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「ACOUSTICSAMPLES VHorns Brass Section」サンプリングとモデリング技術を融合したブラス専用ソフト音源バンドル

「ACOUSTICSAMPLES VHorns Brass Section」サンプリングとモデリング技術を融合したブラス専用ソフト音源バンドル

フックアップが運営するオンライン・ストアbeatcloudから、注目のソフトをピックアップする本コーナー。今回レビューするのはACOUSTICSAMPLESからリリースされたブラス専用ソフト音源バンドル、VHorns Brass Sectionです。VHornsと呼ばれるソフト音源6種類を収録。いずれもMac/Windows対応のソフト・サンプラーUVI Workstation 3.1.8(無償)以降で動作し、スタンドアローンのほか、AAX/AU/VSTプラグインとして使用可能です。なお、バンドルに収録された音源はVHorns Trumpet/VHorns Trombone/VHorns Flugelhornとして個別購入することもできます。それではレビューしていきましょう!

空気量やビブラートを簡単にコントロールできる

 ACOUSTICSAMPLESは独自のサンプリング技術とモデリング処理を融合させることで、シンプルな操作性とリアルなサウンドを実現しました。そして、そのテクノロジーはVHorns Brass Sectionがバンドルする6種類のVHornsソフト音源に採用されています。

 これらは、トランペットに特化したソフト音源のVHorns Trumpet 1とVHorns Trumpet 2、トロンボーンに特化したソフト音源のVHorns Trombone 1とVHorns Trombone 2、そしてフリューゲルホルンに特化したソフト音源のVHorns Flugelhorn 1とVHorns Flugelhorn 2です(メイン画像)。それぞれ1と2という2種類のバリエーションがありますが、これらは異なるトーンを持ち、演奏しているプレイヤーも異なります。

 ちなみにVHorns Brass Sectionのデータ容量は全部で412MBありますが、ロスレスであるFLAC形式で圧縮されているため、音質が劣化することはありません。従って、オリジナルの音声データを完全に再現することが可能です。

 上記6種類のVHorns音源は、共通してシンプルな画面構成となっています。画面左上には、サウンド・プリセット・メニューや切り替えボタン</>を搭載。同右上には“MUTE”というメニューがあり、▼ボタンを押すことで“none/Harmon/Plunger/Straight/cup/Bucket”という6種類のミュート設定を選ぶことができます(画面①)。これらは、トランペットやトロンボーンなどのベル部分に取り付けるミュート器具の種類を表しており、noneは何も付けないという意味です。

画面① VHorns Brass Sectionに収録されたVHorns音源の画面右上には、“MUTE”メニューを装備。▼ボタンを押すとメニュー画面が展開し、none/Harmon/Plunger/Straight/cup/Bucket”という6種類の設定を選ぶことができる。これらは、金管楽器におけるベルの先端部分に取り付けるミュート器具の種類を表しており、noneはミュートしないという意味である

画面① VHorns Brass Sectionに収録されたVHorns音源の画面右上には、“MUTE”メニューを装備。▼ボタンを押すとメニュー画面が展開し、none/Harmon/Plunger/Straight/cup/Bucket”という6種類の設定を選ぶことができる。これらは、金管楽器におけるベルの先端部分に取り付けるミュート器具の種類を表しており、noneはミュートしないという意味である

 画面の中段にあるパラメーターは“エアフロー”と言い、独自技術HATによって、ダイアル操作で管楽器を吹くときの空気量を簡単に調整できます(画面②)。MIDIキーボードのモジュレーション・ホイールからでも、リアルタイムにコントロールできるので便利。さらにこのエアフローには、空気量だけでなく、ピッチやベロシティといったパラメーターをアサインすることも可能です。

画面② 各画面の中段にあるパラメーター。左から“ビブラート/エアフロー/リバーブ量”となっている。ビブラートでは、3つのビブラート・モードを設定可能。エアフローは、楽器演奏時の空気量を制御するパラメーターで、MIDIキーボードのモジュレーション・ホイールからリアルタイムに制御できる。リバーブ量では、各V Horn音源に内蔵するリバーブ・エフェクト量をコントロールする

