- BITWIG Bitwig Studio 5.1 製品概要
- 吉松悠太が語るBitwig Studioの魅力
- Bitwig Studioのおすすめ付属ソフト/プラグイン
- Bitwig Studioのおすすめ機能
- BITWIG Bitwig Studio 5.1 製品情報
- サンレコ・ビギナーズ|音楽制作に役立つ初心者ガイド
BITWIG Bitwig Studio 5.1 製品概要
Mac/Windows/Linuxに対応するドイツ産DAW。モジュレーターなどクリエイティブな機能が満載
2014年発売のドイツ産DAW。Mac/Windowsのほか、Linuxにも対応しています。エディションはフル・バージョン版、エデュケーション版、他社DAWからのクロスグレード版、アップグレード版があり、すべてダウンロード販売です。時間軸をベースにする“アレンジビュー”に加え、そのタイムラインに縛られず再生できる“クリップランチャー”を備えます。1トラックにオーディオとMIDIのクリップを混在できるのもポイント。オーディオコンピングや、フレーズのランダマイズ機能、豊富なサウンドライブラリーも魅力です。
製品ラインナップ
Bitwig Studio
●フル・バージョン:69,300円
●エデュケーション版:47,300円
●12カ月アップグレード版:29,700円
Bitwig Studio Producer:34,100円
Bitwig Studio Essentials:17,600円
動作環境
Mac:macOS 10.14以降、macOS 12、Intel CPU(64ビット)またはApple Silicon CPU
Windows:Windows 7(64ビット)、Windows 8(64ビット)、Windows 10(64ビット)、Windows11、Dual-Core AMDまたはIntel CPUもしくはより高速なCPU(SSE4.1対応)
Linux:Ubuntu 18.04以降、64ビットDual-Core CPUまたはBetter ×86 CPU(SSE4.1対応)
共通:1,280×768以上のディスプレイ、4GB以上のRAM、12GB以上のディスク容量(コンテンツをすべてインストールする場合)、インターネット環境(付属サウンド・コンテンツのダウンロードに必要)
吉松悠太が語るBitwig Studioの魅力
【Profile】音楽理論学習サイトSoundQuestの制作/管理者。またPlugmon名義でサウンド/GUIデザイナー、プログラマー、ピクセル・アーティストとして活動している。UHMスクリプトから生成した独自波形を用いた「Anthem」シリーズをはじめ、主にu-he製シンセのプリセット集やカスタム・スキンを多数リリースしており、同社のHive2においては公式にスキンやウェーブテーブルの提供も行なっている。
DAWが一つの巨大な楽器であるかのような感覚で音楽制作に取り組めます
BITWIG Bitwig Studioは、初期バージョンのリリースが2014年と現行の主なDAWの中では後に生まれた部類に入り、それゆえ各種DAWの良いところや足りないところを研究して設計されたであろう、細やかな配慮がなされているのが魅力です。私にとっては“あのDAWの操作感とあのDAWの機能を兼ね備えたちょうど良いのがあればなぁ”という願いを叶えてくれる存在でした。
ウィンドウを開かずにエフェクトなどを一覧しながら編集できる“デバイスパネル”や、フレーズの保管庫として便利な“クリップランチャー”など現代的なシステムを採用していながら、ミキサーやピアノロールといったDAWの根幹的な機能においては親しみやすいオーソドックスな設計を踏襲。さらにショートカットキーのカスタマイズなど肝要なところも押さえており、まさに“いいとこ取りのDAW”という印象です。
ほかにも、ランダム性を持ち込む機能が豊富だったり、ソフトの機能を拡張する仕組みがあったりと創造性を触発する環境が整っていて、DAW全体が一つの巨大な楽器であるかのような感覚で音楽制作に取り組めます。また、PreSonusと連携して異なるDAW間でも互いに開くことのできる共通ファイル形式を開発するなど、DAW業界に革新をもたらしてもいます。先進的で刺激的なDAWを求める人に、Bitwig Studioはぴったりです。
Bitwig Studioのおすすめ付属ソフト/プラグイン
EQ+(イコライザー)
