DiGiCoのフラッグシップ・デジタルミキシングコンソール、Quantum 852(オープンプライス)がリリースされた。
Quantum 852はDiGiCoコンソールのフラッグシップモデルとなる、大型ライブサウンド用デジタル・ミキシング・コンソール。第7世代FPGAは、従来のQuantumコンソールの3基を超える5基搭載。次世代SHARC DSPプロセッサーも採用する。
入力チャンネル384、バスはAUX/GRPの総計で最大192、LR/LCR/5.1マスターバスを備えた384モノラルチャンネルでも運用可能。マトリクスは最大64×64、36のコントロールグループ、2つのソロバス、および64の FXラックを備える。
Quantum 852 | Quantum 7 | Quantum 5 | Quantum 338 | Quantum 225 | |
Nodal Processinng | 384 | 256 | 128 | 64 | 32 |
True Solo | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 |
Mustard Processing | 128 | 64 | 48 | 36 | 24 |
Spice Rack | 32モノ/16ステレオ | 16モノ/8ステレオ | 12モノ/6ステレオ | 8モノ/4ステレオ | 6モノ/3ステレオ |
また、AUXセンドに入力チャンネルと同等のEQやダイナミクスの機能を装備Nodal Processinng、どのポイントでもソロが確認できるTrue Solo、チャンネルストリップ・アルゴリズムMustard Processing、内蔵エフェクトとは別に用意されたエフェクトラックSpice RackといったQuantum独自機能も拡充。強化されたアルゴリズムにより音質と処理能力が飛躍的に向上しているという。近年の大型化/複雑化するステージに余裕をもって対応し、2人同時でのオペレーションも可能となる。
コントロールサーフェスには21.3 インチの大型スクリーンを両サイドに搭載。1000nitのLCDバックライトスクリーンを搭載しており、太陽光の下でも高い視認性を確保している。また、3つの19.2インチ専用メーターブリッジや中央上段にサブフェーダーを配置するなどQuantum7で好評を博したデザインを踏襲。さらに、バンクとレイヤー切り替え用のコントロールスクリーンを新しく配置するなど、操作性を向上させている。すべての画面がタッチセンシティブで瞬時に反応し、コントロールと完全に連動。HTLによる機能自動識別のカラーリングで、各ロータリー・エンコーダーを自動でカラーコード化するため、必要なコントロールを瞬時に識別できる。
背面のローカルI/Oには、32ビットAD/DAコンバーターを搭載。3枚のカードそれぞれにマイク/ライン入力、ライン出力、AES入出力を備えており、サンプリングレート96kHzを標準とするDiGiCoコンソールの高音質と相まって音の再現性を高め、超高解像度のサウンドを提供する。また、Quantumエンジンと電源を2基ずつ搭載し、すべてをリダンダント化。各エンジンには、8つのMADIポート(BNC)を備えており、48kHz時に8系統、96kHz時に4系統の接続が可能となっている。そのほか、ワードクロック、AESシンクおよびビデオシンク、USB2.0/3.0、4Kディスプレイポート、オプティカルI/Oを装備。DMIカードスロットも各エンジンに2つずつ設けており、DanteやAVBなどのネットワーク構築や入出力増設など用途に応じて多種多様なカードが追加できる。