ZOOM AMS-44 レビュー:配信用モードも備える4イン/4アウトのオーディオI/O

ZOOM AMS-44 レビュー:軽量&コンパクトで配信用モードも備える4イン/4アウトのオーディオI/O

 フィールドレコーダーやエフェクターなどで先進的な製品を送り出し続けているZOOMより、超小型で軽量のオーディオインターフェースでありながら、手軽なライブ配信にも対応できるAMS(AUDIO I/F for MUSIC & STREAMING)シリーズが登場しました。2イン/2アウトのAMS-22、2イン/4アウトのAMS-24、4イン/4アウトのAMS-44がラインナップ。今回はAMS-44をお借りしました。

配信時に便利なループバック機能も搭載

 事前に映像を見て、ある程度のサイズ感など分かっていたつもりでしたが、実際手にしてみるとびっくりするくらいコンパクトです。そして軽い! わずか223g(単三乾電池2本含む)です。バックパックやスリングバッグにポンと入れてストレスなく持ち歩けると思います。それでいてチープな感じはなく、しっかりとした作りになっています。簡単に壊れるようなことはないでしょう。このあたりはさすが、フィールドレコーダー等で培われてきた技術が反映されていそうですね。

 このサイズの中に4chの入力(XLR/TRSフォーンコンボ)とモニター用のステレオL/R出力(TRSフォーン)、それに加え2系統のヘッドフォン出力(ステレオミニ)が付いています。ヘッドフォン出力が2つ付いているのは非常にうれしいですね。スピーカーが無い環境で録音を確認するとき、ヘッドフォンで2人で聴けるのは便利です。電源はUSBバスパワー、専用ACアダプター(別売)、市販のUSBモバイルバッテリー、単三乾電池2本のいずれかを使用します。

ステレオ出力(TRSフォーン×2)、USBコネクター(Type-C)などはリアに用意されている

ステレオ出力(TRSフォーン×2)、USBコネクター(Type-C)などはリアに用意されている

 この製品最大の特徴は、MUSICモードとSTREAMINGモードを本体のスイッチで切り替えられることです。MUSICモードは、4chのオーディオインターフェースとして録音などに使用できます。一方、STREAMINGモードでは4系統の入力音を2ミックスにして、OBS Studioなどの配信アプリケーションに送ることができます。YouTubeやInstagramなどでライブ配信をしたい場合に使用するモードです。

MUSICとSTREAMINGのモード切り替えスイッチはトップ・パネルに搭載

MUSICとSTREAMINGのモード切り替えスイッチはトップパネルに搭載

 配信用の機能としてはループバック機能も搭載。これも本体のスイッチでオン/オフを切り替えられます。オンにするとMacやWindows、iOSやAndroidのタブレットやスマートフォンで再生した音楽も入力音とミックスされて配信されます。また全入力チャンネルでファンタム電源を供給でき(TRSフォーンには共有されません)、ch1はギターやベースなどのHi-Z入力にも切り替えられます。ch3-4は本体スイッチでステレオリンクができますので、外部音源やキーボードなどをステレオで入力する際に便利です。そしてダイレクトモニターもスイッチでオン/オフできるようになっているので、遅延のないモニタリングが可能になっています。

ループ・バックとダイレクト・モニターのスイッチは右側面にある

ループバックとダイレクトモニターのスイッチは右側面にある
AMS-22
AMS-24
AMS-22(左)2イン/2アウトで重量は85g。AMS-24(右)2イン/4アウトで重量は単三乾電池2本込みで180g

高音が落ち着いた安心感のあるサウンド

 それではMacにAMS-44を接続して使用してみます。USBバスパワー対応ですので、MacやWindowsでは別途電源などは必要なく作動してくれます。また、Macの場合はドライバーレスで接続するだけで認識してくれました(WindowsでDAWなどに録音する場合はドライバーをインストールする必要あり)。それでは、まずMUSICモードでマルチトラック録音を試してみます。ch1にボーカル、ch2にアコースティックギター、ch3-4をステレオリンクしてステレオのトラックを録音してみましょう。ch3-4がステレオリンクされるので、2ミックスの音源やステレオペアのマイクでの録音では、ワンノブでレベルを調整できて非常に便利です。ゲインのノブが別々の場合、2つを合わせるのは意外と大変ですし、ステレオリンクするだけで、ダイレクトモニターのアウトも自動的にステレオで再生されます。別途パンの設定は必要ありません。さらに各入力チャンネルにはシグナル監視用のLEDも付いています。レベルオーバーになると赤が点灯しますので、レベル調整もスムーズにできます。

 ボーカルをSHURE SM58、アコースティックギターをNEUMANN KM184で録音してみたところ、落ち着いていて好印象でした。ハイエンドが若干抑えられている印象で、アコギのシャリシャリした部分などはあまり目立ちません。声の歯擦音も目立ちにくい印象ですので、ハイエンドにEQやディエッサーなどの処理をしなくてもそのまま配信できてしまいそうです。スマートフォンやタブレットのスピーカーで聴いても高音がキツくなりすぎないサウンドだと感じました。

 次にiPadに接続してSTREAMINGモードを試します。スマートフォンやタブレットで使用する場合は外部電源もしくは電池が必要です。筆者はYouTubeやInstagramでの配信は行わないのですが、オンデマンド授業用にiPadを使って収録していますので、その用途でAMS-44を使用してみます。基本的には声と動画などの再生音を収録するのですが、今回、声の収録にはAKG C414 XLⅡを用いました。録り音は、先ほどと同じく高音が落ち着いていて安心感のあるサウンドです。ループバック機能が付いているので、iPadで再生した音もそのまま収録されます。これを本体のスイッチでオン/オフできるのも非常に便利だと感じました。

 なお、前述の通り本機にはAとBの2系統のヘッドフォン出力が付いています。もちろんヘッドフォンを2つ使用してモニターできるのは非常に良い機能ですし、Bを使って4ch出力のオーディオインターフェースとしても使用できます。

 AMS-44は超小型、超軽量で多機能なオーディオインターフェースです。どこにでも持って行けてすぐ使えます。出張の多い方やWeb会議用のデバイスとしてもお薦めできます。

 

西川文章
【Profile】大阪を拠点に活動するPA/レコーディングエンジニア。大小さまざまな会場を回り、豊富な経験を持つ。かきつばたやブラジルなどのプロジェクトで、ギタリストとしても活躍している。

 

ZOOM AMS-44

オープンプライス

(市場予想価格:20,000円前後)

ZOOM AMS-44

SPECIFICATIONS
▪接続:USB 2.0(コネクター/Type-C) ▪入力:モノラル(MIC/LINE)×4(XLR/TRSフォーンコンボ) ▪出力:ステレオ×1(TRSフォーン×2)、ヘッドフォン出力×2(ステレオミニ) ▪ビットレート:24ビット ▪サンプリング周波数:44.1/48/88.2/96kHz ▪電源:USBバスパワー、 専用ACアダプター(別売)、USBモバイルバッテリー(別売)、単三乾電池×2(別売) ▪外形寸法:129(W)×46(H)×74(D)mm ▪重量:177g(本体のみ)、223g(単三乾電池2本含む)

製品情報

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