ。ユーティリティソフトComponentsを使えば、パソコンの画面を見ながらより複雑な設定も行える。

 ラインナップは、標準鍵盤タイプとして25鍵のLaunchKey 25のほか、さらに多くの鍵盤数とフェーダーやボタンを求めるなら37鍵のLaunchKey 37、49鍵のLaunchKey 49、61鍵のLaunchKey 61がスタンバイ。そのほか、セミウェイテッド鍵盤のセミウェイテッド鍵盤の88鍵で一味違う演奏体験が得られるLaunchKey 88もラインナップしている。

NOVATION LaunchPad Mini MK3 / LaunchPad X

NOVATION LaunchPad Mini MK3 / LaunchPad X

オープンプライス(市場予想価格/LaunchPad mini MK3:17,380円前後、LaunchPad X:30,580円前後)

 Ableton LiveおよびApple Logic Proを使った制作/演奏に必要な機能を搭載するNOVATIONのパッドコントローラー、LaunchPadシリーズ。LaunchPad Mini MK3は180mm角と小型であることが特徴で、持ち運びにも適している。一方LaunchPadXは、240mm角で一回り大きいタイプ。“LaunchPad史上最も演奏性能が高い”とされるグリッドによってスムーズなパフォーマンスを提供してくれる。共に、Ableton Live Lite、XLN Audio AddictiveKeys、AAS Session BundleといったDAWやソフトウェア音源がバンドルされている。

NOVATION FLKey Mini / 37 / 49 / 61

NOVATION FLKey Mini / 37 / 49 / 61

オープンプライス(市場予想価格/FLKey Mini:17,820円前後、FLKey 37:31,900円前後、FLKey 49:37,400円前後、FLKey 61:44,880円前後)

 FLKeyシリーズは、Image-LineのDAW、FL Studioに最適化されたMIDIキーボード。ミニ25鍵のFLKey Mini、標準37鍵のFLKey 37、標準49鍵のFLKey 49、標準61鍵のFLKey 61が用意されている。パッドをステップシーケンサーにマッピングしたり、8つのツマミを使ってミキサーレベルやオートメーションの調整を行ったりできる。FLKey Mini以外にはコードモードが搭載されており、コードを指一本で演奏でき、壮大なハーモニーや新しいサウンドを素早く見つけられる。FLStudio Producer Editionの6カ月無料トライアルも付属する。

PreSonus FaderPort

PreSonus FaderPort

オープンプライス(市場予想価格/33,000円前後)

 FaderPortは、100mmストロークのタッチセンシティブモーターフェーダーや多数の機能をカバーする各種ボタンを、デスクに収まるコンパクトなシャーシに統合したMIDIコントローラー。再生/停止/早送り/早戻し/録音/ループなどのトランスポートコントロール、トラックスクロール、チャンネルバンキング、タイムラインスクロール、水平ズーム、垂直ズームなどのナビゲーションコントロールを集約的に提供する。PreSonusのDAW、Studio One Artistがバンドルされるので、FaderPortを用いた効率的なワークフローで即座に制作が開始できる。

Studiologic Numa Compact 2 / Numa Compact 2x / SL73 Studio / SL88 Studio

StudiologicNuma Compact 2 / Numa Compact 2x / SL73 Studio / SL88 Studio

オープンプライス(市場予想価格/Numa Compact 2:79,750円前後、Numa Compact 2x:112,750円前後、SL73 Studio:77,000円前後、SL88 Studio:81,950円前後)

 イタリアで鍵盤を製作するメーカーFATARが手掛けるブランド、Studiologicのキーボードを紹介しよう。Numa Compact 2は、スピーカー内蔵で7.1kgとクラス最軽量、さらにコンパクトサイズを誇る88鍵盤ステージピアノ。9本のドローバー搭載に加え、サウンドエンジンを増強したNuma Compact 2xもラインナップしている。SL73 Studioは77鍵のMIDIキーボード。ハンマーアクション、3コンタクトスイッチ、アフタータッチ対応の鍵盤を採用。88鍵モデルのSL88 Studioも用意されている。

XKEY Xkey 37 / Xkey Air

XKEY Xkey 37 / Xkey Air

オープンプライス(市場予想価格/Xkey 37:28,600円前後、Xkey Air 25鍵:28,600円前後、Xkey Air 37鍵:42,900円前後)

 Xkey 37は、コンパクトな筐体にフルサイズ鍵盤を備えた37鍵MIDIキーボード。スタイリッシュなボディはアルミ製で、薄さ16mmながら頑丈に仕上がっている。MIDIケーブル出力、サステインベダル入力、エクスプレッションペダル入力を接続可能なXケーブルを付属する。鍵盤ごとのベロシティカーブなど詳細な設定はMac/Windows/iPad用アプリXkey Plusで行える。一方のXkey AirはBluetoothでワイヤレス接続が可能なモデルで、25鍵と37鍵をラインナップ。最大10時間使用可能なバッテリーを備え、モバイルユースでの利便性も高い。

サンレコ・ビギナーズ|音楽制作に役立つ初心者ガイド

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