DJ/作編曲家のKSUKEが愛用する背面開放型のヘッドホンMDR-MV1。2023年9月の『サンレコフェス』で試聴したことを機に購入し、今では「ダントツのモニターヘッドホン」と感じている。その理由を語っていただくとしよう。
Photo:Hiroki Obara
ノリ良く楽しく聴けて、長時間つけていられるのが良い
とにかく軽いし、イヤーパッドが自分の耳の形にフィットするんです。また、側圧がほぼ感じられず、数時間つけっぱなしでも耳が痛くならないから“使おう”という気になります。いくら音が良くても手が伸びなければ意味がないので、気軽に使えるのがMDR-MV1の良さですね。外観も好みです。クラシカルさと現代性を兼ね備えたハイブリッドなデザインでありながら、“カッコよくしました”といった衒(てら)いを感じません。机に置いたときの佇まいには、心をくすぐられます。所有していることへの満足感も大きいんです。
音質は、どんな音量でもフラットな感じで重くありません。でも低域がきちんと見えるし、音楽的なまとまりがあるので聴いていて楽しいんです。そして何より、ノリ良く聴ける。僕は、フェスやクラブでお客さんが盛り上がっているのをイメージしながら曲を作るので、ノリがすごく大事なんです。
ただし、ノレるからと言って長時間ヘッドホンだと疲れてしまうので、これまではスピーカーメインで制作していました。MDR-MV1を購入してからは、装着感の良さからスピーカーとヘッドホンを併用するようになったし、両者の行き来も容易です。と言うのも、過去に使っていたヘッドホンでは低音のレベル感をジャッジしづらく、それもあってスピーカーメインだったのですが、MDR-MV1なら低域の量感が愛用のスピーカーとあまり変わらないので併用しやすいんです。
ダンスミュージックやヒップホップ、ラウドロックといった低音が強い音楽を自宅で作りたい人に“モニターヘッドホンは何を選べばいい?”と聞かれたら、迷わずMDR-MV1をお薦めします。また、複数のヘッドホンを併用する場合、選択肢の1つとして持っておくのも良いと思います。
Summary
✓ 軽くて耳が痛くならない
✓ 新旧ハイブリッドな外観が粋
✓ スピーカーとの行き来が容易
KSUKE
DJ/作編曲家/リミキサー。コロナナモレモモ(マキシマム ザ ホルモン2号店)の一員DANGER×DEERとしても活動。多数の著名アーティストへのリミックス提供、楽曲プロデュースやアレンジ、アニメやゲーム音楽制作など幅広く手掛ける
ソニー MDR-MV1
背面開放型により内部での共鳴を低減し、原音の正確な再現を目指したモニターヘッドホン。ドライバーは専用開発の40mm径のもので、低域の再現性を高めつつ超高域再生も可能に。ドライバー背面にはダクトを備え、振動板の動作を最適化。低域の過渡特性を改善し、中域との分離感を維持しつつリズムを正確に再現するという。360 Reality Audio認定モデルとなっているが、360 Reality Audio以外にも、さまざまな立体音響制作での使用が想定されている。
●形式:背面開放型 ●ドライバー径:40mm ●周波数特性:5Hz~80kHz ●最大入力:1,500mW ●感度:100dB/mW ●インピーダンス:24Ω(1kHzにて) ●重量:約223g(ケーブル含まず) ●付属品:ヘッドホンケーブル(TRSフォーンプラグ)、TRSフォーン→ステレオミニ・プラグ変換アダプター