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Astell&Kern AK HC2〜超高解像度再生を可能にするUSB-DACケーブル

Astell&Kern AK HC2

Astell&Kernは、韓国を拠点に2012年から世界展開しているハイレゾ・オーディオ・ブランド。原音の忠実な再現を理念に掲げ、ポータブル・プレーヤーやヘッドフォン/イアフォンなどを発表している。この度リリースされたUSB-DACケーブルのAK HC2は、ステレオ・ミニ出力端子の前モデルPEE51と異なり、4.4mm5極バランス端子を出力に採用。これまでにない高音質を実現しているというその性能について、音楽プロデューサーの佐藤純之介に話を伺った。

Photo:Hiroki Obara

AK HC2 製品概要

Astell&Kern AK HC2|価格:29,980円

Astell&Kern AK HC2|価格:29,980円

 “SMALL, BUT MIGHTY”をキャッチ・コピーとする、ポータブルUSB-DACケーブルPEE51の後継機種。出力端子がステレオ・ミニの前モデルと異なり、4.4mm5極バランス端子を備え、高い出力と明瞭な分離感を実現するという。DACをL/Rに独立して1基ずつ搭載するデュアルDAC構成で、サンプリング・レートは最高32ビット/384kHz(PCM)。DSD256(11.2MHz)のネイティブ再生も可能だ。ハイレゾ音質のストリーミング再生にも対応する。接続端末を介するバス・パワー駆動方式のため充電不要。Android端末向けには、細かな音量調節を可能にするアプリ「AK HC」が用意されている。

出力端子は4.4mm5極バランス。イアモニの端子部分の4本の黒い線が、4.4mmバランス接続であることを示している

出力端子は4.4mm5極バランス。イアモニの端子部分の4本の黒い線が、4.4mmバランス接続であることを示している

付属品のUSB Type-C to Lightning変換アダプター。APPLE iPhoneなどに接続する場合は必要となる

付属品のUSB Type-C to Lightning変換アダプター。APPLE iPhoneなどに接続する場合は必要となる

●価格:29,980円 ●本体素材:アルミニウム ●DAコンバーター:CIRRUS LOGIC CS43198×2(デュアルDAC) ●サンプリング・レート:最高32ビット/384kHz(PCM)、最高1ビット/11.2MHz(DSD) ●入力端子:USB Type-C/Lightning(付属変換コネクター使用) ●出力端子:4.4mm5極バランス(GND接続あり) ●出力レベル:4Vrms(無負荷) ●周波数特性:±0.011dB(20Hz〜20kHz) ●SN比:122dB@1kHz ●出力インピーダンス:1.5Ω ●対応OS:Mac(OS X 10.7以上)/Windows(10、11)/iOS/Android ●付属品:USB Type-C to Lightning変換アダプター ●外形寸法:22.8(W)×60.0(H)×12.1(D)mm(出力部)、12.0(W)×21.0(H)×6.5(D)mm(プラグ部) ●重量:約29g

外出時でも作業に使える手軽さとサイズ感

 僕がDACを使うようになったのは、使用していたラップトップが96kHzのヘッドフォン出力に対応していなかったからです。2010年ごろから96kHz以上のフォーマットで音楽制作をしていることもあり、必要に迫られて導入しました。

 初めはAstell&Kernのポータブル・プレーヤーAK100をDACモードに切り替えて使い、それと同時期に自分の耳の形に合わせたカスタム・イアモニを作りました。二つを組み合わせてみたときに、マスタリング・スタジオと同等、もしくはそれ以上の解像度の高さを感じたんです。スタジオのラージ・モニターでなくても、ベースの弦がこすれる音など本当に細かいところまで聴き取ることができる。それからミックスの最終チェックや、マスタリングの際に用いています。

 最近は、AK HC2の前モデルPEE51を使っていました。つなげばすぐに使えて、軽くて持ち運びにも便利です。旅先でも作業でき、マスター納品まで済ませています(笑)。

 新たにリリースされたAK HC2は、初めに音を再生した時点で全く違いました。とにかく音のセパレーションが素晴らしすぎる。これまでリリースされていた製品もその時々でスペックに満足していたのですが、久しぶりにネクスト・レベルに上がったなという感じがしましたね。しかもこのサイズで、この価格で、この音が聴けるというのは衝撃です

定位がはっきりと分かるパワフルな出力

 AK HC2は、4.4mmのバランス出力のみ。マニアックですよね(笑)。これまで2.5mmのバランス出力はチェックしていましたが、4.4mmで聴いたことはなかったんです。だから“本当にここまで変わるのか!”と。今まで使っていたイアモニが、ケーブルの端子を4.4mmに変えただけで全く異なる音になるということにとても感動しました。

 出力はパワフルだし、音の分離が良いからこそ、そろっている音はすごく奇麗にそろう。出力が弱いとセンターがぼやけてしまうのですが、パキッと真ん中で鳴っていることを感じ取れます。立体音響の制作では、音の位相感、立体感がすごくはっきりと見えるようになりました。僕の中では“イアモニ・バランス時代”の始まりかなと感じています。

 今の若い人はイアフォンで音楽を聴くことが多いので、リスナーの環境に合わせたマスター・モニターとして宅録のクオリティを上げたい方に使ってもらいたい。DACはオーディオ向けなイメージもありますが、ぜひ体験してほしいです。

 僕自身オーディオ・マニア的な気質もあるので、エンジニアリング的な聴き方もオーディオ的な聴き方もどちらも好きという目線で音楽を見つめています。リスナーとしての自分と、プロデューサーとしての自分の架け橋になる存在がAK HC2だと思っています。

 

佐藤純之介
エンジニアリングも手掛けるプロデューサー。ランティス/バンダイナムコアーツを経て、2020年にPrecious toneを設立。現在はSYNCLIVE Studio Mを拠点として活動する。

製品情報

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