グラフ内に自由に“点”を打って編集できるEQです。クリックで簡単に点を追加でき、しかも左隅の辺りをクリックすれば低域をカットするタイプの点を、右隅なら高域をカットするタイプの点を追加するなど、同じクリックでも場所によって挙動が異なる仕組みで、慣れると実に素早く編集ができます。同様の他社製プラグインも持っているのですが、メイン画面に直接表示できるという利便性からこちらもよく使っています。
Frequency Split(オーディオエフェクト)
音の周波数成分を4つのグループに分けて、それぞれ別のエフェクターをかけられるデバイス。ドラムの中域にだけエコーをかけるといった基礎的な使い方だけでなく、かなり作り込まれていて複雑な効果を持ったプリセットも多く用意されています。仕組み自体は単純だけれど、組み合わせることによって面白い音を生み出す創造力をプリセットから学ぶことができるのも、Bitwig Studioの魅力です。
Delay+(ディレイ)
フィルターなど、一通りの機能がそろったディレイのエフェクトです。残響音にだけさらにエフェクトをかけられる仕組みを搭載している点が、地味ながら重大な特徴。残響音にだけリバーブをかけたり、L/Rをブンブン動かしたり、そうした作り込みが聴き映えに影響するのですが、実装するのが大変な場合もしばしば。その点でBitwig Studioは、エフェクトの中にエフェクトを挿すような仕組みが随所にあり、クリエイティブな音作りを楽に実現させてくれます。
Bitwig Studioのおすすめ機能
クラッシュ防止システムで不安のない制作が可能
多くのDAWでは、プラグインにエラーが起きるとDAWソフト全体が強制終了してしまいます。未保存の作業がやり直しになってしまったり、ファイルを開く段階においてクラッシュしてまた開き直しというループに陥ったり、クラッシュは制作における悪夢の一つです。しかしBitwig Studioでは、たとえプラグインがクラッシュしても全体に影響が及ばないシステムになっていて、そんな心配は無縁。控えめに言って天国です。
モジュレーターでソフトの機能を拡張
モジュレーターは、付属インストゥルメントやプラグインに対する拡張機能のようなものです。例えばあるパラメーターをランダムで揺らすなど、本来ソフト単体ではやれないことでも追加実装することができて、まるで機材を改造しているような感覚を楽しめます。付属プラグインやインストゥルメントのプリセットもこの機能を活用しているので、各装置の使い道やアイディアを学ぶことができます。
リモートコントロールでウィンドウを開かずに編集
トラックに挿入したプラグインを一覧できるデバイスパネルには、パラメーターを自由に登録できるリモートコントロールという機能があり、ウィンドウを開かずに編集が行えます。複数プラグインをまたいだ主要パラメーターの微調整は頻繁に行うので、ウィンドウ開閉の手間が省けるのは助かります。各パラメーターのリネームや、登録した設定の保存もできるなど、ここでも細部まで配慮が行き届いています。
素早くファイルを選べるブラウザ
音源やエフェクトを追加する際にファイルを選ぶブラウザは、テキスト検索はもちろん、タグやカテゴリー、ファイル種別など、さまざまなフィルタリングが可能です。そしてブラウザ内のすべての操作をキーボード操作で完結できることが魅力で、ブラウジングにドラッグ&ドロップなどのマウス操作が必要なDAWから乗り換えた私は、この俊敏さがもう手放せない体になってしまいました。
作動ボタンでコンピューターの負荷を管理
ソフトをたくさん読み込んでコンピューターの負荷が高まると、ときに音が途切れたり、録音時に音のずれが生じたりします。Bitwig Studioではデバイス、トラック、グループそれぞれに“作動”というボタンがあり、オフにすると一旦動作を停止して負荷を下げることができます。重たいエフェクトだけを停止したりグループを丸ごと停止したり、適宜オフにすることで快適に作業ができます。
操作に迷わないヘルプ機能
付属インストゥルメントやプラグインの機能が分からないときは、すぐにヘルプ画面を開くことができます。このヘルプ画面は、各プラグインの画面を使って説明されるだけでなく、値の操作もできるので、楽しく分かりやすく機能を学ぶことが可能です。また画面下部にもクリックやドラッグをすると何が起きるかが常に表示されていて、操作に迷うことがありません。本当にディテールまで気の利くDAWです。