画面② 各画面の中段にあるパラメーター。左から“ビブラート/エアフロー/リバーブ量”となっている。ビブラートでは、3つのビブラート・モードを設定可能。エアフローは、楽器演奏時の空気量を制御するパラメーターで、MIDIキーボードのモジュレーション・ホイールからリアルタイムに制御できる。リバーブ量では、各V Horn音源に内蔵するリバーブ・エフェクト量をコントロールする

 エアフローの左側にあるパラメーターは“ビブラート”です。ACOUSTICSAMPLESは、プレイヤーによるビブラート演奏時の音響的要素を緻密に解析し、リアルなビブラートの再現に成功。このダイアルの真下にあるテキスト部分をクリックすることで、ビブラート・モードの選択メニュー画面が開きます。ここでは演奏の強弱によってビブラート量が変化する“Auto“、時間の経過に伴ってビブラート量が変化する“Auto Time”、そして手動でビブラート量をコントロールする“Manual”という3つのビブラート・モードを選択することができます。これらによって、高い操作性と人間味のあるビブラートを実現することが可能です。

 一方、エアフローの右側には内蔵リバーブ・エフェクト量をコントロールするパラメーター、“リバーブ量”を装備。これもお好みのMIDIコントローラーでリアルタイム操作が可能です。

 画面最下段には“MIX/VIRTUAL SPACE/PREFS”という3つのタブがあり、それぞれのタブをクリックすることで詳細設定画面に切り替わります。

 MIXタブでは、4つのマイクによる収録音のミックスのほか、3バンドEQやIRリバーブといった内蔵エフェクト調整が可能です(画面③)。

画面③ MIXタブ。4本のクローズ・マイク・サウンドのミックスができるほか、3バンドEQやディレイ、IRデータを使用したリバーブの調整が行える。なおREVERBセクションにあるAMOUNTノブは、メイン画面の中段にある“リバーブ量”と連動している

画面③ MIXタブ。4本のクローズ・マイク・サウンドのミックスができるほか、3バンドEQやディレイ、IRデータを使用したリバーブの調整が行える。なおREVERBセクションにあるAMOUNTノブは、メイン画面の中段にある“リバーブ量”と連動している

 VIRTUAL SPACEタブではIRデータを活用し、演奏者の位置やマイクの収録方法などに関する設定が行えます(画面④)。

画面④ 画面内で楽器奏者の位置を21ポジションから選択できる、VIRTUAL SPACEタブ。MIC PAIR TYPEメニューでは、マイクロフォン・ペアの収録方法をORTF/AB/XY/HEAD/MSの5種類から選択できる

画面④ 画面内で楽器奏者の位置を21ポジションから選択できる、VIRTUAL SPACEタブ。MIC PAIR TYPEメニューでは、マイクロフォン・ペアの収録方法をORTF/AB/XY/HEAD/MSの5種類から選択できる

 例えば、アンサンブル収録を再現することも可能です。ビッグ・バンドを収録する場合、通常は演奏者の前にマイクロフォン・ペアを立てるため、その場所がおのずと収録部屋におけるステレオ・ポジションとして定義されます。VIRTUAL SPACEタブでは、それをそっくり再現できるのです。つまり、VHornsをマルチトラックで立ち上げ、それぞれ演奏者の位置をお好みの場所に設定することで、あたかも本物のホーン・セクションを模倣することができます。

 さらにこのタブには、ビック・バンドのような座席配値(3行×7列=21ポジション)が画面内にレイアウトされており、マイクロフォン・ペアの収録方法を5種類から選択することが可能です。

 最後のPREFSタブでは、ピッチやビブラート、レガート、グロウル/フラッター、MIDIといった項目の詳細設定が行えます(画面⑤)。例えば、吹き始めたときのアタックにおけるピッチを調節できたり、ビブラートとエアフローの両パラメーターを連動させたりといったことが可能です。

