砂原良徳『LOVEBEAT 2021 Optimized Re-Master』の配信記念イベント。このリリースは、昨年CDとアナログで発売されたステレオバージョンに加えて、砂原が新たに制作した360 Reality Audioバージョンも追加されている。リリース記念のオンライン・トークイベントと、体験会の様子をここでレポートしよう。
トーク
6月24日にオンラインで開催したトークイベント。トークに先駆けて、360 Reality Audioの解説と、砂原の制作ドキュメント映像が披露された。
ドキュメント映像では、ソニー・ミュージックスタジオにて、360 Reality Audioの制作方法を学ぶ段階から、ミックス〜マスタリングまでを10分強のダイジェストで紹介した。
砂原にとっては愛用のDAW=PRESONUS Studio Oneに、AUDIO FUTURESから発売されている360 Reality Audio制作用プラグイン360 WalkMix Creator™が対応したことが何よりも大きかったようだ。
制作に関するトピックについては詳しくは動画でご覧いただきたいが、「(ステレオ制作と同等の制作手法が)まだ無いからやらないと言ってしまうと、世の中が前に進んでいかない。無かったらどうやってやるのかを考えるのが自然だと思うんです。生きている間はそうやっていかないと面白くないですよね。もうこれで誰かに360 Reality Audioについて聞かれても“俺はこの山に登ったことがあるんだぞ!”と言える」とは、希代のクリエイターとしての力強い発言だった。
また待望の『LOVEBEAT 2021 Optimized Re-Master』のライブが実現するのか!?については、ぜひトーク動画をご覧いただきたい。
スタジオと同じ13chスピーカーを用いたプレミアムな体験会
6月25日、26日の体験会は、一度に1組のみの限定で砂原セレクトの2曲「BALANCE」「LOVEBEAT」を、ソニー・ミュージックスタジオから持ち込んだ13chのスピーカーで再生。応募先着34組のみの限定(当初の30組からの増枠)で、プレミアムな試聴体験をしていただいた。
認定ヘッドホンでの試聴も体験
以下、13chスピーカー環境で360 Reality Audio版『LOVEBEAT 2021 Optimized Re-Master』を聴いた体験者の声を抜粋してお届けする。
「今まで何回も聴いてきた曲なのに、とても新鮮な感じを受けた」
「異空間にいるような感覚でとても楽しかった」
「想像以上の体験になった。これまでの立体音響には感じた「嘘くささ」が全く感じられなかった」
「音の洪水という感じですごかった」
「思ったより分離感があり、一音一音の説得力が増した」
「聞くというか、まさに体験、という感じがした」
「星空の観測に例えると、空全体がくもり無く晴れて、全方位の視界がクリアになったようで人間の感覚が広かったような気分になる」
「何度も聴いている曲なのに、こんなにも自分が気付かない音がたくさん飛び交っているとは……という驚きを感じられた」
スピーカーでの体験の後は、ソニーの360 Reality Audio認定ヘッドホン、WH-1000XM5で、個人最適化のプロセスとリスニングの体験をしていただいた。さすがにスタジオと同じスピーカー環境と比べると分が悪いのではないか……と思ったが、以下のようなご意見もいただいたので紹介しよう。
「全天球感はスピーカーの方があるかもしれないが、ヘッドホンの方が聴きやすい」
「音の動きがより細かく分かるのでスピーカーが13個そろっていなくても楽しめた」
「ヘッドホンで360°音が聴けるなんて!! 感動でしかないです」
「球体の大きさは13chスピーカーの方が良さそうですがいつでも聴けるのはよい」
「ヘッドホンでも13のスピーカーとほぼ同じ音像を感じられた」
「13chスピーカーの直後に聴いても、実際ほぼ音が同じように聴こえて驚いている」
トーク中で「僕が知る中では、WH-1000XM4やM5は360 Reality Audioを楽しむならベストなヘッドホン」と砂原も語ってくれた。これら個人最適化が行える認定ヘッドホンが無くても360 Reality Audioは楽しめるので、まずはぜひAmazon Music UnlimitedやDeezerで『LOVEBEAT 2021 Optimized Re-Master』をお手持ちのヘッドホンで体験していただき、機会があればぜひこれらの認定機器でも試してみてほしい。