Mac/Windows対応の楽譜制作ソフト、STEINBERG Doricoの最新バージョン、Dorico Pro 3.5(オープン・プライス)とDorico Elements 3.5(オープン・プライス)のダウンロード販売が開始された。ダウンロード販売価格は、Dorico Pro 3.5は54,000円+税、Dorico Elements 3.5は9,900円+税で、パッケージ版も順次発売される予定。MAKEMUSIC! FinaleやAVID Sibeliusからのクロスグレード版、アカデミック版も用意されている。
また旧バージョンからのアップグレード版はSteinberg Online Shopにて購入可。2020年4月22日以降にDorico Pro 2、Dorico Pro 3、Dorico Elements 3、Dorico Elements 2をアクティベートした場合、MySteinbergを通じて無償で各グレードのバージョン3.5を入手できる。
バージョン 3.5の主な新機能
1.通奏低音の記譜法に対応
17世紀から18世紀ごろに広く使用された、 数字付き通奏低音の記譜法に対応。 ショートカットによる簡単な入力に加え、 MIDIキーボードで和音を弾いて入力することもできる
2.音価の前に音高を指定して入力
従来のDoricoでは、 ノート入力の際にデュレーション(音価)を選択してからピッチ(音高)を入力していたところ、 特定の音符のさを指定せずに後から音価を設定できるようになった。音価と音高の入力順は自由に入れ替えられる
3.進化したコンデンス機能
シングル・クリックで指揮者用のコンデンス・スコアを自動生成するコンデンス機能。 バージョン3.5からさらに拡張され、弦セクションのDivisiが正しく反映されるようになった
4. 進化したギター記譜
タッピングやハンマリング・オン、プリング・オフ、アーミングといったテクニックに対応。曲頭にコード・ダイアグラムを並べて表記することもできる
5.ラインエディター
40種類の平行および垂直ラインの記譜が可能になった
6.VSTエクスプレッションマップの改良
キー・スイッチとそのほかのパラメータの同時使用に対応
7.MusicXMLの拡張
ソフト間における楽譜データの交換形式として多く用いられる、MusicXMLエクスポートのサポートを拡張。パーカッションの書き出しの改良をはじめ、 ダイナミクスや符頭タイプ、拍子記号、テンポ記号などの読み込みと書き出し機能ができるようになっている
8.進化したユーザー・インターフェース
記譜モードと浄書モードの背景のグラデーションが変更できるように改良
Dorico ElementsがDoric Proと異なるところ
- 最大12のプレーヤーをサポート
- 浄書モード非搭載
- Halion Symphonic Orchestraの収録無し
- キュー音符が記譜できず、 キュー・パネルとポップ・オーバー非搭載
- Divisi, ossiaが省略され、 微分音は記譜不可
- 浄書オプション、 記譜オプション、 再生オプション、 フォントスタイルなど、 いくつかのオプションは非搭載
- ギター・タブ譜、コード・ダイアグラム、ハープのペダリングは記譜できるが制限あり