画面⑤ PREFSタブでは、グライドの時間やアタック時のピッチ変化、ビブラート、レガート、グロウル/フラッター、ノイズ、ラウンドロビンなどの詳細設定が可能

画面⑤ PREFSタブでは、グライドの時間やアタック時のピッチ変化、ビブラート、レガート、グロウル/フラッター、ノイズ、ラウンドロビンなどの詳細設定が可能

任意のキー/スケールに基づいた演奏機能を搭載

 それでは、各VHorns音源を実際に鳴らしてみましょう。まず感動したのは、デフォルトでのサウンドの素晴らしさ。どの音源においてもレガート時の各音のつながりが絶妙で、操作性も優秀です。また、アタックの立ち上がりがよく、スタッカートはリアルなニュアンスをうまく再現できます。キー・スイッチも充実しており、フォール・ダウンやフォール・アップといったアーティキュレーションも自然に表現できました。

 また、VHorns Brass Sectionの大きな特徴であるエアフローはとても卓越した機能です。ボリューム・コントロールとはまたひと味違う印象で、音楽に寄り添うような“強弱の緩急”を簡単操作で実現できてしまいます。

 ここで、ビブラート・モードをAutoからManualへ切り替えてみましょう。すると、MIDIキーボードに搭載されたモジュレーション・ホイールでビブラートを自由に表現することできるようになります。例えば、フレーズの終わり際にゆったりとしたビブラートを付ける、といったことも可能です。このおかげで、今まで以上に表現豊かな演奏が行えます。

 各VHorns音源は、Workstationの利点の一つ“マルチモード”とも相性が良いです。これは複数のソフト音源をロードし、同時に演奏することができる機能。これを利用すれば、 複数のVHorns音源をWorkstationにロードしてブラス・アンサンブルが簡単に作れます。

 ここでさらに、PREFSタブの画面右下にあるMIDIセクションから任意のスケールとそのルート・キーを選択(画面⑥)します。

画面⑥ PREFSタブの画面右下にあるMIDIセクションでは、全体のピッチやトランスポーズ変更のほか、アンサンブル、コントローラー、キー・スイッチ・ポジションの設定が行える。またENSEMBLEでスケールとキーを選択することで、任意のスケールに沿った演奏が可能となる

画面⑥ PREFSタブの画面右下にあるMIDIセクションでは、全体のピッチやトランスポーズ変更のほか、アンサンブル、コントローラー、キー・スイッチ・ポジションの設定が行える。またENSEMBLEでスケールとキーを選択することで、任意のスケールに沿った演奏が可能となる

 TRANSPOSEでWorkstationにロードした各VHorns音源を、1度/3度/5度という具合にトランスポーズしてみましょう。こうすることで、どのように演奏しても設定したキーとスケールで構成されたハーモニーが鳴らせるようになります。もちろん、この機能はマルチモードだけでなくソロで使用する場合でも活用できるため、アドリブなどの演奏も容易に行えるようになります。

 V Horn音源のサウンドは、総じてナチュラルかつ上品です。高域は伸びやかで、低域はふくよかな響きのため、本物志向のユーザーもきっと満足する内容でしょう。作曲家や編曲家にとって、浮かんでくるフレーズは使用する音源のサウンドに大きく左右されると言っても過言ではありません。ソフトを起動するとすぐに心地よいサウンドを提供してくれるため、この音源から得られるインスピレーションは、間違いなくあなたの音楽制作の幅を広げてくれるでしょう。

 VHorns Brass Sectionは、ACOUSTICSAMPLEが持つ技術とノウハウが集約された、高品質なブラス系ソフト音源バンドルです。その音質と高い操作性によって、ジャズはもちろん、ポップスやファンク、映画のサウンドトラックなどを制作する作曲家やアレンジャー、クリエイターに長く愛されることでしょう。

 

ACOUSTICSAMPLES VHorns Brass Section

beatcloud価格:28,650円 ※2023年4月時点

 Requirements 
■Mac:macOS 10.14以降(64ビット)、INTEL製プロセッサーまたはARM(Apple Silicon)プロセッサー
■Windows:Windows 10以降(64ビット)
■共通:7200rpm以上のHDDまたはSDD推奨、4GB以上のメモリ(8GB以上推奨)、412MB以上の空きディスク容量(UVI Workstationインストール時は57.8MBの空きディスク容量)

 

井筒昭雄

【Profile】作曲家/ミュージシャン。一人多重録音ソロ・ユニットのFab Cushionとして音楽活動を始め、現在はCM/劇伴の制作のほか、アーティスト作品への参加など幅広く活動している。

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