YAMAHA RIVAGE PM10導入事例 Case5&6

YAMAHAのデジタル・ミキシング・コンソール“PMシリーズ”の最新版RIVAGE PM10。ここでは、サウンドクオリティ、操作性、機能、信頼性、拡張性など、世界が認める本機の導入事例を紹介していく。

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先月から続いての第五弾は、屋内外の大規模・小規模コンサート、イベントなどの音響機材の設置およびオペレートを手掛けるトゥ・ミックス。代表を務める吉川明氏に話を伺った。

信頼のおけるYAMAHAの卓なのでさまざまな現場で活躍しそうです

東京都内に構えるトゥ・ミックスの社屋にて、2台のRIVAGE PM10と吉川明氏(Photo:Hiro Sato) 東京都内に構えるトゥ・ミックスの社屋にて、2台のRIVAGE PM10と吉川明氏(Photo:Hiro Sato)

2015年の末に発売が開始されたRIVAGE PM10。トゥ・ミックスでは、発売から間もなく2台を購入したというが、どういった経緯があったのだろう? 吉川氏が答える。

「弊社はもともと、PM5DやCL5、M7CLなど、YAMAHAのコンソールをさまざまな現場で使ってきました。そんな中登場したRIVAGE PM10は、YAMAHAの最新のデジタル・コンソールということで、これまでの信頼性、安心感もあり、また操作方法も慣れているので、すぐに導入することにしたんです。実際にはまだライブの現場で使用していないのですが、不安はありませんね」

RIVAGE PM10の印象について、吉川氏はこう続ける。

「近年はデジタル・コンソールの小型化が進んでいますが、今はそこからさらに音のクオリティが注目されるようになってきました。その中でRIVAGE PM10は96kHzに対応しているので、しっかりカバーしていますよね。また、コンパクトながらインプットだけでなくアウトプット数も充実しているのもありがたいです。我々がよく手掛けているイベントだと、インプットだけでなくアウトプットも多いので、RIVAGE PM10をハウス卓としてだけでなく、モニター卓としても活用できる。どちらの選択肢もあるのはこれから重宝すると思いますよ」

今後のプランとして吉川氏は、「年明けの水樹奈々のツアーで、まずはモニター卓から稼働させ、またスペース・パフォーマンスも高く、信頼のおけるYAMAHAの卓なので、いずれ年末の現場でも活躍しそうです」と期待を込める。

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山口県・山口市にある山口情報芸術センター、通称“YCAM(ワイカム)”。展示空間のほか、映画館、図書館、ワークショップ・スペースなどを併設しており、ライブやインスタレーションを行う際には、エンジニアの中上淳二氏、安藤充人氏らが、コーディネートやオペレートを行うそうだ。今回導入されたRIVAGE PM10について、2人に話を聞いていこう。

音のレスポンスや解像度の高さからリアルに“良い音”だと感じました

山口県・山口市にあるYCAM内Studio Aにて、エンジニアの中上淳二氏(右)と安藤充人氏(左)(写真提供:山口情報芸術センター[YCAM]) 山口県・山口市にあるYCAM内Studio Aにて、エンジニアの中上淳二氏(右)と安藤充人氏(左)(写真提供:山口情報芸術センター[YCAM])

YCAMでは、国内外のアーティストやエンジニアがインスタレーションやライブ・パフォーマンスを行っており、中上氏や安藤氏らが音響面で支えている。まずはRIVAGE PM10が導入された経緯について、中上氏が答えてくれた。

「デジタルのライブ・コンソールを導入したいというのは開館当初からあり、“96kHzに対応している”というのが条件の1つだったんですね。これまでYAMAHA DM1000/DM2000などで対応してきたんですけど、満を持して、昨年末にRIVAGE PM10が発売開始されたので、当館でも導入することになりました。印象としては、音のレスポンスが良く解像度も高かったので、生音に近く、よりリアルに“良い音”だと感じられたんです。あと、RUPERT NEVE DESIGNSのSILKをボーカルに使ったときは、立体感が加わり説得力のある音になった。EQでは作れない音作りで興味深かったです」

RIVAGE PM10を導入して以降は、“爆音映画祭”や、ライブ、インスタレーションなどで活用してきたという。「爆音映画祭のときは、40台以上のスピーカーを設置したんですけど、アウトプット数にも余裕がありましたし、光ケーブル1本で取り回すことができ、すごくセットアップがしやすかったです」と安藤氏が語るように、イベントも大成功を収めたそうだ。

「今後は、YCAMのメイン卓として、ライブを中心に活躍していくと思います。まずは12月に相対性理論のライブが開催されるので、YCAMならではの音作りができたらいいですね」と中上氏が意気込みを語ってくれた。

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[RIVAGE PM10とは]

アナログ部とデジタル部から成る、新開発の“ハイブリッド・マイク・プリアンプ”を搭載。デジタル段には、YAMAHA独自のモデリング技術VCMテクノロジーでRUPERT NEVE DESIGNSのSILKプロセッシングをモデリングしたトランスフォーマー回路を内蔵している。トップパネルにはYAMAHA定番のSelected Channelセクションとタッチ・オペレーションに対応した液晶パネルを搭載。さらにシーン・メモリーなど機能面の実用性も向上した。