ダークなテック・ハウスやミニマル・テクノの第一人者、マット・エドワーズによるプロジェクト＝レディオ・スレイブ。英ブライトン出身の彼は、マッシュ・アップやリミックス作品で一躍名を上げた後、よりディープなスタイルへと変遷し、現在はベルリンに拠点を構えDJとして世界中を飛び回っています。今作は、そんな彼の未発表のアーカイブから選りすぐりのビートやループをピックアップして世に公開するライブラリーの２作目です。
収録フォーマットは、24ビット／44.1kHzのWAV/AIFF/REX2で、ドラム・ループが134個、パーカッションで構成されたループが72個。そして、ワン・ショット素材が114個。基本的にはリズム中心ですが、一部シンセ・フレーズが入ったものや、バリエーションが用意されたループもあります。さらにワン・ショットのドラム・サウンドには、それらを読み込める各種サンプラー・パッチ（ABLETON Drum Rack、APPLE EXS24、NATIVE INSTRUMENTS Kontakt、PROPERHEAD NN-XT）が用意されているほか、ワン・ショットの一部を使いレディオ・スレイブが組んだ５つのドラム・キット（Drum Rack、NATIVE INSTRUMENTS Maschine、PROPERHEAD Kong用）も含まれていて、自由度の高いリズム・プログラミングが可能となっています。
一通り聴いてみましたが、ミニマルかつシンプルながらも１つ１つの音の処理が非常に練りこまれていて、まさにレディオ・スレイブ・ワールド全開な内容。こんなに惜しみなく提供してしまっていいの？って思ってしまうほど、完成度が高い素材に満ちています。気に入ったのはキック無しのループ素材で、曲調を決めてしまうベースも一切入っていない分使いやすく、オリジナル・トラックに強烈なインパクトを与えてくれそうです。本製品も使い倒されそうな気配がしますね（笑）。
