RMEはハイエンドUSBオーディオインターフェイスFireface 802 FSとハイエンドAD/DAコンバーターM-32 Pro IIシリーズを発表した。
Fireface UFX IIIの設計を踏襲したFireface 802 FS
Fireface 802 FSは、2014年リリースのロングセラーモデルFireface 802からアップデートを図り、アナログ基板とデジタル基板を新たに開発。同社フラッグシップモデルFiraface UFX IIIで培った技術を基本とし、最新のAD/DAコンバーターによるひずみ率の改善やSN比の向上、SteadyClock FSによるフェムト秒(1,000兆分の1秒)精度のジッター抑制などの音質向上を実現する。9月21日発売で、価格はオープンプライス(市場予想価格330,000円前後)。
最高192kHzに対応し、最大入出力は30イン/30アウト。アナログ入力は4基のマイクプリを搭載した12ch、アナログライン出力は8chで、アナログ出力のDCカップリング化し、シンセのCVコンロトールが行えるようになったのもトピックだ。そのほかヘッドフォン出力のインピーダンスは従来の30Ωから2Ωとなり、ノイズの低減と出力の増加に成功している。
スタンドアローンでプリアンプやコンバーター、内蔵DSPを使用したミキサーやルーターなどとしても機能。最新のARC USBリモートコントローラーに対応する。そのほか、オプティカル端子(入出力×2)の両方がS/P DIFに転用可能になったり、RME専用ドライバーを介さずにパソコンやiPhone/iPadに接続できるクラスコンプライアント・モードへの切り替えスイッチがリアパネルに設けられるなど、細かな改善点は多数あるが、ドライバーは前モデルのFireface 802と共通のため、本機の追加で容易に入出力を増やすことができる。
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音質向上に加えDanteバージョンが加わったM-32 Pro II
M-32 AD Pro IIシリーズは、ADコンバーターのM-32 AD Pro IIとM-32 AD Pro II-D、DAコンバーターのM-32 DA Pro IIとM-32 AD Pro II-Dが今秋発売予定(価格未定)。末尾に-Dの無いM-32 AD Pro IIとM-32 DA Pro IIはMADIとAVB、末尾に-Dが付くM-32 AD Pro II-DとM-32 DA Pro II-DはMADIとDanteに対応する。
DAコンバーターチップはAK4414からAK4490に変更となり、THD+Nが107dBから11dBに向上。オプションのMADIオプティカル(コアキシャルは標準搭載)がSFPモジュールでの実装になったことも変更点だ。
全モデルでネットワークポートは2つ備えられており、電源やMADIと同様にリダンダントに対応。AVBモデルでは片方をワイヤレスルーターなどとの接続用に、Danteモデルでは片方をネットワークスイッチとして使用することもできる。
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プレスカンファレンスで新電源を世界初公開
両製品のリリースに先駆けて、シンタックスジャパンではRME創業者のマティアス・カーステンズ氏と開発担当のマックス・ホルトマン氏を招いたプレスカンファレンスを開催。両製品の特徴やアップデートポイントを具体的に解説するとともに、オーディオファンからも支持されているADI-2/4 Pro SEの高音質技術を具体的な仕様や数値を交えて丁寧に説明していた。
RMEでは、ADI-2シリーズとの併用を念頭に、リニア電源のLNI-2 DCが開発中であることも公開された。オーディオ愛好家からリニア電源が期待されている中、低ノイズDCフィルターやステイブライザーなどを備えることで、実測上その効果が証明可能なクリアで安定した電源を供給するのが狙いだという。