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ガレバンをポン出しマシンにする〜阿瀬さとしのGarageBand道場

GarageBand道場 第1回 ヘッダー

 作曲家/ギタリストの阿瀬さとしです。3月20日に著書『GarageBandで遊ぼう!』が発売されました。本を書いてからは仕事でガレバンも使うようになりました。そのプロセスでまた新たな使い方を発見できたりしています。それらの実践的な使い方や本で触れた内容をさらに深く掘り下げて解説していきます。今回はLIVE LOOPSを深く見ていきたいと思います。

誰でも曲作りができるLIVE LOOPSをポン出しに

GarageBandのLIVE LOOPS

LIVE LOOPS

 LIVE LOOPSは、セル(マス)に用意された音楽フレーズやループを自由に組み合わせて楽曲を構築できる機能です。『GarageBandで遊ぼう!』の第1章では、全く音楽制作をしたことがない人でも曲が作れる機能として紹介しました。

 実はちょっと工夫をすると、効果音などのポン出しマシンとしても使えます。演劇やお笑いのライブステージはもちろん、配信の効果音やBGM出しなどでも活用できそうです。ここではオーディオ素材(青いセル)に限定して話を進めます。

たたいたタイミングで即座に再生する設定

 こうした設定に使うのは、ループの「設定」です。画面右下をタップしてループの編集モードに入ります。編集したいループのセルをタップし、「設定」を選びます。

セル編集モード

セル編集モード

 まず注目したいのは「クオンタイズ開始」

クオンタイズ開始

クオンタイズ開始

 標準では「グローバル」、つまりソングの設定に合っていて「1小節」など一定のタイミングでループの再生が切り替わるようになっています。ですので、フレーズが切り替わる少し前に次のセルをタップしても、タイミングはきちんとそろって再生されます。

 しかし、そのタイミングとは関係なく鳴らしたい場合は「クオンタイズ開始」をオフにします。するとタップした瞬間に即再生できるようになります。

「クオンタイズ」を「オフ」にすると、セルをタップした瞬間に再生が開始される

「クオンタイズ」を「オフ」にすると、セルをタップした瞬間に再生が開始される

 

ループ素材を「ループ再生させない」

 同じように「設定」の中には「ループ」というスイッチがあります。これは繰り返し再生するか/させないかの設定です。

「ループ」のオン/オフ

「ループ」のオン/オフ

 通常はループはオン=繰り返し再生になっていますが、効果音などをループさせたくない場合はオフにしましょう。セル内のビジュアル表示にもこの設定が反映されて、ループがオンだと円形表示ですが、ループがオフなら横に伸びた形になります。

ループのオン/オフがセルの波形に反映される

ループのオン/オフがセルの波形に反映される

 このループ=オフ設定は、LIVE LOOPSで演奏したりDJ的なプレイをする際、縦1列にループをオフにしたセルを仕込んでおいて、エンディングで使用するといった使い方もできると思います。

エンディングのセルの列だけループをオフにすると、自動的に再生が止まる

エンディングのセルの列だけループをオフにすると、自動的に再生が止まる

効果音の連打もできる「再生モード」

 次は「再生モード」です。セルをタップした時の挙動を下記の3つを選べます。

「再生モード」の設定

「再生モード」の設定
  • 再生/停止 タップして再生。もう一度タップして停止
  • 押さえている間再生 指を離すと再生が止まります
  • 再トリガ 再生中のセルをタップすると最初から再生

 通常は「再生/停止」で、再生を止めるタイミングを決めたいものはこれがよいでしょう。一方、効果音を連打したいようなものは「再トリガ」にしてみるのがよいと思います。

音量調整や逆回転も可能

 そのほかの設定項目も見ていきましょう。

Gain

ゲイン

 セルごとの音量調整です。同じループでも、別のセルにあるループとは違った設定にすることができます。オーディオの場合はゲインを大きくするとビジュアル(セル内の波形)も太く大きく変化します。

ゲインの増減はセル内の波形の大きさで確認できる

ゲインの増減はセル内の波形の大きさで確認できる

長さ

長さ

 クリップを再生する長さを調整できます。小節/拍単位で調整可能です。ただし、短くすると後ろが欠けますし、長くすると後ろに余白が伸びます。「サンレコ」という声の素材を短くすると「サンレ」、長くすると「サンレコ    」のような感じです。

「長さ」は小節数と拍数で指定する

「長さ」は小節数と拍数で指定する

逆再生

逆再生

 読んで字のごとく、逆回転再生となります。セルの表示自体は変わらず、ループがオンのものは反時計回り、オフのものは右から左へと再生表示が流れていきます。

逆再生に指定したセルは、波形の表示は変わらず、後ろから前へ再生していく

逆再生に指定したセルは、波形の表示は変わらず、後ろから前へ再生していく

 LIVE LOOPSでは、再生を止めることなく設定の変更ができます。ただし、セルの再生/停止はできません。タップすると、そのセルの選択と解除になるからです。ですので、設定を変更した後に、「セルをタップしても鳴らない!」と思ったら、焦らず編集モードを解除してください。

再生時には編集モードの解除を忘れずに

再生時には編集モードの解除を忘れずに

 今回はLIVE LOOPSを「曲作り以外で」使う方法を提案してみました。ループの検索や素材の録音、ループの読み込み方は『GarageBandで遊ぼう!』を参考にしてみてください。

 LIVE LOOPSがライブ、DJ、劇場などさまざまな現場で使用できることがお分かりいただけたかと思います。もちろん、これらの設定項目は、ポン出しだけでなくLIVE LOOPSでの曲作りに使えます(というかむしろそちらがメインです)ので、ぜひ遊んでみてください。

阿瀬さとし

阿瀬さとし

2006年アコトロニカ・ユニットCojok(コジョ)結成し、コンピューター&ギターを担当。アコースティックとエレクトロニカを融合した、その独自の音楽性と完成度の高いサウンドにより、2010年レコードプロデューサー佐久間正英が代表を務めたサーキュラートーン・レコーズよりデビュー。そこから頭角を現し、数多くのCM曲や劇伴などの作編曲を手がけて活動の場を広げる。Cojokの活動と並行して、Smash Roomに所属し、作編曲家/ギタリスト/マニピュレーターとして活躍。 http://cojok.net/  Instagram:@asesato

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